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#314 ガソリン生活

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伊坂幸太郎の作品を先日読みました。

小説にハマったきっかけの作者です。

久々に呼んだけど、テンポよく展開され、それでいて驚かされる結末が待っているので相変わらず好きでした。

この作品で好きな描写は車同士が会話をすることです。

イメージとしてはディズニー作品のカーズ。

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すれ違う車と会話をしたり、家の駐車場では横にいる車と毎日会話したり、タクシーはやはり情報通だったり、二輪車と車では会話ができなかったり、可愛げのある車たちがコミカルな展開をしつつ、主人公の人間たちは事件の解明を目指していきます。

言うなれば日本版カーズ。

登場人物もまた魅力的で、10歳の少年は可愛げがないくらい頭が切れており、大人顔負けの言い回しを武器にいじめっ子と対峙します。

世の中の不幸など誰かが喜ぶ記事を常に探していると思われていた記者が実はそうじゃなかったり。

伊坂ワールド全開。

約500Pと長めですが、テンポよくリズミカルに進む展開に身をゆだねれば、あっという間に「おしまい」までたどり着きます。


最後に、この作品で一番好きだった言い回しをご紹介。


なぜ記者は下衆な話題ばかり追いかけるのか?という問いに対しての記者の答えです。


「芸能人がくっついたり離れたりするニュースなんてくだらない、とよく訳知り顔で言う奴がいるだろ?俺たちがそれを知らないとでも思っているのか。くだらないと分かっているに決まってるだろ。ただ、そういった記事があれば読みたくはなるんだ。

例えば、スナック菓子がなくても人間は生きていけるだろ?栄養価があるとは言えない。じゃあ、栄養がないんだからスナック菓子を作るな、と君たちは思うか?栄養がなくてもスナック菓子を食べたくなる人は多い。製造する会社があってもおかしくはないだろ。」

「それを言うのなら栄養のあるものを作ってくださいよ。重要なニュースも記事にしてくださいよ。」

「スナック菓子を作る会社に、それなら栄養もあるお惣菜を作るべきだ、と言うつもりか?」


例え話の方が妙に納得する時のあれの感じでした。

さて、お次も伊坂幸太郎の作品を読んでみます。

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