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弟はイタリアへ料理の修行。妹は地方公務員から起業。兄の私は自営業を辞めて大学院へ進学。
私は長男で、妹と弟がいる。3人兄弟だ。あまり仲は良くない。というか何年も家族や兄弟で集まっていない。
情報はいつも親からの連絡かSNSで知る。タイトルにもあるように、この春に私たち兄弟は皆新たな進路を選んだ。
もちろん連絡を取っているわけでもないので、タイミングが重なっただけだ。
兄弟がいる人は分かると思うが、兄弟同士だからか“知らないけど分かること”がある。進路を決めるきっかけなどは何となくだが分かるものだ。
目標など何を考えているかなんて全然分からない。しかし何がきっかけで、どんな思いでその選択をしたのかは何となく分かるということだ。
たぶん我々兄弟が進路を決めるきっかけの根底にあるものは、“焦燥感”だと思う。
私の家は裕福ではない。常にたくさんの選択肢を選べたわけではない。「無」から「有」を作り出す事が基本テーゼで、何ごとも自分の力でやらねばならない。
そしていつも自分の立ち位置に満足しないという共通の性質を持っている。つまり「熱しやすく冷めやすい」性質だ。
今やらねばならないことしかしたくないし、もう既に出来ることは別に興味がない。もうスキルを習得したら、まだ出来ないことがやりたくなる。
一般的な出世街道よりも、自由な道を選ぶ。自由さを得るためなら努力は惜しまない。
難しいかどうかなんて、やってみないとわからないからとりあえずやってみる。深い考えより、フットワークと頭を軽くする事に心血を注ぐ。
この先どうなるかより、今すべきことに全てbetする。そうすれば、大概どうにかなる。
自分を尊敬したいんだよな。きっと。あまり自己肯定感が高くないから。
だいたいこんな理由で私を含めて、兄弟たちは進路を選んだのではないだろうかと想像する。
これからも兄弟たちと会う予定は無いが、それぞれのやりたい事が成就するといいなと兄は思うのであった。