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ミトコンドリアは有酸素運動と空腹で増やせ!

先日の話の続きである。今日はミトコンドリアを増やす方法を書いていきたい。
体内でエネルギー生産を担うミトコンドリアをどうやって増やすのか?

結論から言うと、有酸素運動と空腹がおすすめだ。
そもそもミトコンドリアは筋肉内に多く、特に体幹部に多いとされる。
ミトコンドリアが増えるとどんなメリットがあるのか?
一言でいえば【疲れにくくなる】のだ。


① AMPKとPGC1aが重要!


キーワードはAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)とPGC1aというタンパク質だ。まずはAMPKの説明から始めよう。
【AMPKの全体的な機能は、細胞組織のエネルギー欠乏に応答してATP産生の可能性を増加させることである。】
難しそうだが、わかりやすく言いかえる。
つまりAMPKは体の飢えに反応する酵素だ。

走ればATPを消費するので筋肉内のエネルギーが枯渇する。空腹もそうだ。
筋肉内の糖質が少なくなるとAMPKが働く。AMPKは組織のエネルギーの減少を感知しその消費を抑え、ATP産生の促進とATPのレベルを回復させる。

そのAMPKが働くとPGC1aが活性化する。PGC1aは「転写共役因子」とも言われ、ミトコンドリアの生合成に関わる因子であるがそれ以外にも様々な作用がある。骨格筋の遅筋繊維増加、毛細血管の新生促進、全身の脂肪酸の利用率向上、そしてもちろん骨格筋のミトコンドリア量の増加も担う。

空腹や有酸素運動によりAMPKが働き、PGC1aが活性化し、ミトコンドリアは増加して疲れにくい体を維持しやすくなる。なんとなく流れはわかったであろうか?
ミトコンドリアにとって、いい連鎖が運動や空腹がきっかけで生じるのである。


③ ちょっとした努力の積み重ね

有酸素運動は息が上がるウォーキングやジョギングを30分程度。空腹はプチ断食やカロリー制限ダイエットがおすすめだ。いったんAMPKが活性化すると36時間ほど効果が続くらしいので、それらを週に2回程度行えるといいかもしれない。

また、加齢によりミトコンドリアは減少するが運動を頻繁に行っている高齢者のミトコンドリアは若年者とほぼ変わらないというデータも多々ある。ぜひ諦めずに我々中年もがんばっていきたい。

ミトコンドリアはもちろんレジスタンストレーニング(筋トレ)をやっている方も増加する。ただ有酸素運動の方が【組織の飢え】を生じさせやすいだけだ。だから自分の好みの運動を続けることが何より大事だと思うので、積極的に体を動かす習慣を持っていただきたい。特に今は梅雨時期なので室内運動をお勧めする。


③ ミトコンドリアの敵

タバコと睡眠不足はミトコンドリアの天敵だ。この二つは老化を早めるというが、体のエネルギー効率も悪化させるのだ。
タバコに含まれるシアン化水素は、ミトコンドリアの電子伝達系を止めて代謝のサイクルを閉じる。お金を払って疲れやすい体になってしまうのだ。
また睡眠不足もミトコンドリアの敵だ。というか睡眠不足はミトコンドリアだけに関わらず、多くの代謝性疾患に関係する。糖尿病や高血圧、肥満症などもそうだ。
さらには心疾患やアルツハイマー病などにも深い関連がある。

よく寝よう。最低限、それだけでもあなたの体のためになっているはずだ。


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