ジマタロ
「学校教育にデザインを」をテーマに、学習がもっと面白く創造的になれるようなデザインを考えていきます。
デザインストラテジーについて学ぶために、ビジネス・ソーシャル・クリエイティブのいろいろな視点から、本を中心に感想とグラレコを合わせて紹介します。
みんなが集まってPC作業をしたりおしゃべりができる「リビングルームのあるホテル」をテーマに、自身が宿泊してみた面白いホテル・ホステル・ゲストハウスをマンガ形式で紹介していきます。
11月12日にdesignship2022でお話した内容を、こちらに共有します。 カテゴリとか肩書きにとらわれず、自分がこれまでデザインで取り組んだり考えたことを整理する機会にもなりました。どうぞご覧ください。 1.はじめに こんにちは、中島です。 モノとデジタルのデザインについて、お話しします。 僕はデザイナーとして仕事をはじめて、今年で20年になります。そのうち最初の10年はモノのデザインに、後半の10年はサービスやデジタルのデザインに関わっています。 今年のは
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今週から数回、教育のなかで創造性に関する代表的な3名の思想家や学者をご紹介していきたいと思います。 ジョン・デューイー(今回) ジャン・ピアジェ レフ・ヴィゴツキー 時代的には、いずれも1900年代の前半に書籍や論文などで大きな影響を与えた人たちです。つまり現代の創造性教育は100年前ごろから発展した、ということがいえます。 では、まず1人目はジョン・デューイーからです。 こんな人です ジョン・デューイーは1859-1952年のあ
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回はいまのデザイン教育についての本を紹介します。 「いまの」と前置きを加えたのは、僕が受けていた25年くらい前といまとでは全然違うから、デザインの学習観をアップデートしなければ、と思ってのことです。 今回ご紹介する本はこちら。 アメリカの美術大学Pratt Instituteで、コミュニケーションデザインを教えている日本人デザイナーの方によるものです。 Workshop Study かつてデザインの仕事は、職人たちの師弟関係の中で培
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回は前回に引き続き、世界の教育のあり方に取り組んでいるOECDのプロジェクトの紹介します。2030年に向けて教育はどう変わるべきかを示した指針です。 こちらの本を読み解きました。正直、読み物としては分かりにくく、書かれている要素の構成や関係性が複雑です。 そんな中で僕なりに整理してみた内容です。分かりやすさ優先で、ちょっと自分なりの解釈は入ってますので、あくまで理解のための参考として読んでください。(なので、引用しない方がよいです) 学
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回は自身の研究テーマに直接関わる創造性と批判的思考についてです。 創造性は才能ではなく学習できる、という点が今回のポイントです。 なぜ創造性か? 今回ご紹介する本は、OECDという日本ほかアメリカやヨーロッパなど38カ国が加盟している経済協力開発機構があり、その中の教育研究革新センターという機関が出したものです。学術論文に近い内容です。 2023年に出た本ですが、OECDのような真面目?な機関が、最近の注目として「創造性と批判的思考」
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回も創造性を研究テーマに、関係する本を紹介します。 創造性と心理学 フロー理論やポジティブ心理学で有名なチクセントミハイの著書、その名もずばり「クリエイティヴィティ」です。 副題は「フロー体験と創造性の心理学」となっていて、元も「CREATIVITY : Flow and the psychology of discovery and invention」なので、割と原題に忠実な名前です。 彼の他の本に比べると、大ヒットという感じでは
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回はクリエイティブとメンタルヘルスの関係を研究した本を紹介します。 医学的に見たクリエイティブの効能 取り上げる本はこちらです。著者は生理心理学の博士号を持っており、ウェルネスに関するスタートアップ事業を展開している方です。 クリエイティブな人というと、むしろメンタル不安定な人が多い印象を持つのではないでしょうか? 一方で、僕が仕事で関わったクリエイティブな人は、メンタルが強いというか、おおらかな人が多い印象です。良くも悪くもテキトー
学習のデザイン、今回は大学院とは別に、少し前に自分が講義をしたときの内容をご紹介します。 インクルーシブ・デザインスタジオのCULUMUからのお声がけで、6月にトークセミナーを実施しました。(もと同僚のつながり) 2021年に行動経済学とデザインをテーマに本を出して、2022年にはクラウドファンディングでカードツールも販売しました。それから2年経って、いまデザイナーは行動経済学とどう向き合うべきかということを考えた内容を、60分で紹介しました。 ではこここから、スライド
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回はジェネレーターという書籍を紹介します。著者は伊庭崇さんと市川力さんで、伊庭さんはパターン・ランゲージを日本で広めた人でもあります。 発動機としてのジェネレーター ジェネレーターとは「一緒に参加して盛り上がりをつくる人」という役割の人です。ファシリテーターは一歩外から支援や伴走をしますが、ジェネレーターは中に入って共に活動することを意味します。 この考え方が生まれた背景には、社会の変化にともない、求められる学習観もアップデートされてき
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今日は探究学習の本をご紹介します。 こちらは、以前紹介したHigh Tech Highについて書かれた本と同じ、藤原さとさんの著書です。この本では、探究の学びにフォーカスして、歴史や方法論などをより体系的な視点でまとめられています。 まずは、探究学習ってなんなのか?から見ていきましょう。 色々やる=探究ではない 間違った探究学習の例から紹介します。例えば、リンゴをテーマに取り組んだ探究学習として、学校でこんな授業が行われていたとします。
大学院で学ぶ「学習のでデザイン」。後期の授業まではまだ期間があるので、しばらくは論文の下調べで読んでいる本を紹介します。 今回は教育実践者である、ケン・ロビンソンさんの本の紹介です。 数学とダンスは同じくらい大事 まずこちらの有名なTED TALKから。 イギリス人らしく皮肉もりだくさんですが、彼のテーマは教育と創造性、特に子どもについての、です。 その結果、科目の中でこんなヒエラルキーができてしまっています。 上位:数学・言語・科学 中位:歴史・地理 下位:
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回は、教育コンテンツ開発の授業のまとめです。自分だったらどんなコンテンツをつくってビジネスを企画するか、を考えてみました。 サービス名:まん学 考えたのは、学習マンガを使ったオンライン塾サービスです。まんがで学ぶから、サービス名は「まん学」です。 事業概要を、エレベーターピッチ的にまとめます。 次に、この案を考えた背景を紹介します。 1. 努力は夢中に勝てない 上の見出しの言葉は、元陸上選手の為末大さんの座右の銘(論語に書かれてい
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回は社会教育関連の授業で、生涯学習の理論と発展の最終レポートを紹介します。 前と同じく、デザインを対象に生涯学習を考えてみました。 古くなる知識 どの分野でもいえることですが、同じ職場や分野でずっとい続けると、自分が持っている知識やスキルだけでこなすようになり、新しい知識を取り入れようとはしなくなります。 デザインでもこの影響は大きくあります。 例えば、トレンドやスタイルはわずか数年で大きく変わり、手書きをしていた製図のスキルは3D
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回は前期の要の授業だった「実践と理論の融合」の最終課題を紹介します。 自身の専門領域のデザインで考えてみました。 分断しがちなデザインの現状 デザインでの実践と理論は、ビジネスの現場で活躍するデザイナーと、デザインとは何かを探索する研究者や批評家に、それぞれ分かれます。 ここがそれほど分断されている印象はありません。というのも、デザインの実践には理論が裏付けされている場合が多くあるからです。 古典的なデザイナーや建築家(例えば、柳宗
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今週から何回か、授業の最終レポートで提出した内容を紹介します。 これまで受けた授業を通じて、社会教育の大切さはわかっていても、学校とは違って義務でもないし強制もできないので、経営する観点がないと必ず廃れてしまうことが理解できました。 なので、社会教育士は教えるだけでなく、学びをコーディネートするスキルが求められます。このことを模擬的に企画してみました。 課題テーマ 出された課題はこちらです。 私がすむまち〜東京都府中市について(Cha
大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回は、学校の外でいまどのような学びが求められているかについて、3人の学者をピックアップしてみます。 ミッチェル・レズニック MITの教授であるミッチェル・レズニックは、プログラムを書いて物を動かせるLEGO Mindstormsや、子どもでもプログラミングができるScratchの開発に関わった研究者です。 Scratchを使ったことのある人は少なくないはずです。 彼の師匠は、ピアジェの構成主義の理論を発展させて構築主義を提唱した、シー