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デジタル化されると私の仕事がなくなるのでは・・・

AI、DXの話でよく出てくる話です。

確かに、昔と比較して近年デジタルでできる事が飛躍的に広がりました。

画像認識、音声認識、文章の読み取り、要約、翻訳、予測、ロボティクスetc・・・

ですが、本当に何もしなくてよくなるほど置き換わるでしょうか。

数十年のスパンで考えれば、それもあり得るかもしれません。

ですが、まず現実的に考える必要があるのはここ数年か10年以内の話です。


過去にも同じようなことがなかったか

私がこの業界で働きだした約20年前、様々な業務がシステムに置き換わっていきました。システムは導入効果を示すために、「この業務にかかわる○○人の作業者が不要になります」といった謳い文句で会社内でのIT投資を実施した例は多かったと思います。

しかし、ITが導入されて仕事がなくなったという人を私は聞いたことがありません。ITが導入されて仕事が増えたという話は聞いたことがあります。

図は労働政策研究・研修機構が掲載している完全失業率のグラフです。

IT導入で人の作業が激減したのであれば、失業率が増えてもおかしくありませんが、2000年の初めに5%強だったのがピークで、常に上昇してはいません。業務を別の何かで置き換えても人が不要になる訳ではないのです。

有効求人倍率


もっと昔に同じ様な危惧があった

人の仕事を奪う話は、もっと昔にもあった話です。

歴史の授業で習った「ラッダイト運動」。

機械化されると労働者が不要になるので、機械化に反対した訳です。

しかし、約200年経過した現在、労働者がいなくなったでしょうか。

確かに多くの産業機械が導入され、すべてを人の手で行うのは伝統工芸品くらいになっています。農家も漁師も工場で働く人もいなくなっていません。

仕事がなくなった訳ではなく、生産性が高まり、他に人手が必要な業務に労働者は移行し、より忙しくなったのです。


短期的なマイナスには対応が必要

しかし、AIやデジタルの導入に悲観的で「私の仕事がなくなる」と考えている人に「あなたの仕事は違う仕事に置き換わるだけで、なくなりません」と言ったところで納得してくれないでしょう。

こういった場合、ネガティブに感じている部分を聞く必要があります

・機械(デジタル)なんかに代替されるほど簡単だと思われたくない

・仕事が置き換わると会社での自分の立場がなくなる

・給料に影響する

色々なケースがあるでしょう。

どれも気持ちとしては非常によく理解できます。

特に一定のキャリアがあればあるほど気持ちは強くなるでしょう。

しかし、少なくても現時点のAI/デジタルで置き換えられる領域は人間1人が行っていることをすべて代替えできるほど万能ではありません。人間1人が行っている仕事は実に多岐に渡ります。

現在のAI/デジタルは業務を支援することはあっても、奪うことにはならないのです。

あなたの仕事は重要であり、難しいからこそデジタルで対応する価値があることを理解してもらいましょう。そして、余裕ができた時間であなたがやるべき仕事をして欲しいという意図を理解してもらいましょう。


尚、残業代に影響するなど、金銭面に関しては、別途検討が必要です

・業務効率化や後輩の育成をした人を評価する制度をつくる

・減少した残業代分を別の形で報酬化する

といった方法で事業の効率化に協力してくれた社員を認める制度が必要になります。これは経営者の理解と意思が必要です。


AI/デジタルを味方にして事業を進められるようにしたいですね。








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