「クリティカル・ビジネス・パラダイム:社会運動とビジネスの交わるところ」を読んで
以下の本を読みました。
学んだことは以下です。
消費社会で目にみえる問題の大半は解決し尽くされている。その社会で勝ちを出すためには、自分の頭で考えて社会をこう変えたいと言うアジェンダ設定が必要。内発的なモチベーションが社会の問題と仕事を繋げられるとこれからの時代では価値を出せる。
本書の内容を抜粋しながら、詳細を記載します。
WHAT=クリティカル・ビジネス・パラダイムとは何か?
答え :社会運動・社会批評としての側面を強く持つビジネスのこと
WHY=なぜクリティカル・ビジネス・パラダイムが求められるのか?
答え :従来のアファーマティブ・ビジネス・パラダイムでは競争優位も持続可能性も保てないから
HOW=どのようにクリティカル・ビジネス・パラダイムを実践できるのか?
答え :哲学的・批判的な考察によって新たなアジェンダを生成し、アジェンダに共感して集まったアクティヴィストと協働することで ということになります。
この世界をどうしたいのか、と言う自分なりの思いを持つことが重要と言うことかと思います。
日本社会の将来は暗いと考える人が多いかもしれません。しかし、課題先進国ともみなさせます。他の先進国に先駆けて、とくべき社会問題が顕在化している状態です。少子高齢化社会での介護や子育て、教育の問題。外貨を稼ぐための環境や地方創生の問題。安全保障に関する外交や農業の問題。少し考えるだけでも、すぐには解決できない大きな問題が山ほど出てきます。
こう言う課題をとらえて、仲間を作り、地道に解決をしていくことが重要です。
この話は「イシューからはじめよ」で論じられていることを共通していると思います。
世の中にある「問題かもしれない」と言われていることのほとんどは、実はビジネス・研究上で本当に取り組む必要のある問題ではない。世の中で「問題かもしれない」と言われていることの総数を100とすれば、今、この局面で本当に白黒をはっきりさせるべき問題はせいぜい2つか3つくらいだ。
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したがって、何も考えずにがむしゃらに働き続けても、「イシュー度」「解の質」という双方の軸の観点から「バリューのある仕事」まで到達することはまずない。
仕事をするときに、目の前にある仕事や上司から言われた「やらないといけないこと」をやりがちです。しかし、解くべきイシューを定めて、そこにリソースを集中投下するという働き方をしないと、生産性が上がりません。
生産性の定義や考え方は以下の本が参考になります。
この本の中で、日本と米国生産性の捉え方が大きく違うという話がされています。日本の工場では生産性の考え方が根付いているが、ホワイトカラーと言われる人が働いている職場ではそうではないと言います。
投入量を削減して、いかに大きい付加価値を出すかが重要と述べられています。
「付加価値を出す」と言う時に、質の高いイシューを捉えることが重要です。質の高いイシューと言うときに、それは社会問題と繋がってくるのではないでしょうか。
いい仕事をするためには、仕事ばかりをせずに社会に目を向けることが重要と言うのが、盲点でした。