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#デザインストラテジー

DIY効果(自分が関わると過大評価):行動経済学とデザイン:35

自分がちょっと手を加えたものは愛着がわいてしまう現象を、イケア効果といいます。行動経済学の人気教授、ダン・アリエリーのこの本に詳しく書かれています。 非合理だからすべてがうまくいく  行動経済学で人を動かす ダン・アリエリー 早川書房 2011.10 完成品よりも(めんどうなのに)売れる 実はこの効果はイケアよりも以前に、ホットケーキなどインスタント食品のほうが先行していました。ただ水を加えるよりも卵を入れる一手間を加えた商品のほうがヒットしたのだとか。 また、イケアの

『突破するデザイン』の言葉の意味について補足

もう1つの方の記事に『突破するデザイン』の読書感想文を書きましたが、本を読んでいる最中に、使われている言葉がどういったことを意図しているのかが分からなくなり、何度も読み返すことがありました。例えば ”意味のイノベーション” の意味がどういうことなのかイメージしにくくて行ったり来たりしたとか。 でも裏返すと、こういった言葉の意味を抑えておくことが本書の理解をグッと深めることにつながるのではないかとも思ったので、自分にとっての忘備録的な意味合いも含めて、しっかりと捉えておきたい

デザイン思考を反対側から見て気づいたこと:突破するデザイン

昨年末にTakramのPodcastのテーマで、ベルガンティ教授の考えとこの『突破するデザイン』の本が取り上げられて、この内容を聞いた僕は強い衝撃を受けて、これは絶対に本を読まねばと思いました。わりと日ごろから書店には足を運んでいるのですが、この本のことはまったく把握していませんでした(2017年の本ですが書店にもあまりなかったので広まっていないようです)。で、読んでみて一気に引き込まれました。この数年もやもやと思っていてうまく言語化できないことが、なんとこの本の中に見つける

プラセボ効果(病は気から):行動経済学とデザイン25

ニセモノの薬を売っている会社が日本にあります。この会社、あやしい会社ではなく、いたって真面目なビジネスをしています。 僕は偽薬を売ることにした 水口直樹 2019年7月 国書刊行会 社名はプラセボ製薬株式会社といって、設立は2014年、代表は京都大学薬学部卒、販売商品は食用偽薬で成分や砂糖や小麦粉などです。つまりニセモノの薬を売っています。 なぜ偽薬を売ってるか?わかりやすい例では、薬を飲まなきゃダメだと思い込んでいる認知症の人に偽薬を渡すことで、過剰な薬依存を避けるこ