大好きだった営業を頑張るほど嫌いになり会社を辞めてしまった。
僕は営業という仕事が大好きでした。でも、いつの日か営業が好きではなくなってしまいました。
頑張れば頑張るほど、なにかを失っていく感覚が襲ってきて、気づいた時には会社を辞めていました。
そして、自分で起業をし、また少しずつ営業が好きになってきています。
ネガティブそうなタイトルですが、とってもポジティブな内容です。
僕と同じ様に、営業を頑張っているけど、このままで良いんだろうかと思っている人はもちろん、営業が楽しくて仕方がない人も、いつかそうなったときの為に読んでもらえると嬉しいです。
(12月25日に公開しようと予定していたら、前日にすばらしいnoteをSatohoさんが書かれていらっしゃったので、こちらも読んでいただけると嬉しいです。)
ありがとうと言われるのが嬉しくて営業を好きになった
僕が営業を好きになったきっかけは、高専時代のバイトです。
僕も多くの高専生の例に漏れず、将来の夢はエンジニアでした。ロボットコンテストに憧れ、チームにも所属し、(めっちゃサボってたけど・・・)いつか優秀なエンジニア、若しくは研究者になって社会に貢献したい。
そして、絶対にやりたくない仕事は営業だ。と思っていました。
しかし、ひょんなことをきっかけに始めたバイトで人生が変わっていきました。
当時、自作PCをスーパーハイスペックで作りたい!という野望を持っていた僕は、高時給のバイトを探していました。
高専生は高校生ではなく、大学生(短大生)と同等の扱いをしてもらえるという特権をフル活用し、某メーカーのノートPCを家電量販店で売るという派遣社員の仕事をはじめました。
営業にはものすごく抵抗がありましたが、大好きなPCで、更には高校生ではあり得ない高時給
。
ということで、某家電量販店の店頭に立つことになりました。
特段の研修を受けるわけでもなく、いきなり店頭に立つことになったのですが、思いの外、売れたのです。
そして、お客様に言われるこの言葉が嬉しくて営業を好きになっていきました。
パソコンのこと全然わからんかったけど、何やりたいか聞いてくれて、わかりやすく教えてくれてありがとう!
僕はこの言葉が嬉しくて、単純な性格も相まって、どうやったらお客様に満足してもらえるのかを突き詰めていきました。
その結果、全国でも1ケタ以内の成績を出せるようになっていきました。
それと、同時に高専の数学の単位が危なくなっていき、
「俺、エンジニアより営業のほうが向いてるわ」
と思い、高専を中退し大学に進学することになりました。
お客様に対して最適な解を提示できない苦しみ
その後、大学生のときも同じバイトを続けていました。
また、大学時代はDJしかしておらず、リーマンショック直後の就職大氷河期なのに全く就活をしていませんでした。
困った僕は、当時のバイトの先輩に相談し、
「それやったら、パソコンの知識も活かせるしうちの会社受けてみたら?」
と言われ、運良く入社できたのが、富士通ビジネスシステムでした。
(入社時には富士通マーケティングに社名が変わり、今では富士通Japanです)
すべてを斜に構えていた僕は、社内なんてどうでも良くて、お客様に認めてもらえたら何やってもいいでしょ。というスタンスで、まぁまぁ問題児だった自覚を持っています。
が、結構売れました。
ただ、1件の炎上プロジェクトをきっかけに転職を考えるようになりました。
また、某製品は外資なので、セキュリティが不安です。純国産の○○を使ってください。と、数倍もするサービスを売らなくてはいけない。
営業という仕事は好きだけど、自分が好きな製品を売りたい。そして、もっと営業としてトップを目指したい。
と思い、Salesforceに転職することになりました。
自分の意思と会社の意思
Salesforceでは、本当に多くの優秀な同僚や、上司に出会えて、今でも感謝しています。
入社して最初に言われることが、
「今までの成功体験を捨て、マインドリセットをし、Salesforceのやり方を学んでください」
よっしゃ、やったるで〜という感じでひたすらに頑張りました。
本音の理由は恥ずかしすぎるので秘密です。いや、当時の彼女が関西にいて、早く関西に戻るには頑張って早く昇進するしかないというクソほどしょーもない理由ですww
(人間ってそんなものじゃないですか?)
そんな理由ですが、周囲の皆様のご支援と運によって、成果が出ました。
インサイドセールスから当時最速でフィールドセールスに昇進し、フィールドセールスでも月間予算を1年半連続(多分、今でも最長記録)で達成し続けていました。
とにかく必死だった僕は、出来ることは何でもやりました。結果として、押し売りになってしまったこともありますし、お客様からお叱りを受けることもありました。
そして、少しずつ溜まっていたモヤモヤが、あるきっかけで爆発をしました。自分の意思と組織の意思がズレることです。
とにかく、Salesforceの予算は死ぬほど高いです。この予算を達成し続けるには多少無理をする必要が出てきます。
僕が無理をするだけであれば良いのですが、お客様に無理を強いるのは絶対に嫌だと僕は考えていました。一方で、会社員として、組織の命令には従わないといけません。が、納得できません。
ざっくりいうと、売ること“だけ”に関しては優秀なマネージャーと、反りが合わなかったという話です。
(最終的に、お客様に無理を強いてないことと、そのマネージャーも退職していますし、Salesforceは本当にいい会社だと言うことは補足させていただきます。)
今思い返すと、この時に僕の起業のアイディアが生まれました。成果をだせる営業であればあるほど、トークやロジックの立て方もうまく、お客様は誤った選択をしてしまうのではないか。これは正義なのか?
ただ、当時はまだ明確に起業を考えていたわけではなく、自分がもっと強いセールスになれば考え方が変わるかもしれないと考え、転職をすることにしました。
(この時は、営業を好きではなくなっていました)
僕のスカウターがぶっ壊れた
ある程度優秀な営業になってくると、他の営業と対峙した時に、相手の営業力が分かる能力が身についてくると思います。いわば、営業力スカウターです。
Salesforceにもバケモノ級の、僕なんかでは到底太刀打ちできないと思う方もたくさんいらっしゃいました。
ある程度僕のスカウターは精度が高いと思っていましたが、ある時ぶっ壊れました。
対峙した瞬間から、久々に膝が震えたことを覚えています。その衝撃を求めて、もっと強いやつと戦いたい!という、サイヤ人の気持ちで、Zuoraに転職することになりました。
当然、スカウターがぶっ壊れたわけですから、今まで出会った誰よりも厳しいわけです。ただ、教えを守るとビックリするくらい成果がでる。
それと同時に、再確認できたことがあります。
近年、営業を効率化するために分業する風潮がありますが、僕は売った後までトコトン向き合いたい。
サブスクリプションの本質を考えると、新規獲得で必死になっても、フォローをしないのは悪だと考えています。
また、営業という仕事についての疑問も大きくなっていきます。
サブスクリプションの本質を考えると、お客様にドカンと最初から大きく売る必要があるのか?
今の売上より、将来の売上なのでは?
大きな価値だとしても、本当に今すぐ必要なのか?
小さなところから伴走していけば良いのでは?
そして、以前思いついたアイディアにもう一つ要素が加わりました。
(何かはまだ秘密です)
となると、誰かがやるのを待つより、自分でやったほうが早いという思いで、起業することになりました。
アイディアの検証の1年間
起業して1年間は、アイディアの検証期間に使いました。やったことは、あえて営業サイドに寄った発信をしてみたのです。
(このときには営業が大嫌い)
僕自身は、自分の営業力を、ごく普通だと思っています。
諸先輩方やお客様から教えていただいたことを守っているだけです。
上には上がいます。
一方で、まだまだ成熟途中の日本のSaaS業界においては、お客様に価値を届けるチャネルとして営業は必要だと思っています。
ですが、価値を届けられないのであれば営業は不要です。
価値を中途半端に届けるのは悲しいし、
売って終わりの営業なら逆にマイナス。
ということで、いろいろな営業の方と会う口実を作るために、noteを書いていきました。
すると、僕が想像した何倍も反響があり、驚きました。
しかし、僕が言うのは大変おこがましいこと承知の上で申し上げると、もっとSaaSの営業の方には伸びしろがあると思っています。
それと同時に悩んでいる方もすごく多いと感じました。
なぜ悩むのか、僕が悩んでいるのでよく分かります。
売るのが営業ではなく、良くて好きを広めるのが営業
多分なのですが、
営業だから売らなきゃいけない。という意識を持っていると、僕みたいに営業のことを嫌いになってしまうかもしれません。
僕なりに少ない脳みそで色々と考えた結果、分かったことがあります。
営業だから売るのではなく、良くて好きなものを広げたいと思えたら、営業が好きになれるかもしれません。
今、自分が売っているものに不満があるのであれば、自分が本当に好きなものを売れる環境に変えてみると良いかもしれません。
好きで好きでたまらないものを売っていて悩んでいるのであれば、
なんで自分が好きなのかをお客様にストレートに伝えてみると良いかもしれません。
こんな私にも、営業のトレーニングのご依頼を定期的に頂くことあるのですが、お金を頂いたらやるわけではございません。
(偉そうですみません・・・)
お話をさせていただき、僕が広めたい!と思うものだけ、ご依頼を受けておりました。
(お金をいただけるのは本当に嬉しいことなので、何でもやりますと言いたいのですが・・・)
営業に関しては僕以外にも支援領域をやりたい人が沢山いらっしゃるとおもうので、僕じゃなくてもいいと思います。
SaaSにおいて、売上ではなく、Revenueで考えるという観点は引き続き発信していきます。
でも、色々な話しを聞くことと自分で考えることで、最近少しだけ営業がまた好きになってきました。
営業のその先に見えたものに挑みたい
僕はIT業界の営業を経験し、良い部分、悪い部分、どちらも見てきました。
明らかに営業が悪い場面もたくさんあるのですが、一方で、お客様の非があるケースも大いにあります。
お客様と営業がモメるのは残念で仕方がないです。
ですが、日本のIT投資の約半数が失敗というデータもある通りで、うまく行っていないのが現状です。
また、成果を出す営業は、私がたくさん書いてきたnoteの様なテクニックを駆使しています。
セールステックなどのツールによって、武器もたくさん持っています。
ちょっとアンフェアな気がするので、ここをいい感じで中間地点に持っていきたいなと思っています。
digsasは何をやる会社なのか?
今までIT業界の営業として従事し、感じた不都合をなくしていきたいと思っています。
Gartner社によると、
「9割のIT部門が経営トップからビジネスの拡大に寄与していない」
といった調査結果が出ています。
ITって一体、何なんでしょうか。
digsasでは、すべての人がビジネスを進めていく上でITに関わっていく必要があると考えています。
エンジニアだけでなく、営業やコーポレート、マネジメント、全ての人がITを理解し、使いこなしていく必要があると考えています。
プライベートではほとんどの方がスマホを使い、Apple MusicやSpotifyで音楽を聴き、YouTubeやNetflixで動画コンテンツを楽しみ、ニュースアプリやSNSで情報を手に入れています。
ITやテクノロジーによって、日常生活を豊かなものにしているのです。
しかし、日本のビジネスの場では、ITやテクノロジーとの壁が生まれてしまっています。
これは、買い手側にノウハウや知識が蓄積されずに、
売り手側が強い状態ができているからだと思っています。
人材の配置はもちろん、
ユーザーとベンダーの想いは交わらないとも考えています。
(右が昔の僕で、左が今の僕であったりもしますw)
ですので、ユーザー側の変革が必要だと考えています。
ベンダーに依存するのではなく、自分たちでITを選び、使いこなし、ビジネスを発展させ、自社のお客様に満足をしてもらえる状態こそが、私たちの考える「ITのあり方」であり、私たちがアプローチをしている領域です。
多くの会社では、未だに投資対効果(ROI)だけでIT投資の判断をしています。
これだけでは適切な判断基準とは言えません。
正しくIT投資を行っていくための「モノサシ」で、全ての企業と人がITを使い、当たり前に成長していく世の中にしていきたいと考え創業したのがdigsasです。
一緒に社会を変えたい仲間が欲しい
今までずっと営業畑で仕事をしてきた私は、いざ会社を経営していくと、本当にわからないことだらけです。
会社は一人で成り立ちません。
様々な分野のプロフェッショナルが必要で、お互いの得意領域を活かして、大きなパワーを作り出していく必要があります。
例えば、弊社のコアメンバーで、1人目の社員としてJoinしてくれたCTOの森勝は、元々はWeb開発会社を創業&Exitし、Exit先では経営企画室長としてJVの立ち上げやDX推進をしていました。
僕より色々なことを知っているので、いつも僕が色々と助けてもらっています。(メンタル面も含めてw)
僕には知らないこと、できないことが沢山あるので、digsasという会社や僕にに少しでも興味を持っていただけた方は、今すぐではなくても構いませんので、お気軽に僕にご連絡いただけると嬉しいです。
・既存のお客様に最後までどっぷり浸かりたい営業やカスタマーサクセス
・新しい価値を作ってお客様に届けたいエンジニア(ステレオタイプな営業が嫌いな方でもOK)
もちろん、弊社への応募以外のご相談も、内容によってはお受け致します。
(SIerからSaaSに行きたい!とか、外資からスタートアップに行きたい!とかは優先的にお伺いするかもしれません。)
※弊社フォーム(エンジニア以外の方もどうぞ。)
※TwitterのDMもお気軽に(返信できないこともありますが、お許しを・・・)
SaaSの営業×サブスクリプションの本質の正しい情報を書いていこうと思います! サポートいただけたら、リサーチ費用に充てたいと思います。 他にもHIPHOP好きな人と仲良くできると嬉しいです。