![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/160191146/rectangle_large_type_2_b0ce11078fefb6039245e31cbbf134a1.png?width=1200)
2.病院管理栄養士の仕事: イメージとの3つのズレ
病院管理栄養士として20年以上働き、実際に採用業務を行ってきた私としては、いつも違和感を感じていました。
学生や採用試験への応募者が抱く病院管理栄養士の仕事イメージと、実際の業務には大きなギャップがあるようです。最近の多くの学生や応募者は、病院で働く管理栄養士の仕事に対して「栄養指導」「チーム医療」などのイメージを持っています。
これらは確かに業務の一部ですが、実際の病院勤務ではそれ以外の仕事もたくさんあります。まず基礎となる病院食の提供という業務があります。
一つ目のズレは、この病院給食の捉え方です。
病院給食の運営を委託給食会社に任せている病院も多いでしょう。たとえ委託しているとしても、その業務の管理監督責任は病院側の管理栄養士の仕事です。したがって病院給食業務全体の理解が求められます。栄養指導やチーム医療を行うにしても、実際の給食業務がスムーズに運営されてこそ貢献できるのです。病院給食あっての栄養指導、チーム医療なのですが、ここをしっかりと捉える必要があると感じています。
二つ目のズレは、業務のスピード感です。
所属する病院の規模や、急性期か慢性期病院か、管理栄養士の人員数によっても影響を受けますが、病院管理栄養士の業務にはスピードが求められます。歩くスピードも早い。コミュニケーション速度も早い。仕事の早さが求められます。特に急性期病院では、日常的に緊急事態に対応する必要があるため、業務量が多く、早急な対応が求められます。これに適応できず、想定以上の負荷に戸惑うケースもあるかもしれません。
このスピード感は、イメージと実際のズレがかなり大きいのではないかと思います。学生のうちは、このスピード感はつかみにくいかもしれません。そのため病院実習というものが存在するのですが、学生時代にこそ飲食関係や病院給食関係のアルバイトを試すとよいでしょう。
三つ目のズレは、コミュニケーションに関するズレです。
病院管理栄養士は、多職種とのやり取りが非常に多い職種です。病院は多職種が連携する場であり、管理栄養士も医師や看護師、薬剤師といった多職種と密に連携しなければなりません。日々、迅速な判断が求められる栄養管理や、急な患者対応が日常的に発生します。異なる職種の中での調整や、他職種からの要求への対応が難しく感じることがあります。コミュニケーションを図るのが苦手な場合は困惑するかもしれません。学生や応募者の中には、コミュニケーションをとるのが不得手な方もいるでしょう。実際私自身も、学生時代は人前で発言することは苦手でした。訓練でいくらでも強化できる分野ではありますが、極端に苦手な場合は向いていない職業です。
つづきは次の記事に掲載します。
せっせと更新していきます(^^♪
秋からが本番の病院管理栄養士の就職活動。
見逃さないようにぜひ、フォローしてくださいね♪
以上、dietitian-onlineでした。