
機動戦士ガンダム「ククルス・ドアンの島」の感想を、観る前に想像で書いてみる
なぜ鑑賞前の感想を書くのか?
先週観た「トップガンマーベリック」について、実際に観る前に想像で感想を書いてみた。
決して受け狙いで書いたわけではなく、期待している気持ちを文章にしたためただけだが、実際に観たところ、的外れな部分もあリ意外に的中している部分もあり、なかなか面白かった。そこで、今週末に観に行く映画の架空の感想を映画公開前に載せておきたい。ネタは、「機動戦士ガンダムククルス・ドアンの島」。
切リ捨てられたストーリー
TVシリーズの中で本筋のストーリーとは関係がなく、「正史」として扱われている劇場版三部作で全く取り上げられなかった(色んな意味で)伝説の一話を、「ジオリジン」の安彦良和が再構成して映画にしたのが本作である。
話としては、ホワイトベースが地上に降りて、ランバラル隊戦いつつオデッサ作戦(今風に言えば「オデーサ作戦」)に参加するために移動しているときに起こっている。
ジオン軍の脱走兵が無人島に戦災孤児をかくまっていて、偶然遭遇したアムロのガンダムと戦闘になりガンダムが敗れる。その後、ドアンとアムロ、そして孤児たちの交流があって、脱走兵を追うジオンの部隊とドアンの戦いになり、アムロの助勢も会って何とか生き延びたドアンと孤児を残して、アムロが島を離れるというストーリーだった。
完全に本筋とは関係のない話だが、これや「戦場は荒野」とか「時間よ、とまれ」のなんてことない話があるのが、ガンダムの世界にリアリティや奥行きを持たせることに貢献したと思う。
ただ、映画化となると、4月1日に発表されたら完全に「ああ、エープリルフールの嘘企画ね」と思われるような話であり、時間を4倍に引き伸ばして劇場公開とは、ガンダムのコンテンツも枯渇しているのかと思わないでもない。
感想(想像版)
そんなことを思いながら観た「ククルス・ドアンの島」だが、さすがサンライズのガンダム物だけのことはあり、オープニングからテンポ良く戦闘シーンになり、いろいろと意外な展開もあり、一気に引き込まれた。
一連の戦闘シーンの後の、アムロとドアン、孤児達との交流は、戦時でありながら平和な時代を連想させ、牧歌的で良かった。
その後、ドアンを追うジオンの「サザンクロス隊」の投入をきっかけに戦局が動き、この島での戦いが連邦の反攻計画であるオデッサ作戦の成否を握ることになり、一気にクライマックスへと突入する。
なお、序盤でドアンがサザンクロス隊に居た頃に宇宙で出会うエースパイロットとして、シャアがMS-06Rに乗って出てくる。
ここら辺、時系列が完全におかしいが「ジオリジン」は、ガンダム正史とは別の世界(最近流行りの言葉で「マルチバース」)の扱いなのだろう。
要は、TVシリーズとは全然違う話になっておリ、はるかに大規模な戦いも起こり、クライマックスの盛り上げもあり、一つの映画として面白かった。
結末はTVシリーズ通りで、席を立とうとしたエンドロールの後に、「続編制作!」とニュース風の画面が出て、「戦場は荒野」と「時間よとまれ」を再構成した劇場版第2弾が作られるとの告知には驚いた。特に「時間よ止まれ」では、「ガンダムの手のひらに乗るフラウ・ボウのシーンで、ガンダムが100m程度の大きさに描かれている」点について、設定の矛盾を回収する理由付けがされているようだ。
しかもその後、劇場版第3弾として「ニュータイプシャリア・ブル」の告知もあり、こちらはカットだけだが、ブラウブロに加えて、ビグロやザクレロといった劇場版の「めぐりあい宇宙」で登場しなかったモビルアーマーの登場も予告されていた。安彦さんはギャラデザと総監修に下がって別のスタッフで作るようだが、まだまだ一年戦争のガンダムにも楽しませてもらえそうだ。
なんてね。