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赤ちゃん2ヶ月予防接種の不安④~ロタ~

前回は小児肺炎球菌ワクチンについて調べました。

今回はロタについて調べた事をまとめてみようと思います。

ロタウィルスの疾病の特性

まずはロタウィルスの特性を厚生労働省のHPからみてみます。こちらによると乳幼児期にかかりやすい + ほぼ全ての子供が感染するとされているようです。

ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎で、乳幼児期(0~6歳ころ)にかかりやすい病気です。主な症状は、水のような下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、発熱、腹痛です。
 ふつう、5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。脱水症状がひどくなると入院治療が必要になることがあります。5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち、40~50%前後はロタウイルスが原因です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/rota/index.html

国立感染症研究所のHPを見るとロタは糞口感染で感染力が強く予防は難しいみたいですが、国内での死亡は稀だそうです。また季節性があり年末年始から春にかけて多い感染症みたいです。

...わが国におけるロタウイルス感染症による死亡者は稀ではあるが、それでも感染者数は非常に多いため、小児感染症における重要な病原体の一つであることは疑いの余地のないところである。
...ロタウイルスの主な感染経路はヒトとヒトとの間で起こる糞口感染である。ロタウイルスは感染力が極めて高く、ウイルス粒子10~100個で感染が成立すると考えられている。また、ロタウイルスは環境中でも安定なため、汚染された水や食物などを触った手からウイルスが口に入って感染が成立する可能性も指摘されている。従って、たとえ衛生状態が改善されている先進国でもロタウイルスの感染予防はきわめて難しい
....また、感染性胃腸炎の流行曲線を描くと、毎年年末年始にピークがあり、秋口にかけて減少をたどるが、ここからロタウイルスだけを抽出すると患者は年末から報告されるようになり、ピークは春先に認められる

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3377-rota-intro.html

ロタウィルスは通常は1~2週間で自然治癒するものだそうで、脱水症状がひどいと入院になるみたいです。また新生児期は母体由来の免疫で感染しても症状がでない事が多く、繰り返し感染するに連れて症状が出なくなる事が多いみたいです。

ロタウイルスは小腸の腸管上皮細胞に感染し、微絨毛の配列の乱れや欠落などの組織病変の変化を起こす。これにより腸からの水の吸収が阻害され下痢症を発症する。通常2日間の潜伏期間をおいて発症し、主に乳幼児に急性胃腸炎を引き起こす。主症状は下痢(血便、粘血便は伴わない)、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛であり、通常1~2週間で自然に治癒するが、脱水がひどくなるとショック、電解質異常、時には死に至ることもある。通常は発熱(1/3の小児が39度以上の発熱を認める)と嘔吐から症状が始まり24~48時間後に頻繁な水様便を認める。成人も感染、発病しピークは20~30歳代と50~60歳代に認められる。
ロタウイルスは遺伝子型が異なってもある程度の交差免疫が成立するため、初感染が顕性感染であれ、不顕性感染であれ、感染を繰り返すごとに症状は軽くなっていく。しかし、1度ロタウイルスに感染しただけでは免疫は不完全であり、乳幼児以降も再感染を繰り返すが、感染を繰り返すと重症化に対する防御効果がみられることがわかっている。一般的に新生児は不顕性感染に終わることが多く、おそらく母体由来の免疫によると考えられているが、乳幼児期以降ロタウイルスの感染を受け、年長児期以降の再感染では再び不顕性感染が多くなる。 ロタウイルスに感染している子どもと接触した成人のうち30~50%が感染すると言われているが、ほとんどの場合、それ以前の感染の影響で不顕性感染に終わることが多いと考えられている。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3377-rota-intro.html

国立感染症研究所HPではロタウィルスの感染予防は難しいとしつつ、初回感染の症状の重症化予防を目的にワクチンがあるとしていますが、ワクチン接種後に稀に重篤な症状がでる可能性があるとしています。

...ロタウイルス胃腸炎は初回感染時の症状が最も重く、2回目以降の感染は症状が軽くなるが、ロタウイルスワクチンはこの性質を応用し、ロタウイルス胃腸炎の重症化を予防することが目的のワクチンである。
...ワクチン接種後1週間程度はワクチンウイルスが便中に排泄される。これにより周りの人が胃腸炎を発症する可能性は低いが便を取り扱う際には手洗いを行うなどの注意が必要である。また、副反応としては易刺激性、下痢などが国内臨床試験で報告されているが、いずれも一過性で数日以内に回復し、重篤なものはまれである。なお、すでに数年間ワクチンの使用実績がある海外の市販後調査からの報告では非常に低い確率ながら、腸重積症の発症が報告されている。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3377-rota-intro.html

感想

うーん..厚生労働省と国立感染症研究所のHPを読んでいて、ロタは予防が難しいしほぼ全員罹患しやすいけど、乳幼児期や回数を重ねる事に症状が出ない事が多い感染症という事がわかりました。また自然治癒するものの脱水症状がひどいと入院になることがあるから、初回感染重症化予防の為にワクチンが提供されているのは理解しましたが、ワクチン接種後に重篤になる可能性があるのなら、個人的には打たないリスクも低い上にワクチンのベネフィットも高くないと感じました。

“母体由来の免疫”で乳幼児期は症状が出ないと考えられるのならばそこを詳しく調査して初回感染時点で”症状の出ない”ようにするにはどうすればいいかという方向にならないのでしょうか。

厚生労働省と国立感染症研究所のHPを読んで、現時点でロタワクチンの必要性が今ひとつピンと来ないので今回は審議結果報告書の読み込みはしませんが、見返す時のために審議結果報告書と副反応疑い報告書のリンクをまとめておきます。

ロタワクチン

ロタワクチンには2種あるみたいです。MDS社のロタテックワクチンとグラクソ•スミスクライン株式会社のロタリックスです。

ロタテック

ロタテックの添付文書はこちら

https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00060276.pdf

ロタテック審査結果報告書はこちら

https://www.pmda.go.jp/drugs/2012/P201200012/170050000_22400AMX00024000_A100_1.pdf

ロタテックの再審査はこちら

https://www.pmda.go.jp/drugs_reexam/2021/P20211006002/170050000_22400AMX00024000_A100_1.pdf


ロタリックス

ロタリックスの添付文書はこちら

https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00059713.pdf

ロタリックスの審査結果報告書はこちら

https://www.pmda.go.jp/drugs/2011/P201100118/34027800_22300AMX00591_A100_1.pdf

ロタリックスの再審査はこちら

https://www.pmda.go.jp/drugs_reexam/2021/P20210528001/340278000_22300AMX00591_A100_1.pdf

副反応疑い報告(2024年10月25日時点)

ロタテック

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001321000.pdf

ロタリックス

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001320999.pdf

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