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ヨルガオ殺人事件:アンソニー・ホロヴィッツ:凄い…凄すぎる、読書の幸福。

「ヨルガオ殺人事件」(27、28/2022年)

超絶テクニック、以上。

ってことになりますよね、本作品。ベストセラーミステリの中に8年前の事件の真相が隠されているという、1回で2度、上質なミステリが楽しめるという構造、何ということでしょう。

作品の構造だけ説明すると、数年前にリアル殺人事件が起こった。そのリアル殺人事件の係わった人物を揶揄するようなかたちでミステリ小説が書かれた。ちなみにリアル殺人事件は21世紀に発生したが、ミステリ小説の舞台は第二次世界大戦後が舞台になっている。
そして今、リアル殺人事件の関係者がミステリ小説を読んで、リアル殺人事件の真犯人に気が付いてしまった。今、犯人として牢獄にいるのは無実であることに。
そして、その真犯人に気付いた関係者は失踪、行方不明になってしまった。

本作品の構成は「リアル殺人事件の解明(前半)」→「ミステリ小説」→「リアル殺人事件の解明(後半)」となっています。現実と虚構が入り混じり、真相に近づいていく後半の部分は手に汗握ります。

それにしても、こんな高度なテクニックをこんな安価に楽しめるなんて、読書の幸福、マックス状態です。とにかく読んでください。2回もスマートで華麗な謎解きが楽しめるなんて超贅沢&ハイ・コスパ!

で、次のホロヴィッツ「殺人事件」は、どんなテクニックで攻めてくるのか、楽しみです。



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