心療内科は「からだの声を翻訳(通訳)する」ところ⁉️
D・M・Wの臨床心理士のつねちゃんです♪
「心療内科って、心の病気を治すところですか?」 「心療内科や精神科は、何をするところですか?」
こういう質問をよく受けます。
皆さんは、「心療内科」ってどんなイメージでしょうか。
心療内科はこんなところ
「心身医学」と言う学問があります。
これは、「心」と「身」の関連性をベースにした医学です。
「心と身」つまり「こころとからだ」の関連性ですね。
【心療内科】と言う診療科は、この「心身医学」に基づいた医療なのです。
では「こころって何?」となりますね。
ここで言う「こころ」は、
「意識」や「自分」と置き換えてもいいかもしれません。
例えば、
「自分」は仕事をしたいけど、「からだ」が動かない・・・
「意識」は早く寝たいけど、「からだ」が寝てくれない・・・
「こころ」は緊張したくないけど、「からだ」はドキドキ緊張する・・・
そういう経験ってあると思います。
「こころ(自分・意識)」と「からだ」が、
違う方向を向いているという経験ですよね。
それが、一時的なら良いですが、
毎日、毎週、毎月そうなったらどうでしょう?
こころとからだが、ばらばらな感じ、あべこべな感じ、
そう言う毎日だったら、どうなるでしょう。
「思うようにからだが動かない」
これは、私たちにとって、相当ストレスで歯痒いことだと思います。
人間に限らず、動物にとって、相当ツライことかもしれません。
「動物」➡️ 「動くモノ」ですもんね。動いてなんぼ😀
赤ちゃんが、ハイハイできるようになる、座れる様になる、
立てるようになる、歩けるようになる、ジャンプできるようになる、
ボールを投げられるようになる、スプーンでご飯を口に運べるようになる…
「動きたいように、動けるようになる」
これは、動物である我々、人間にとっては、とても嬉しくて
楽しくて、やりがいのあるものですね。
それを前提とした場合、我々は当たり前のように
「動きたいように動く」ができています。
「動きたいように動く」は、あまりにも当たり前すぎるのです。
そのため、
「動きたいように、動けない」と言うこと、
これは、相当しんどい、ツライことだと思います。
成長していくにつれ、
「動きたいように動けるようになる」喜びも増える一方、
いろんな出来事に遭遇して
「動けていたはずの動き」が「できなくなる」と言う体験に出会います。
落ち込んで、劣等感に苦しんでしまうかもしれません。
「朝起きて、歯磨きをして着替える」ことができていたのにできない…
「電車に乗って、学校や職場にいく」ことができていたのにできない…
「友達と楽しくおしゃべりをする」ことができていたのにできない…
「冷蔵庫の中のものでパッと料理を作る」ことができていたのにできない…
「ミスなくパソコンのタイピングをする」ことができていたのにできない…
「夜になったら、身体の力が抜けて眠る」ことができていたのにできない…
「朝食を食べたらトイレに行ってスッキリ」ができていたのにできない…
いろいろな「できていた動作ができなくなってしまう」体験があります。
しんどいですよね…。
心療内科に通院している患者さんのほとんどが
「動きたいように動けなくなってしまう」と言う病に苦しんでいます。
しかも、「なぜかわからないけど」がくっついていることが多いです。
「なぜかわからないけど、動きたいように動けなくなってしまう」
と言う状態です。
このように辛いんだ…と言うことをぜひ理解していただきたい
(想像できないかもしれませんが)
こころ(意識・自分)は、「動きたい」
でも
からだは「動けない、動かない」
と言う状態。
これを我々は「自律神経失調症状態」と呼んでいます。
心療内科は、この「思うように動けない状態」から
どう回復していくか、と言うことに臨んでいる診療科といえると思います。
心療内科のカウンセリングとは?
心療内科で行われる治療とは何か。あるいは、カウンセリングとは何か。
どんなことをするのか?
これは、あくまで我々の見解です。以下に述べますね😄
それは、
「からだの想いや声」を聴く場所、それに耳を傾ける練習場
といえると思います。
朝になって、なかなか起きられなくてだるすぎる…
これは「からださんが何を我々に伝えたいんだろう」
と言う問いをたてて、こうかな?ああかな?と話していく。
会社に行くと、心臓がバクバクしすぎて思うように動けない…
これは「からださんが何を我々に伝えたいんだろう」
と問うて見て、感じてみる、コミットしてみる、心を向けてみる。
からだが反応しているのは、どういうメカニズムなんだろう…
と「からだに興味を持つ」「仕組みを学ぶ」と言うことも大事なこと。
腎臓病になったら「腎臓」の仕組み、目的、養生の仕方を学びます。
高血圧になったら「血管や心臓」の仕組み、目的、仕方の仕方を学びます。
自律神経失調症の状態になったら
「自律神経」の仕組み、目的、養生の仕方を学びます。
自律神経の仕組みや機能について、専門的な分野が「心身医学」です。
※「心身医学」は自律神経だけの専門ではないです。免疫系、ホルモン系に加えて、さまざまな脳機能の研究もしています。
このように、心療内科の現場では、患者さんご本人が
「からだのことに興味を持ち、からだの想いを聞き、からだと仲良くなる」
ことができるようになるために支援する場所、と言っても良いと思います。
からだのことに興味を持って、からだとコミュニケーションを取るために、
あることが大事です。
それは、
他人に邪魔されない、安全な空間があること
他人にあれこれ言われたり、批判や否定をされると
「自分のからだに向き合う、からだとコンタクトをとる」
と言う余裕が持てなくなるのです。
逆に言うと、「自分のからだに向き合う」には
この「余裕」や「安心感・安全感」が要るのです。
そのために、「環境調整」「人間関係の調整」が必要になります。
そこで、心療内科のスタッフが
患者さんの周囲の人と関わることがあります。
目的は、
「患者さん本人が、自分のからだをに向きやすくするための環境作り」
ご家族や、職場先の人、友人・知人、など
本人に影響力のある人と上記の目的で「調整」をすることもよくあります。
心療内科のスタッフの役割
以上の内容を踏まえると
「心療内科のスタッフの役割」とは「通訳」「翻訳」と
言えるのではないかな〜と思っているんです😀
つまり「こころ(意識・自分)」と「からだ」の間を「通訳」する、「翻訳」する。
「からだ」は、言葉を持っていないので、様々な工夫を駆使して
「からだ」の声を通訳・翻訳する。
そして、そのからだの声を踏まえて、生活を充実させる。
からだが少しずつ「動ける」ようになるために、リハビリをする。
と言うことになるでしょう。
他にも「通訳業」「翻訳業」していますね。
例えば、家族間の想いを「通訳/翻訳」をしています。
患者さんの「からだの想い」を
本人のこころ(意識)に通訳/翻訳をすることも当然ですが、
家族の皆さんに、「本人のからだの想い」を通訳/翻訳している、
とも言えると思います😄
あるいは、職場のスタッフや上司に対して、通訳/翻訳することも。
全ては、患者さんの「からださん」「自律神経さん」が
言葉がない状態で「表現している何か」を
みんなで一緒に「通訳/翻訳」をして、
ご本人さんのこころ(意識・自分)に伝えたり
ご家族さんに伝えたり、職場の人などに伝えたり。
そう言うことを通して、「調整」をしていく・・・
その「きっかけ」になってもらうための場所が「心療内科」と
言えるでしょう😄
これはあくまで我々の感覚(あるいは定義)なので
心療内科の先生方やスタッフがみんなそうだ!
とは限らないかもしれません😅
これらのお考えになるほどー!とか 共感! と言う思いがあれば
ぜひ、あなたの大切な人へシェアして欲しいです。
我々の対談動画があります。
よければ こちら からご覧ください😀
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