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NICUに入った息子


生まれてすぐ、呼吸障害を起こした息子はNICUに入ることになる。

息子を産んだ日は、術後すぐだったというのと面会時間が過ぎていたのもあり、会えずに終わる。
麻酔の副作用で、強い吐き気に見舞われた私は息子の顔を見ることがないまま、息子の誕生を終えた。
看護師さんが生まれた直後の息子の写真を私のスマホで撮影していたため、その写真を見て夜は過ごした。(バースプランに写真を撮ってほしいと書いといて良かった…)

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帝王切開した翌日。

傷が癒着しないように意地でも立って、歩くことになる。
午前中は、激痛で立つことが難しい。
お昼前に看護師さんの力を借りて、なんとか立つことができた。
一度立ってしまえば、そのあとは何回でも立ったり座ったりができた。
ただ、完全に横になってから起き上がるというのは難しかった。
ベッドを起こした状態で寝る日が、退院するまで続いた。

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まぁ、そんなわけで、産んだ翌日のお昼過ぎから面会時間が1日3回設けられていたのもあったので、私の面会に来た夫と一緒に息子に会いに行く。

小さい体にたくさんの管が繋がる息子。
初めて息子の顔を直接見る。夫も立ち会い出産はできなかったので、写真でしか見たことない息子の顔を初めて見ることになる。
息子の背後には、モニター。
心電図、呼吸、SpO2、CO2が分かるようになっている。
規則的な音が聞こえる。不定期に危険を知らせる音が鳴る。
NICUとは、そういうところだ。常に危険と隣り合わせで生きている。

NICUに常駐している看護師さんに、

「抱っこしたり、ミルク飲ませますか?」

と、聞かれる。

「はい、お願いします。」の返事と共に息子を抱っこすることができた。

息子は2700g台で生まれたが、とても重く感じた。
きっとこの重みは、命の重みだろう。
ふにゃふにゃの体、首が座らない落ち着かない頭、全てが愛しい。

ミルクを10ml飲ませる。
トゥクトゥク…トゥクトゥク…ゆっくりだが、飲む。
息子は今、生きようとしている。

夫は息子を抱っこして、

「小さい…」

と、ポツリ。

たしかに小さい。
けど、ここから大きくなるのだ。

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NICUに3日間いた息子。
そのあとは退院する日までは、毎朝小児科の診察で血液検査と黄疸検査、念入りの体重測定を行っていた。

一時期は体重の増え、血液検査の数値が悪いから母子同時退院は厳しいと言われた息子。

けど、8日間の入院を経て一緒に退院することができた。

息子の血液検査は、ALPが低いということで心配されていたが、1ヶ月健診時に通常数値に戻る。
体重も順調に増えていたことで、問題はなかった。

ただ、ひとつの不安が減っては増える。
これはまた今度の話に…。



余談

今の息子は、まだ経過観察やら色々と問題を抱えて生きている。
いつ、安心できる日が来るのだろうか。
息子の泣き方は他の子と違って、少し癖があるように感じる。呼吸障害の影響だろうか。

どちらにせよ、今は特に制限なしで生きているので当時の医療スタッフさんたちには感謝で溢れている。

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