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「Well-being」ってなんだろう?「Social Health」と「つながり」
「Well-being」ってなんだろう?
幸せ、豊かさ、健康、このあたりを包含しているのがそれだと私は認識している。特にCOVID 19 が蔓延しはじめたころ、多くの人がより良く生きるとはどういうことだろう?と「Well-being」を探求していたんじゃないかと思う。
「Well-being」の核心
このフワっとした「Well-being」という言葉の核心を突いたキーワードが「つながり」(コネクション、関係性、etc.. )だと最近私は考えるようになった。特に現代において、その重要性が高まってきている気がする。近年の研究によると良好な「つながり」が幸福感、健康状態、長生きにまで関係していることが判りはじめてきている。自分の経験と照らし合わせてみても腑に落ちるとこが多くあり、これは確信に変わりつつある。そんな話を少ししてみたい。
「つながり」と聞いてなにを思い浮かべるだろう?
友人関係、職場での人間関係、ご近所付き合い、親子関係、これらはすべて「人間関係」だ。WHO(World Health Organization)は「Well-being」を「Physical Health(身体的健康)」, 「Mental Health(精神的健康)」, 「Social Health(社会的健康)」この3つのバランスの取れた良好な状態と定義している。ここで取り扱う「つながり」や「人間関係」は、WHOの言うところの「Social Health」に分類されるだろう。
数年前アドラー心理学が ”嫌われる勇気” という本がきっかけでブームになった。アドラーは「すべての悩みは大人関係の悩みである」と言っている。また約80年間ハーバード大学で行われてきた幸福に関する研究も「健康で幸せな人生を送るために必要なのは、良好な人間関係だ」と結論付けている。
健康への認知の変容
これまでも健康に対するリテラシーは時間の経過と共に更新されてきた。タバコの発癌性が科学的に証明されてからは、喫煙率は世界的に減少傾向にある。大昔の人々は頭痛が起こるのは祟りだ、悪魔の仕業だ、などと考えていたかもしれない。「Physical Health」は言わずもがな、「Mental Health」に至っては近年になって注目を集めた。マインドフルネスやヨガが流行したのもこの流れのなかにある(ちなみにヨガはサンスクリット語で「つながり」という意味になる)「Physical Health」と「Mental health」の相互作用が確認され、健康のため意識的に筋トレをする人も増えたということは、増え続けるジムの数を見れば明らかだ。
おそらく現代人の「Physical Health」と「Mental Health」のリテラシーは既に十分高いところにあることがわかる。一方「Social Health」についてはどうだろう?幸せとの関係性は認知していても、健康とリンクしている人はまだまだ少ないように思える。
今こそ「つながり」「Social Health」
2020年、COVID 19によって全世界の人が「つながり」を絶たれる経験を共有した。また現代ではSNSの普及により「つながり」のあり方は大きく変容した。そんな時代だからこそ「つながり」(Social Health)についての理解を深めていく必要があるのではないかと私は思う。
より良く生きるために、自分または、周りの人たちが、何に対してどんな「つながり」を、どのくらい求めているのか。万人が求める良好な「つながり」とはどんなものか。逆に不健康な「つながり」とはどんなものか。もし世界中の人たちが「つながり」と「Well-being」の関係をより探求し続ければ、世界はもっと住みやすく、より良くなるはずだ。
なぜ「つながり」なのか
あえて「Social Health」ではなく「つながり」としたのには理由がある。「Social Heath」と言うと人間関係のみの話に完結してしまうが、幸せを感じる「つながり」のなかには、動物、植物、微生物など自然界との「つながり」も含まれると考えるからだ。無機物であっても、心のこもったモノ、大切な思い出が詰まったモノに囲まれて暮らすのはきっと幸せだろう。生産者との「つながり」を感じることで食はより豊かになるし、本を読めば著者と「つながり」を感じるだってできる。反対に政治への不信感は政府と国民の「つながり」が薄れることで生れる。母国を離れて暮らす人にとっては文化、伝統、宗教との「つながり」もアイデンティティを保つためには欠かせない。
どんな「つながり」が自分を幸せにしてくれるのか、周囲の人がどんな「つながり」に大切にして生きているか、反対にどんな「つながり」が人を不健康にするのか?そんなことを一人ひとりが意識していくことで大きな集合知が生まれ「Well-being」に近づいていく。そんな気がする。