【華麗なる変態】昆虫・摩訶不思議なメタモルフォーゼ
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●昆虫は変態!?
今回は、昆虫の最大の謎、といっても過言ではない「変態」について紹介します。
さて、昆虫の鮮やかなメタモルフォーゼ、変態には「完全変態」と「不完全変態」があります。
尚、昆虫と虫の違いについて下記記事で解説していますので、是非合わせてご覧ください。
●形態が変わる
そもそも変態とは何か?語源はわかりませんが、僕は「形態が変わる」ことと理解しています。「変わった生態」ではなく。。。
その言葉通り、昆虫は、幼虫(こども)と成虫(おとな)で姿形が違います。不完全変態の場合は名残を残していたり、サイズが大きくなったり程度ですが、完全変態では同じ生物と思えないように、違います。
身近な変態昆虫は、チョウです。小学校でアオムシを成虫にする過程を観察した人もいるかと思います。僕も当時は「アオムシがチョウになる」ということに、大きな疑問はありませんでした。ただ、そういうもの、という認識でした。
しかし、これ、冷静に考えると、常軌を逸した、人智の理解を超えた、摩訶不思議な所業です。だって、大人になったら「羽が生える」んです。これだけでも、漫画のメタモルフォーゼのシーンでしか見ません。
例えば、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」では、正統なる竜の騎士バランが竜魔人になる際に、羽が生えます。まさに人間から人間以外に変わる、そんか無茶苦茶な設定です。それが、実際に身近な場所で、小さな生物にて、日々おこなわれているんです。
さて、興奮のあまり話が脱線したので元に戻します。
●完全変態と不完全変態
この違いは、幼虫→成虫になる過程において、「サナギを経るかどうか」です。※どの世界にも例外はありますが。
・完全変態→サナギを経る
・不完全変態→サナギを経ない
●不完全変態
例えば、バッタやカマキリなど。幼虫の見た目は、小さいバッタであり、小さいカマキリです。成虫に比べてサイズの違いの他には、色が薄い、線が細い、など、いわゆる「こども的」な特徴があります。不完全変態の昆虫は、主に脱皮を繰り返すことでサイズを大きくします。
●完全変態
さて、本記事の主役、完全変態の昆虫は、チョウやカブトムシなどです。完全変態の幼虫は、いわゆるイモムシ的な姿形をしています。当然手足は短く、羽もなく、這うように動きます。
そして、一定期間が経つとサナギになります。それからさらに一定期間経つと、手足が長く、羽を生やしたおとなの姿となってサナギから出てきます。これを「羽化」と言います。
●サナギの中
では、完全変態における重要なサナギ。中はどうなっているのか?
答えは、ドロドロの液状になっているようです。つまり、幼虫(イモムシ)の体がリセットされ、成虫の体に組成しなおされているようです。
訳がわからないですね。しかも、その組み替えはかなり精緻にパーツごとプログラムされているようです。というのも、サナギの中身を一部抜き取る実験をしたところ、羽化した成虫は体の一部がなかったそうです。
●なんのために変態する??
先ほど書いたように、昆虫が成虫になることを「羽化」といいます。つまり、変態は「羽を持つ」ための行為です。
では、なぜ羽を持つ必要があるのか?
それは、子孫を残すためです。羽が生えれば行動範囲が広がります。
行動範囲が広がることで、オスはメスに、メスはオスに巡り会う可能性が高くなります。
行動範囲が広がることで、安全に卵を産む場所を見つけることができます。
行動範囲が広がることで、生息地域を広げることができます。
そして、羽があることで、天敵から身を守れる可能性が高まります。
逆に、羽があることで、狩りが上手くいく可能性が高まります。
このように、種を残すために羽があるということは大きなアドバンテージになります。
これからの内容は想像です。「幼虫に羽があればいいじゃん!」とも思いますが、幼虫は体も小さく弱いため、風に飛ばされてしまったり、うまく飛べずに天敵に捕食されてしまう確率が高い。
そのため、幼虫は目立たないように小さく、地面や葉の上を這うことで外敵や風雨から身を守りやすくしているのかもしれません。
また、幼虫はだいたい草食です。親は幼虫が食べる草をしっかり見分けて卵を産みます。つまり、幼虫は産まれた場所が食事の上です。エサを探す必要がありません。なんなら自分が出てきた卵の殻すら食べれます。
まだまだ小さい幼虫のときは、生きる上での最適化としてイモムシの形態なのかもしれません。
そして大人になるとつがいになるための最適化として成虫の形態になる。
そう考えると、昆虫って体を地球に最適化した一番の種族だと思いますし、最適化のために体をリセットして組成しなおす、という訳の分からないことをやってのける、もともとは地球外生命体なのかもしれませんね。