東北大学大学院|IターンでAIを利用した開発|選考直結型インターンシップインタビュー
自己紹介・プロフィール
東北大学大学院情報科学研究科情報基礎科学専攻修士1年
佐藤龍之介 24歳
2024/011/05〜2024/12/27(週32時間)札幌オフィスへの出社
参加した選考直結型インターンシップ
大学院での研究
関数型プログラミング言語OCamlを使用し、双方向変換におけるレンズ則の理論的検証と実装に関する研究をしています。
具体的に説明するためにデータベースをイメージしてほしいのですが、データベースにはソースデータ(Source)があり、その中から得たいデータのみを抽出します。このデータのまとまりをビュー(View)と言います。この時、ソースからビューを取得する”get関数”が適用されています。
また、データの操作時にビューにデータを追加した時にはその変更をソースにも反映する必要があります。この時には、変更を加えたビューを元のソースに反映する”put関数”が適用されます。以上の2つの関数の組を”レンズ”と呼び、このレンズによりソースとビュー間でデータの双方向変換が行われています。
私の所属する研究室では、このレンズの組み合わせがある規則を満たす場合を”レンズ則”と呼び、このレンズ則が16個ほど見つかっています。そして、各レンズ則間で相互関係があるという事実があります。私は、この事実を関数型言語Ocamlと定理証明支援ツールCoqを用いてプログラミングで証明しようとしています。
初めての札幌での生活:Iターン学生の視点から
まず、生活スタイルが大きく変わりました。実家暮らしから初めての一人暮らしへの移行は、マンスリーマンションでの生活から始まりました。家事を一人でこなしながら、大学生活特有のゆるい時間の使い方から、より規則正しい生活リズムへと変化しました。会社でのインターンシップと研究発表の両立は忙しくも充実した日々をもたらしました。
札幌の住みやすさは、出身地の山形と比較して際立っていました。街の発展度合いがちょうど良く、都会過ぎず田舎過ぎない絶妙なバランスが魅力的でした。人口密度も適度で、メリハリのある生活を送ることができました。
最も印象に残っている思い出は、他のインターン生との交流を通じて新しいコミュニティに触れたことです。また、北海道の名物である海鮮、特に「はなまる」での寿司は絶品で、食の豊かさを実感しました。
総じて、札幌での生活は予想以上に快適でした。充実した公共交通機関、美味しい食事、そしてワークライフバランスの取りやすさなど、様々な面で住みやすさを感じました。ほぼ会社員としての生活を送りましたが、将来的にも札幌に住むことを前向きに考えられる素晴らしい経験となりました。
会社を知ったきっかけ
研究室の先輩がダイアモンドヘッドのインターンシップを高く評価していたことをきっかけに、この会社を知りました。エンジニアとしてのキャリアに興味があった私は、先輩の経験談に強く惹かれ、会社について詳しく調べるようになりました。
選考直結型インターンシップの参加背景
私は将来、バックエンドエンジニアになりたいと思っており、個人開発やサマーインターンで開発経験を積んできました。しかし、就職活動中に自分がどの企業に行きたいのか分からないと思い悩むことがあり、実際の業務を通して開発経験を積んだ後に何がしたいかを明確にしようと考え、ダイアモンドヘッドのインターンに応募しました。
参加後にはAI labチームに配属され、商品説明文やハッシュタグの自動生成という最先端のAIプロジェクトに携わりました。経験豊富な先輩エンジニアからの的確な指導と質問しやすい環境により、私のスキルは急速に向上しました。次第に責任ある仕事を任され、果敢に挑戦することができました。この成長曲線の急さと自己実現の機会の多さに、私は魅了されました。
さらに驚いたのは、会社全体の多様性と先進性です。アプリ開発チームやECサイト開発チームのみならず、様々な開発チームがあり、一つの会社でこれほど幅広いキャリアパスが用意されていることに感銘を受けました。各チームが最新のテクノロジーを駆使しながら、部門を超えて活発にコミュニケーションを取り合う姿勢は、まさに理想的な職場環境でした。
結果として、このインターンシップは単なる就職活動の一環ではなく、自身のキャリアビジョンを明確にする貴重な機会となり、迷わず新卒選考に進む決心をさせてくれました。
業務内容
アサインチーム
「AI labチーム」に配属され、修士課程での研究背景を活かせる環境で働く機会を得ました。チームは、AIや機械学習の専門家、経験豊富なエンジニア、そして情報理論を学ぶ学生など、多様な専門性を持つメンバーで構成されていました。
日々の朝会や夕会を通じて活発なコミュニケーションが図られ、各メンバーの専門性を活かしたタスク分担が行われていました。特に、AWS Bedrockを活用した最新のAIモデルの比較検討や、ハッシュタグ自動生成システムの開発など、高度な技術力と創造的な問題解決能力が求められるプロジェクトに携わりました。
利用したツール
AWS(Bedrock):AWSの「Bedrock」サービスを使用し、SonnetやHaikuなどの生成AIモデルを簡単に実装できる利点があり、APIを通じて高度なAI機能を容易に組み込めるため、AIの専門知識が少なくても生成AI機能をアプリケーションに追加したい開発者にとって非常に有用なツールです。
FastAPI/PostgreSQL:高性能なPythonフレームワーク「FastAPI」と堅牢なリレーショナルデータベース「PostgreSQL」の組み合わせを使用しました。この組み合わせの主な利点は、Pythonの親和性と大規模バックエンド開発の効率化です。FastAPIの非同期処理対応と自動ドキュメント生成機能、PostgreSQLの高度なデータ管理能力により、新たな言語習得なしで大規模かつ高性能なバックエンドシステムの構築が可能となり、開発効率と保守性の向上に大きく貢献しました。
利用した技術・タスクの内容
インターンシップでは、主にハッシュタグ自動生成システムの開発に取り組みました。このタスクが特に難しく、挑戦的でした。AWS Bedrockを活用し、複数のAIモデル(Claude 3.5 Sonnet V2, Claude 3 Haiku, Amazon Nova Pro, Amazon Nova Lite)を比較検討しながら、最適なハッシュタグ生成手法を模索しました。
具体的な作業は、まずAWS Bedrockの各AIモデルの特性と使用方法の理解から始めました。モデルごとに異なる入力形式や出力特性があり、これらを把握するのに時間を要しました。次に、Pythonを使用してバックエンドシステムを構築し、各AIモデルと連携してハッシュタグを生成する処理を実装しました。
特に苦心したのは、生成されたハッシュタグの品質評価と改善です。他社のハッシュタグ生成サービス「awoo」との比較分析を行い、AIが生成したハッシュタグの抽象度や適切性を評価しました。この過程で、商品の特徴を適切に捉えつつ、ユーザーの検索行動にマッチするハッシュタグを生成することの難しさを実感しました。
また、Streamlitを使用してデモアプリケーションを開発し、ユーザーが商品名、説明文、画像を入力するとハッシュタグが生成される機能を実装しました。このアプリを通じて、チームメンバーやインターン生の友人にアンケート調査を行い、生成されたハッシュタグの評価を収集しました。
働いてみて
AIラボチームでのインターンシップは、刺激的で学びの多い経験でした。チーム内では活発な意見交換が行われ、学生インターンの意見も尊重される環境でした。最先端のAI技術を用いて実際のビジネス課題に取り組む中で、理論と実践の橋渡しを経験し、AWS Bedrockなどの最新技術を実践的に使用できたことも大きな収穫でした。
リモートと対面のハイブリッド環境での業務を通じて、効果的なコミュニケーションの重要性を学びました。また、締め切りのあるプロジェクトに携わることで、時間管理やタスク分解など実務的なスキルも身につけました。この経験は技術面に加え、チームワークや問題解決能力など総合的な職業スキルの向上にも繋がり、AIと最新技術を駆使する環境で働くことで、将来のエンジニアとしてのキャリアに対する明確に描けるようになりました。
会社の印象
年齢的には20代〜30代前半くらいの人が多く、私にとって近い年齢の人が大半なので馴染みやすいと思いました。また、メンターの方や副部長の方がとても気さくで話しやすく積極的に意見できる空気感がチーム通して会社全体にあるように感じました。
今後の展望
大学院のPPLというプログラミング言語に関する研究を中心とした発表会があるので今年の3月に参加できるように引き続きプログラミングの学習等を頑張りたいです!
そして、インターンでの開発経験を活かして、作成しようと考えていた「グーグルマップと生成AIを活用したWebアプリケーション」の開発に挑戦しようと思います。
今後インターンシップへ参加する方々へ
エンジニアを目指していてファッションが好きな学生にはぜひ参加してみてほしいです!「ファッションECの裏側の仕組みを知りたい!」という小さな興味から私はインターンに興味を持ち、業務を通して技術的な経験を積むことができエンジニアとして成長することができました!
インターンシップに興味をお持ちの方へ
募集要項や応募選考フローや良くある質問などの情報をインターンシップ募集サイトにまとめました。新卒選考を前提とした受け入れ(選考直結型インターンシップ)も実施していますので、興味をお持ちの方はリンク先をご確認下さいますようお願いします。
以上となります。ご拝読ありがとうございました。