シネマ飛龍革命【ビーキーパー】
弱者を食い物にする反グレは殴れ!
許す!
誰が!?
ステイサムが!!
そんな力強い…否、力強さしかない社会派(!?)なメッセージを打ち出す作品が公開される!
それが1/3に公開されるジェイソン・ステイサム主演の『ビーキーパー』だ!!
まず本作は序盤の展開から奮っている。
Q・フィッシング詐欺に逢ったら、どうすれば良いですか?
ステイサム:そいつらのコールセンターを燃やせ。
…という、
これ以上ない正解を叩き出す!
気になる今回のステイサムの役柄は人間国防システムとでもいうべきビーキーパープロジェクトで生み出された元戦闘工作員にして、今はハチミツを製造する養蜂家だ。
この設定を聞いて「どんな役柄だよ!?」と思う方もいるだろう。
奇遇だな!
俺もそう思う‼︎
いずれにせよ、ステイサムしか演じられない役柄である。
そんな設定の役柄で何も起きないはずがない。
ともすれば出オチに近い本作のあらすじは、こうだ。
血と硝煙にまみれた日常に別れを告げ、平和にハチミツを作るノマド生活を送っていたステイサムだったが、ある日恩がある隣人オバちゃんの自殺に遭遇してしまう。
どうやらオバちゃんはフィッシング詐欺に引っ掛かり、全財産をスッたのを苦にして自らの命を絶ったらしい。
もちろん、神は許しても、ステイサムは許すはずがない!
という訳で、弔電かわりに反社グループ根絶キャンペーン実施を決意するステイサム 。
結果、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』気分の反社に、ステイサムがお釣りが出るほどの暴力を支払っていくのが本作の主なあらすじだ。
「甘いのは自家製のハチミツだけ」と言わんばかりにサーチ&デストロイを実行していくステイサムから目が離せないだろう。
まさに一人の命に対して多数が死ぬ、命の円安ドル高状態が連発していく。
具体的には人間をペットボトルミサイルのように吹き飛ばす、特殊部隊に挨拶即breaking down(試合決定)、何かしらのワイヤーによるスーパー大切断、セレブのパーティ会場を戦場に変えてしまうパーティクラッシャーぶりを披露!
喧嘩を売ります・買いますのブックオフになった結果、気が付いたら暴力のわらしべ長者状態になっていくステイサム。
我々はいつもやり過ぎちゃうステイサムを期待しているわけだが、今回は何もそこまで…と二の句が継げなくなる。
ある意味、ステイサム作品の中でも『まだメカニックが現実的だった…』と思わせてくれるだろう。
殺ると決めたら誰にも制御不能な人間兵器っぷりに目を見張ってしまう。
かくいう俺も鑑賞中、限界突破ステイサムというワードが何度も頭をよぎったのは言うまでもない。
まさに暴力のハニーハントとでもいうべき作品である。
ビー“キーパー”というタイトルがついているが、本作のステイサムは悪党に対してゴリゴリの攻撃的ミッドフィルダーだ。
倫理的にも色々オフサイドしながら闇バイトの裏に潜む巨悪へドリブルしていく。
当初キャッチコピーには景気よく『この男、キレたら終わり』という文字が躍っており、ファンの誰もが「知ってるよ!」とツッコミを入れた。
そのせいかどうかは知らんが、気が付けばキャッチコピーがいつの間にか「キレる。」に変更!
ステイサムがキレる。
こう言われたら我々も黙って頷くしかない!!
もう相対する悪党に対して同情するしかないのであった。
ステイサム映画と言えば悪党たちの「あ、これ無理だわ…」となるリアクションも見どころの一つ。
今回はジェレミー・アイアンズ、ミニー・ドライヴァーという演技派たちが脇を固め、なんとか事を穏便に納めようとするものの、ステイサムによる暴力のクレームにより更に大炎上。
このステイサムという想定外に遭遇し、「…やってみたけど無理でした」と上に報告する彼らの姿は、思わず「仕事をしている時の俺か!?」と空見してしまった。
とにかく事態が予想以上にドンドン悪化していくおかげで最後まで目が離せない。
もし本作鑑賞中にトイレの為に離席しようもんなら、帰ってきてから「え?何があったの!?」と動揺するであろう。
バイオレンスの俊英デヴィッド・エアー監督と組んだことにより、ステイサムの暴力ハゲ・ダウ平均株価のトップ高を記録しているのは間違いない。
ここ日本でもトクリュウ(匿名流動型犯罪)グループが問題になっているが、防犯プロモーションでもしっかりコラボ!
闇バイトしたらステイサムが来る!と知れば、おそらく彼らも犯罪から手を引くであろう。
R指定のナマハゲ的なポジションのステイサムは必見だ。
不特定多数とつるんで悪事を働き金を稼ぐ反社に憧れるな。
たった一人の膂力で隣人のおばちゃんの為にグループを潰すステイサムに憧れろ。
そんなステイサムからの年始の挨拶が劇場で待っている作品だ。
倫理的に正しいかどうかは置いといて、景気が良いのは間違いない。
このステイサムからのお年玉を是非受取りに行って欲しい。