「ZOZOTOWN, 客離れ」から
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3点に注目したい。
1.プラットフォームの健全性が、経営課題
2.参画ショップサクセスを追求していく必要あり
3.ZOZOTOWNがアービトラージされるリスクが高まっている
代表関連記事 Business Journal 2019.01.19
https://biz-journal.jp/2019/01/post_26315.html
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A ZOZOTOWNに「負」の情報が溢れている。ZOZOSUITが高額の勉強代へと消え、PBがうまく軌道に乗っていない。 ZOZOARIGATOを受けて離脱したショップは、42ショップ*1。これは全1255ショップに対し3.3%である。
B 前澤社長は決算発表にて口頭で、これらの離脱組の影響を、「取扱高ベースでは1.1%、オンワードHDの取扱高への影響は0.5%」程度であるとして、「極めて軽微」と表現している。
A 私たちは兼ねてより、ZOZOTOWNの最大の弱点は「プラットフォームの健全性」にあると論じている*2。
B デジタルプラットフォームにて多くの参画者を募る場合、参画者と構築するエコシステムが重要な(プラットフォームの)力になってくる。そこへの居心地がよく、そこを使う理由が明確であり、参画者と管理者が共に、プラットフォームを良くしようと取り組んでいる状態が理想形である。
A ZOZOTOWNのような規模になると、「そこに参画しないことの影響」が強くでてくる。つまり、「参加したくないけど、しないわけにはいかない」という気持ちで、多額のマージンを搾取されているブランド(企業、ショップ)が多数いると想像される。この状態で高圧的にARIGATOを繰り出せば、離脱へと踏み切るショップがでてきても何らおかしくはない。
B 決算発表にて「離脱の影響は取扱高に対して軽微」としているが、これは「プラットフォームの本質」を理解できていない典型例と思う。
A 事業社として当然、取扱高は重要な項目である。しかし、プラットフォーム運営においては、参画者との健全な関係性の構築が力となる。
B 表現を変えれば、カスタマ―サクセスならぬ、参画者サクセス(ショップサクセス)のような観点を、ZOZOTOWNというプラットフォームが持つことが重要である。自分たちの優位な立場に胡坐をかくようでは、離脱組が更に増えるのは想像に難くないし、より健全なプラットフォームが現れ、乗り換えられることも想定される。
A 何も消費者はZOZOTOWN自体に価値を感じているわけではない。ZOZOと同程度のパフォーマンスをだせて、参加ショップがもっとイキイキと自分たちの自慢の商品を提案していくプラットフォームが出現すれば、そちらを使うだろう。
B まだ、間に合う。ZOZOTOWNは健全性を、経営課題に据えるべきである。自分たちの立場に胡坐をかいてはいけない。参画しているショップのサクセスを目指すことで、消費者に対してよりハイレベルな効用を感じていただく必要がある。プラットフォームの健全性を高め、エコシステムを熟成させ、参画ショップをロイヤルショップ(ロイヤルカスタマ―のようなもの)へと転換していく必要がある。
A 逆に、「取扱高」を追求し続けるような姿勢を採るのは危険である。
*1 ZOZO 2019年3月期第3四半期決算(1月31日)
*2 「ZOZSUITなくします」から
https://note.mu/dialogue_of_j/n/n21ab8329e5c5
「ヒートテック戦争」から
https://note.mu/dialogue_of_j/n/ndbbfd3a70ce0
「食べログへの不満」から
https://note.mu/dialogue_of_j/n/n0c5438657faf
/2018.02.02 JK