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016. やせ期:徹底的な糖質制限中のポイント

 糖質制限ダイエットを開始して、体重を減らしていく“やせ期”。糖質制限の程度や、もともとの体重によって、その期間は3か月で終わる方もいれば、1-2年続ける必要がる人もいると思います。
この期間は、思いつく限り、生活に取り入れられる範囲で、徹底的に米・小麦・芋類を排除していただきたき、というのが前回お話しした内容です。

 今回は糖質制限ダイエットを実践していくにあたって、よく質問されることや自分で気づいたことなど書かせていただきます。

炭水化物の中でも太りにくい物もあるのでは?グリセミック指数(GI:Glycemic Index)について。

  米・小麦・芋類もすべて炭水化物ですので控えるのが望ましいですが、食べるものによって、吸収されて血糖値の上昇するスピードが違うと言われています。
 これをグリセミック指数(GI:Glycemic Index)と言って、食品ごとの血糖値の上昇度合いを表現する数値です。

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 例えば、同じ小麦から作られるうどんよりも、そばの方がグリセミック指数は低く、血糖値が上がるのが遅い。イモ類の中ではジャガイモよりもサツマイモの方がグリセミック指数は低いと言われており、このグリセミック指数が低いものを選んで食べるというダイエット方法もあります。
 糖尿病の方では血糖値の上昇が遅らせるというのは、糖尿病の治療としては確立されていて、実際糖尿病の治療薬の中には、食後の血糖値の上昇を遅らせるものがあります。
 しかし、糖尿病になっていない方にとっては、血糖値が上がるスピードは違っても、結局すべて糖質として吸収されるため、グリセミック指数が低いものばかり選んで食べていても、痩せるためには不十分と言う意見もあります。

 また私自身は、“分かりやすさ”を優先するために、細かい食事の種類や数値を気にせず、上記の通り、“やせ期には思いつく限りの炭水化物を控える”のがいいと思います。どちらか一方を選べと言われたら、グリセミック指数の小さいものを選んでみるのもよいかもしれません。

夕飯だけ糖質ダイエットに効果ある?

 体重を気にされている方にお話を聞いていると、「夕食だけはご飯を抜くようにしているんですが、全然やせません」と言う方が多くいます。
 「糖質制限ダイエットをしても痩せない」というのは糖質をしっかり制限できていないからですので、夕飯のご飯を抜いた程度では足りないくらい、日常生活でたくさんの糖質を摂取しているのだと思います。

 ですので、やせ期には、「夕食でご飯を食べない」だけでなく少なくとも「昼食でも糖質の少ない食事」をしてください。

朝食はどうなのか?

 夕食のみならず、昼食からも糖質を減らす必要があることは言いました。では、朝食はどうかなにか実は誰にもわかっていません。
 朝食で糖質制限するくらいなら、そもそも朝食を食べない、という方もいると思います。しかし、これまで多くの研究データで朝食を食べた方がいい、と言うデータがあるのはご存知かと思います。もしかすると朝食で食べたものは日中しっかり吸収・分解されて、太る原因にはならないのかもしれません。だからと言って朝食を食べ過ぎるのもいいとは言えないでしょう。

 朝食は基本的に食べるけれど、可能であれば朝食でも、昼・夕と同様に炭水化物は控えるくらいがよいと思われます。

糖質不足になって危険なのでは?

 糖質制限ダイエットに対して批判的な意見として、「糖質不足は体に良くない」というものがありますが、先ほども述べたように、糖質不足になることは考えにくいです。日常生活には糖質があふれかえっていて、糖質はどこからでも入ってきます。サラダからも入ってきますし、とんかつや餃子を食べればその衣からも糖質が入ってきます。そもそも、意識しないところからも大量の糖質が入ってくるからこそ、これまで太ったわけですので、糖質不足で困ることは考えにくいです。

成功するかどうかのカギは?

 やせ期に“家族の協力のもと、徹底的に糖質制限する”と言ってきましたが、なぜこのダイエットに家族の方の協力が必要なのかについて触れておきます。

 これまで多くの方にこの方法を試していただいて、どういう方が成功し、どういう方が成功しなかったのかを観察したところ、家族の方にも理解いただいて協力が得られた方が成功していました。

 成功しなかった方では、「頭では分かったのですが、結局食事を作るのは妻ですので、上手くできませんでした」と言う方がほとんどです。逆に成功した方は、「先生に言われたことを妻に説明して、一緒に糖質を制限したところ、夫婦ともども痩せました。」と言う方です。このため、私がこのダイエットについて説明する際は、可能な限り夫婦で聞いていただくようにしています。やせ期が成功するかどうか“家族の協力が得られるかどうか”にあると思います。

 最後のまとめとして、やせ期は徹底的に糖質を制限して、“自分にも痩せることができる”と実感して、自信を持つことが重要です。制限した糖質の分は肉・野菜・魚といったたんぱく質・脂質で補って、食べる量自体は同じなので、特に空腹で苦痛に感じることはなく、体重計に乗るたびに体重が減っていくので、とても楽しい気持ちで過ごしていけるだろうと思っています。

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