祝5周年!あかちゃん学絵本シリーズのこれまで
こんにちは!広報担当みやたです。
この7月に、あかちゃん学絵本シリーズが5周年を迎えました!
発売当初からテレビや雑誌など多くの媒体で取り上げられ、大反響をいただいている本シリーズ。
今でもたくさんのお父さん・お母さんに愛されつづけているこのシリーズについて振り返るいい機会だなと思い、今回はあかちゃん学絵本シリーズのこれまでを紹介していきます。
あかちゃん学絵本シリーズとは?
あかちゃん学絵本シリーズとは、ディスカヴァーと東京大学赤ちゃんラボで共同開発した絵本のシリーズです。現在『もいもい』のほか6タイトルを刊行しています。
このシリーズが生まれたきっかけは、「あかちゃん向けの絵本を、 本当にあかちゃんは好んでいるのだろうか?」というシンプルな疑問でした。
「あかちゃんの好きなイラストを使いました」という絵本はたくさんありますが、東京大学赤ちゃんラボの開一夫教授はそのほとんどが研究者にコメントを貰っただけのもので、「あかちゃんが本当に好きかどうかは分からない」と言います。
開教授の提案を受け、「大人が思うあかちゃんが好きそうな絵本」と「あかちゃんが好きな絵本」は違うのかもしれないと考えたわたしたちは、東京大学赤ちゃんラボとの共同研究を開始。この研究の結果、あかちゃん学絵本シリーズ『もいもい』『うるしー』『モイモイとキーリー』が誕生しました。
なかでも『もいもい』は、あかちゃんが泣きやむ絵本としてSNSや各種メディアで話題となり、現在32万部を突破。シリーズ全体では77万部を突破しています。
あかちゃん学絵本ができるまで
「ことば」を使って直接たずねることができないことが、最大の課題
あかちゃんが何を考えているのかを実際に聞いて、それをもとに本当にあかちゃんが好きな絵本を制作しよう!
そう決めたものの、言葉をしゃべることができないあかちゃんが何を考えているかを知るために、さまざまな工夫が必要でした。
あかちゃん学絵本プロジェクトが採った方法は「選好注視法」。 複数の選択肢を与え、どれを一番長く見るかを計測する方法です。 好きなものほど長く見る、という仮説に基づき、あかちゃんがどのイラストを長く見るかを計測しました。
おかあさんに一番人気なキャラクターは、あかちゃんから最低人気
実験には月齢8~13か月のあかちゃんに協力してもらいました。
例えば「うるしー」というキャラクターの場合。
4つのイラストを「うるしーだよ」という声とともにパソコンの画面に表示し、 あかちゃんの視線をアイトラッカー(赤ちゃんが画面上のどの部分に注目しているのかを計測する装置)で計測。 さらにおかあさんにも同様の質問をしました。
お母さんが「うるしー」らしいと選んだ一番人気のキャラクターの絵は、あかちゃんからの支持は最低。 逆に、お母さんが最も「うるしー」らしくないと選んだキャラクターの絵が、あかちゃんには一番人気という結果になりました。
お母さんとあかちゃんでは好みが真逆、という驚きの結果だったのです。
絵本やあかちゃん向けのおもちゃというとポップな色合いのものが多いなか、あかちゃんが選んだのは大人っぽい色のイラスト。「うるしー」は油絵のイラストで、綺麗ですがくすんでいるようにも見える色合いだったので、わたしたちにとってもこの結果は意外なものでした。
心理学の実験から着想した絵本
「ブーバ/キキ効果」という心理学の実験があります。
トゲトゲしたイラストとふわふわしたイラストを見せて、どちらがブーバでどちらがキキだと思うかを聞くというもので、多くの人が、トゲトゲした形をキキ、ふわふわした形をブーバだと答えます。
つまり、私たちは音と形を自然と結び付けているのです。
この実験を参考に作成されたのが『モイモイとキーリー』。
4名のイラストレーターに参加してもらい、赤ちゃんが一番『モイモイ』だと思うイラストを選択注視法で確かめる実験を行いました。以下の順番で絵を見せて『モイモイとキーリー』のイラストを決定しました。
①4枚の絵を1枚ずつランダムに提示
②まっ黒な画面に絵をすべて配置して提示
③「モイモイだよ」という音声を同時に聞かせながら絵を提示
あかちゃんがクギヅケになって目を離さないイラストを発見
『モイモイとキーリー』制作における実験の中で、音を聞かせない状態で圧倒的な注視度を記録したイラストがありました。このイラストを使わないのはもったいないとのことで、絵本の制作を進行。 そのイラストを使用した絵本が『もいもい』です。
実験段階ですでに食いつきが非常によかったのですが、ゲラの段階で生まれたばかりの赤ちゃんに絵を見せたら、まだ首がすわっていないあかちゃんが首を動かして、めくられるページを追いかけたそう...。
『もいもい』は実験のなかで生まれた、想定外の絵本だったのです。
カバーの背景は、絵本では珍しい黒色。普通だと白色や明るい色にしてしまいそうなところですが、実験の際にイラストの背景が黒だったことから、実験の結果を最優先にして、カバーの背景も黒色になりました。
絵本の常識を覆した赤ちゃん学絵本
当初は、「『もいもい』はこのカバーでは売れない」、「『うるしー』のキャラクターは赤ちゃん向けではない」など厳しい声もありましたが、『もいもい』『うるしー』『モイモイとキーリー』は、2年がかりの実験の末、本当にあかちゃん自身が選んだ、あかちゃんのための絵本として完成しました。
あかちゃんが泣きやむ?! 読者の声で火がついた『もいもい』
あかちゃん学絵本シリーズのなかでも、特に反響が大きかったのが『もいもい』。
あかちゃんが「泣き止む」「釘付けになる」「このページで絶対に笑う!」など、全国のパパ、ママ、保育士さんなどから、SNS上で絶賛の声が数多く寄せられました。
インスタグラムで「#もいもい」をつけた投稿数は1万件以上。親御さんのリアルな声でヒットになった絵本です。
『もいもい』は発売から2年で20万部、『もいもい ボードブック』は発売半年で7万部を売り上げました。1万部売れればヒットと言われ、ロングセラーの定番書籍が根強い人気を誇る絵本ジャンルで、新作の絵本がこれほど売れるのは異例の快挙でした。
2018年楽天ブックス絵本ジャンル年間ランキング1位、2018/3/8にはAmazon.co.jp 総合1位など、さまざまなランキングにもランクインしました。
また、ママ向けアプリ「ママリ」がユーザーを対象に“本当に買ってよかった”と思う商品・サービスについて、アプリ内で口コミ募集を実施し、口コミ件数と満足度を基準に指示が多かった上位商品を紹介する「ママリ口コミ大賞」の「0歳向け絵本部門」に、2019秋、2020春・秋、2021春、2022春と5期入賞。
現在でもたくさんの親御さんに選ばれ続け、『もいもい』は32万部、『もいもい ボードブック』は15万部、仕掛け絵本『もいもい どこどこ?』は9万部を突破。もいもいシリーズは57万部を突破しています。
もいもいコラボ商品、続々発売!
あかちゃんがくぎ付けになる!と人気なもいもいはいろんな形で展開されています。
●「シナぷしゅ」コラボアニメーション
民放初の0~2歳児向け番組である「シナぷしゅ」のなかで、「うごくもいもい」というコーナーが放送されています。あかちゃんが大好きなもいもいが動く、もいもい初のテレビアニメです。あかちゃんがくぎ付けになっている姿がSNSでもたくさん投稿されました。YouTubeにも動画があげられているのでチェックしてみてください!
●ぬいぐるみ
サンリオキャラとコラボした、もいもいぬいぐるみも発売されています。プレゼントにもぴったり!
●しまむらコラボ
しまむらとのコラボでベビー服も販売されています。
8月17日には新商品も発売されました!
●エアーかおるコラボタオル
もいもいとサンリオキャラの刺繍があしらわれたかわいいタオルです。
他にもエコバックやエプロン、おやすみシアターなど、たくさんのもいもいグッズが発売されています。ぜひチェックしてみてくださいね!
もいもい、世界へ!
現在『もいもい』は、アメリカ、中国、ベトナムなど、世界中で出版されています。
2021年4月のアメリカでの刊行の際には、発売に先駆けて、Wall Street Journalでも紹介され、予約段階で米AmazonのNew Releases in Children's Colors Booksカテゴリランキングで1位を獲得!大きな話題となりました。
実は日本の絵本が海外、特に欧米で出版されるのは珍しいことです!
『もいもい』自体のコンテンツ力はもちろん、ライツマネジメントチームの力を入れたプロモーションの効果もあり、海外での出版が続々と決まりました。今後も展開地域は増えていく予定です。
『もいもい』は世界に羽ばたく絵本。世界中のあかちゃんに楽しんでもらえる絵本です。
まとめ
みなさんのおかげであかちゃん学絵本シリーズは5周年を迎えることができました。
たくさんの感想から、当初の目的だった「あかちゃんが本当に好きな絵本」を作ることができたと実感していると同時に、親子のコミュニケーションツールとして楽しんでもらえていることがとても嬉しいです。
ここまであかちゃん学絵本シリーズを支えてくださった、読者、書店員のみなさんには本当に感謝しています。これからもあかちゃん学絵本シリーズをよろしくお願いいたします!
赤ちゃん学絵本シリーズラインナップ
▼赤ちゃん学絵本公式HPはこちら
*参照
\ぜひマガジン登録をお願いします/