「バスキア、10代最後のとき」クリティカルシンキングの極み
監督:サラ・ドライバー/2017/アメリカ
あらすじ
誰もが一度は耳にした事があるだろうアーティスト「バスキア」の没後30年を記念して製作されたドキュメンタリー。70's~80's麻薬が飛び交うニューヨークの劣悪な社会状況の中で如何にして世界的アーティストに上り詰めたのか!秘蔵作品や多くの著名人らのインタビューを元に辿っていく!
クリティカルシンキング
大人気メンタリストDaiGoさんがYoutube等で紹介しているクリティカルシンキングという考え方をバスキアは10代の頃からやっていた。
クリティカルシンキングとはある事柄に対し様々な視点から物事を捉え、誰も思い付かなかった答えを導くというもの。
バスキアは最初から絵を描いていた訳ではなく、ポエマーとして活動していたのだ。自分で考えた詩を人々にどう発信していくかという課題をこなす為にストリートアートを取り入れていく!
自分のポエムを走り書きのように壁にタギングしていく事により新しいスタイルが生まれ、若者たちから注目をされるようになる。
次に思い付いたのが洋服に絵を描いて売るという作戦!全く売れなかったらしいが、クラブなどで注目を集めた。
スタイルを変えて徐々に注目を集めて行くバスキアであったが、なかなかチャンスに巡り合えない。
世の中にコピー機が普及した時代にバスキアは新たな挑戦を試みる。それはメタ表現である!
チラシという宣伝媒体が爆発的に浸透した時代、バスキアは自分の絵に切り取ったチラシを貼り付けるという斬新なスタイルになっていったのだ。
今となっては子供が遊びでチラシを切り取ってデコレーションするなど、よくある表現かもしれないが当時は思いもよらない発想だった!
バスキアは自分の作品を服屋に置いてもらうなど営業活動に専念した。
ついにチャンスを掴む!
伝説の芸術家アンディ・ウォーホルがバスキアのポストカードを買ったのだ!バスキアはアンディ・ウォーホルのプロデュースにより世界に羽ばたき、亡き人になった今でも作品はずっと生き続けている。
質の悪い麻薬で荒れ狂っていたニューヨーク。
その日暮らし同然だったバスキア。
彼が夢を手に入れる為に必須だったものそれは哲学だという。
「周りに流されない。自分のいいと思う選択をする。」勇気と葛藤の末に手に入れた最強の思考。どんなに否定されようとバスキアにとっては蚊やハエを払うようなもの。
バスキアのように自らの選択で変化していく思考は我々にも必ず必要な考え方だと思う。