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『ヘビ学』 ジャパン・スネークセンター[著] 小学館新書
今年2025年はヘビ年〜〜〜
というわけで、昨年12月に出版された小学館新書『ヘビ学〜毒・鱗・脱皮・動きの秘密〜』を読んでみました。
タイトルの副題を見ると、生き物としてのヘビの話が書かれているのかなと思ってしまいますが、
生物学以外の視点からもヘビに関連する色んな話題を取り上げた、なかなか面白い雑学本でした。
著者としてクレジットされている「ジャパン・スネークセンター」。
群馬県にある、日本で唯一のヘビ専門の動物園・兼研究施設だそうです。
ここに所属する研究員4名が分担執筆したのが本書とのこと。
全体は4つの章から構成されていて、それぞれの章ごとに違った角度から、ヘビにかかわる話が書かれています。
第1章は、副題から予想される通り、生き物としてのヘビの話。
手足のない動き、体の仕組み、感覚、生殖など、ヘビについて生物学の知見が紹介されています。
第2章は、ヘビの毒にまつわる話。
ヘビというと、やはり毒のイメージが強く連想されるものです。
毒による症状の例、噛まれた際に用いる血清の製造、毒ヘビを減らす試みなど、毒に対する人間側の話がメインになっています。
第3章では、ヘビの飼育に関する話。
人間と利害が対立した前章とは真逆の話題となっています。
ヒトさえ食べる超大型のヘビを除けば、ヘビは基本的に神経質で臆病な性格らしいです。
下手な刺激を与えて、反撃を誘発しないようにするような飼い方、付き合い方が書かれています。
他にも、毒ヘビの違法飼育事件など、三面記事的なエピソードもとりあげられていました。
第4章は、具体的なヘビから離れて、人間が抱くヘビのイメージが扱われています。
ヘビにまつわる神話や物語などがいくつか取り上げられます。
身近ではない色んな話が書かれていて、読んでいて面白かったです。
「ヘビのどこまでが頭で、どこから胴で、尾はどこから?」とか、「メデューサの頭髪は何ヘビだったのか?」など、意外性のある切り口から話を始めるなど、読者を飽きさせない工夫がされていたのも大きかったのかもしれません。
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