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不審者に肥満は少ない!?山口県の不審者情報 データアナリストへの道#19

デジテック for YAMAGUCHI 運営事務局 兼 Y-BASEスタッフのハラマルです。

ついにJリーグの開幕が今週末に近づいてきましたね。
レノファ山口の開幕戦では、山口県民優待や23歳以下の無料招待!が発表されました。これは、普段はスタジアムに行かないよ、という方でも、気軽に行くことができる絶好のチャンスですね!スタジアムで一緒に楽しみましょう!

さて、今回は、再び、不審者情報を分析してみたいと思います!
というのも、前回の昨年7月は、不審者情報が新しくオープンデータ化されたことを受け、「山口県オープンデータカタログサイト」にアクセスすれば、簡単にデータが見られるようになりましたよ、ということを、お子さんがいらっしゃる家庭や女性の方に早く知っていただきたいということで、すぐに記事にしてみました。
が、その夏時点では、データ化が始まった直後であり、まだまだデータが少ない状態でした。

あれから半年。データが初めて1年分たまりましたので、年間通しての分析ができるようになりました。チャレンジしてみたいと思います。カタログサイトからデータをダウンロードし、Tableauに投入です。

不審者情報の発生状況

まず、月別の不審者情報の発生状況です。

月別の発生状況(オレンジ:被害対象が大人、青:被害対象が子供)

グラフを3段で作成してみました。
上段のグラフは、月別の発生件数です。不審者情報の1年間を通じての件数(データの数)が479でしたので、月別にすると平均40件ということになります。
これを月別でみると、1~3月と12月の冬時期に、この平均を大きく下回っています。6月が最大となっており、7月、9~11月は平均を上回っています。
このため、夏時期が多く、冬時期には少ないということが言えるかと思います。
なお、夏でも8月が平均を下回っていますが、子供の件数が減っているので、この8月のへこみは、夏休みが影響している可能性があると思います。

グラフの中段は、被害対象が大人と子供の割合になります。
年間を通じて、各月とも被害対象が子供の場合の方が多くなっています。
2月の大人が少ないのは、年間を通して異常値のようですね。今年の2月にどうなるかも注目したいと思います。

グラフの下段は、大人・子供の別に、発生件数総数に対して、各月での発生割合を示しています。
100%を12月で割ると、平均8.3%になりますが、平均線を引いてみると、被害対象が子供の場合はブレが小さく(=年間を通して一定件数ずつ発生)、被害対象が大人の方がブレが大きいことが分かります。
夏に多いという兆候は、被害者が大人の場合の方が顕著のようです。子供の方は、秋に多くなっている兆候が認められますね。

次に、種別の被害発生状況です。

種別の発生状況(オレンジ:被害対象が大人、青:被害対象が子供)

結局、夏に分析したときと同じ、「盗撮」が年間を通して最大になりました。
被害対象が子供の場合は、盗撮がダントツで、声掛け、つきまとい・立ちふさがり、その他の暴力行為、露出と続いています。「誘い込み」は、露出と同程度の件数ですが、被害対象が子供がほとんどになっていることが特徴です。
一方、被害対象が大人の場合は、一番多いのは「露出」でした。これも夏時点の分析のままでした。続いて盗撮、卑わいな言動となりました。

続いて、曜日・時間帯別の発生状況です。

曜日・時間帯別の発生状況

被害対象が子供の場合、平日の16時前後の時間帯に集中しています。次に気を付けるべきは、平日の7時台のようです。やはり、登下校の時間帯は、一人にならないようにしたり、防犯ブザーを持ち歩くという対策があった方がいいように思います。

被害対象が大人の場合、深夜~明け方の時間帯にも発生しているという特徴はありますが、件数は多くはありません。一番多いのは月曜日の19時台ということですが、そんなに集中しているわけではありません。同じ19時台でも、発生のなかった曜日もありました。火曜日と金曜日にやや少ない傾向もあるものの、曜日や時間帯にあまり関わらず発生していると考えた方が良いように思います。

続いて、種別・時間帯別の発生状況です。

種別・時間帯別の発生状況①

「盗撮」が15~16時台に集中しているようですね。
ただ、これはグラフを変えてみると印象がガラッと変わりました。

種別・時間帯別の発生状況②

細分化していたので全体が分かりづらくなっていましたが、総数を分析するとこのようになります。
被害対象(子供か大人か)や被害の種別に分けずに見てみると、16時台は他の時間帯に比べて突出して集中しています。いわゆる16時台は魔の時間帯です。皆さん、警戒しましょう。

まとめてみると、
夏時期に不審者情報が多い。
・子供の場合は平日の登下校時間帯に被害が多い。
・大人の場合は、曜日や時間帯に大きな特徴がない。
とにかく16時台に要注意
・子供は盗撮、大人は露出の被害が多い。
というようなことになるかと思います!

不審者の特徴

これまで、被害の内容の方を分析してきましたが、今度は、通報された不審者の情報から特徴を捉えてみようと思います。

まず、不審者の性別と移動手段です。

不審者の性別と移動手段

なんと、圧倒的に、男性が徒歩で近づいてくるケースが多いようです!
勝手な想像から、車で近づいてくる人が多いものだと思い込んでいましたが、そうではないようです。
これは、自家用車だと、ナンバーを見られて通報されることを警戒しているのでしょうか?

ただ、徒歩で近づいてくる男性に要注意と言われても、そんな人は至る所にいるので、全員を警戒するわけにはいきませんよね。もう少し特徴を探してみます。不審者の性別「男性」をフィルターにかけて、「年齢」と「体格」というデータを見てみます。

不審者の年齢と体格

なんと!肥満の不審者ってほとんどいないじゃないですか!?どういうことでしょう!?
不審者として一番多い体型は「中肉」、次いで「やせ型」になっています。
年代として多いのは、20~50代、60代もいますね、かなり幅広い年齢層があるようです。

ただ、ここで気になるのは、体格・年齢とも、「不明」がすごく多いですね。不審者に遭遇して、慌てたりパニックになったりして、特徴をよく覚えていない方が多いという可能性が考えられます
なので、もしかしたら、一瞬のことで、不審者の体型が肥満だと分からなかった可能性もありますし、逆に、「肥満ではなかった」ことは覚えているので、中肉とかやせ型と通報している可能性もありますね。

さらに、不審者の「身長」と「頭髪」を見てみると、

不審者の身長と頭髪

やはり、一定数の「不明」がいますが、それを除くと、身長が161~170cm、171cm~180cmの短髪に偏っているようです。
坊主頭とか長髪とか、特徴が多い髪形の男性は少ないようです。

まとめてみると、
不審者は、徒歩で近づいてくる
男性で、中肉・やせ型、短髪が多い
・つまり、あまり体型や髪形に特徴がない
ということになるでしょうか。

考えてみると、特徴があれば警戒できますが、特徴がないというのが怖すぎですね。
不審者にハラマルな人が少ないというのは、たまたまでしょうか、もう少しデータがたまるのを待ちたいですね。

不審者情報の発生箇所

最後に、不審者情報の発生箇所をマッピングしてみました。

種別の発生箇所(オレンジ:被害対象が大人、青:被害対象が子供)

あまり具体的な箇所にズームしていくと生々しいので、これくらいの尺度にしておこうと思いますが、人口集中区域に多いようです。
「山口県オープンデータカタログサイト」から詳しく見ることができますので、自分のお住いの地域周辺を確認して、用心していただいたらと思います。

まとめ

今回の分析で、あくまで2022年に限ったことですが、
・不審者の通報に関して、時期的・時間的な特徴があること
・不審者の性別・体格・移動手段に偏りがあること

ことなどが分かりました。
こうしたことが分かれば、学校で教える対策にも、もう少し具体的なアドバイスができたりするかもしれません。

ただ、まだまだ1年間分のデータです。たまたまそうなっているということもあるでしょうし、もしかしたら本質的なところを捉えている可能性もありますが、まだ分かりません。
今後さらにデータがたまって行って、具体的な対策が講じられることが期待されます。データを使って、不審者による被害を減らしていきましょう!