感情にダメ出ししないでほしいよ
感じ方を否定されるほど辛いことって無いと思う。
幼い頃「何でそんなことで泣くの?泣くようなことじゃないよ」と言われたことが忘れられない。
何でそれを咎められなきゃいけないのか分からなかった。というか今もよく分かっていない。漫才を見ていて人と笑うところが違っても別に咎められないのに。私にとっては泣くほど悲しいことだから泣いているのであって、そこに普通とか常識とか規則とか無いでしょ?
心配してくれて、ほっときたくてもほっとけなくて、泣いている私を見て相手も傷ついてしまうからそういうことを言うんだと思う。迷惑掛けて辛い気持ちにさせているのはごめん。でもそれならそう言ってほしいよ。「泣いてるの見てるの不快だから泣かないで」って言われた方がまだマシ。一番理想的なのは「何がどういう風に辛いの?」って話を聞いてくれることだけど。それを言葉で説明しようとすることで、私も感情の整理ができるから。
『自分がされて嫌なことは他人にするな』っていう教えがあって、もちろんそれを実践したほうがうまくいく場合が多いけど、絶対とは言えない。私がされて嫌なことを他人が喜んで受け入れているところも、私がされて喜ぶことを他人が拒絶しているところも見た。実際、喜ぶと思ってしたことを嫌がられ、嫌がると思ってしなかったことを気が利かないと咎められたこともあった。当たり前が全然当たり前じゃないことを知って、何を信じればいいのか分からなくて怖くなった。今も怖い。誰かに傷つけられるのが怖いし、誰かを傷つけてそのせいで嫌われるのも怖い。
何で泣くのか、何で笑うのか、何で怒るのか、分からないのはそれこそ当たり前のことだけれど、分からないから、自分と違うからって理由だけで否定するのはやめてほしいんだ。
ただ泣かれてしまうと「泣いたモン勝ち」みたいなことになって卑怯に感じるのは分かる。私はすぐ泣くのを直さないといけないし、泣き虫の相手をしなきゃいけない側の人たちの気持ちをもっと理解しないといけない。その人たちが心の奥底で思うことをじっくり聞くことができたら、考え方が変わるかもしれない。
でも今は思う。
感情にダメ出ししないでほしいよ。
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