墨で鳥 ― そして誰もが鳥になった。
以前、2021年の9月から墨絵教室の講師を務めているという記事を書きましたが、年明け最初に選んだ課題は「小鳥」、その次の週には小鳥と簡単に小枝などの背景を組み合わせる花鳥画の入門のようなものを試みました。
今回も初級者のためにお手本を用意すべく、小鳥と枝葉のコンビネーション、試みたのですが。
こちら一枚目。
え、なんか渋~い竹に、小鳥がファンシーすぎないか?
スズメを描くつもりだったんですけど、くちばしの下の色に納得いかなくて次々筆を重ねたら立派な髭になってしまいましたよ。アナタ、何鳥?と聞きたい。
鳥に詳しくない私には頭で考えて描くのは限界がある、と思い、次の一枚は「小鳥の写真 カワセミ」の検索結果で出てきた写真をもとに制作。
まだまだ水墨画特有の「対象の簡略化」ができない、というのが見てとれる仕上がり。カワセミに筆入れすぎ。
ともあれ授業のほうは無事終わったのですが、その後「写真を参考に描く」ということに関して、少し考察してみました。
どうも検索して出てくる写真は「無料・有料素材」が多く、主にweb上で使ってもらうのが目的で、自然な絵を描きたいときの参考にするにはかっこうつけすぎている感があるな、と。
そこで思い出したのがアマガイエコさんのバードウォッチングのお写真!
アマガイエコさんは、私が昔読んでいた少女漫画の傑作の数々を彷彿とさせるイラストを描く方なのですが、熱心な探鳥家でもいらっしゃるのです。
こちら、年明け早々思いっきり笑わせてもらったバードウォッチング・ルポ。
こちらのですね、人相悪すぎアオサギ先輩を…描いてみたのですよ!水墨で!
残念ながら、オリジナルのドスのきいた人相悪、出ませんでした。修練あるのみ、ですな。
ところでこの絵、上部にだいぶ余白がありまして。全体像はこんな感じです。
こんな感じです、というかこんな感じ「でした」。
このままにするか、上部を切断するか迷い、パートナーに相談したところ、なぜか「この上のところに何か小さいもの描いたら」とのアドバイス。
え、私、切るか切らないかの相談したんだよ?って、思ったんですけどね、やってしまいましたよ。
このミスマッチさ加減、小鳥と竹の比じゃない…!
普段、絵を描くときはいつも一度完成と思ったら誰が何と言おうとそこでやめる、絶対それ以上よくならない、という法則のもと制作しているのですが。
水墨画に関してはまだまだ見習いの身、常に低姿勢で、人々の意見に耳を傾けると心に刻んで臨んでおりますから。
だからって絵心のない人に意見を求めた自分の気が知れない!と今さら嘆いても、墨は消せません。これはあくまで習作、近いうちにリベンジ・アオサギ先輩、仕上げて見せます。
と、こんなふうに鳥の絵に集中していて、ふと「そういえば、noteには鳥の絵マスターがいたな」と思い出したのが橘鶫さん。
技法は違えどいつかこんなかっこいい大鳥小鳥を描けたらな、と夢見つつ、すでに大長編になっているらしい橘さんの『物語の欠片』、ずっと読もうか迷っていたのですが、最近やっと読みはじめたら、ハマりました。今、毎日少しずつ読み進めるのが日課になっております。
このような素晴らしい鳥の絵、そしてそれと共につづられる長編物語に出会えたのも、つる・るるるさんのおかげ。
当然と言えば当然ですが、るるるさんのアイコンはツル。ガチョウ匠のnolyさんもガチョウ。
いつの間にか、note内で周囲の鳥率が上がっていることに気がつきました。
「鳥の先祖は恐竜」という説もありますから、私のアイコンは当面Dinoのままにしておきます。
「咲きはじめた梅と和んでいるアオサギ老人」と化したアオサギ先輩がやっぱり悔しくて、何とかならないかともう一度あがいてみました。
執念のスパッタリングで、アオサギ先輩復活…!
なかなか悪くない、と思っているのですが、いかがでしょう?
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