守教 下:帚木蓬生:信じ続ける

「守教 下」(051/2020年)

守り抜いたんだな、凄い。

僕は特別に信じる宗教が無いので、上巻では、キリスト教を信じる人たちの姿、理性では理解できるものの、本能的には信じることは出来ませんでした。でも、読了した今、宗教というものに対する意識が少し変わったかもしれません。

十七世紀、弾圧が強まり、次々と殉教者が出てきます。処刑が実施されます。その時、司祭たちは信者に言います、生き延びろと。キリスト教を広める人は必ず来る。その時、信じる人たちがいることが大事なんだと。守ることが最大の攻撃、考えさせられます。

解説でも言及されてましたが、司祭やキリシタン大名にスポットを当てた作品は数あれど、信者である農民、農村を舞台にした作品は珍しいとのこと。信じる人がいないと、成立しないという現実を描き、なぜ信じることが出来たのかという現実を描いた本作。

突如やってきたキリスト教を、どうやって知り、どうやって信じ、どうやって信じ続けたのか、分かりました。そして、これが宗教というものの一面なんだなってこと、初めて知りました。

今まで生きていて、宗教というものに出会うことが無かったのですが、もし、どこかで出会っていたら、どうなっていたのでしょうか。そして、これから出会ったら、どうなるのでしょうか。

この連休のタイミング、真摯に向き合う作品として、オススメです。

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