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6月までの結果を踏まえて、今後の方向性を考える岡崎市の和食レストラン「魚信」さんの経営奮闘物語〜その13(7月7日)

こちらの続きです。

西田社長との対話が続きます。

さて、7月です。#給付金 も配られ、それによって景気の下支えになるのでは、と期待もされていましたが、いかがですか?

 まずね、まだ岡崎、給付金振り込まれてないみたいです、少なくとも我が家には来ていない(笑)。なので、「給付金のバブル」はまだ来ていません。6月売り上げ挽回に当てにしてたんだけど、今月は期待したいよね。「2割は外食や旅行に使う」という調査もあります。岡崎では、7月ボーナスの企業も多いので、今月は土用の丑の日(7月21日)周辺から海の日からの連休(23日〜26日)を山場として、もうそこしかないだろ、って期待しています(笑)。

 コロナが「新しい生活」へ転換するように促した点もあると思います。#経営者 は、短期の業績改善だけでなく、これからの10年、20年、30年と長期を見据えた経営戦略を書き換えるくらいの変化が求められていますね。宴会、法人接待、法事といった主部門を失った今、#魚信 はこれからどのような道を進むべきと考えておられますか?

6月の部門別売上をみて欲しいんですよ。

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 主力部門の(1)と(2)がここまで落ち込みました。自粛解除され、徐々に客足が戻りつつありますからそんなに心配することはない、とも言われます。でも、東京が50人超えた、とか、100人超えた、とか、第2波が、という報道が出ると、ピタッとお客様のご来店は止まり、宴会キャンセル、法事のキャンセルが続出します。今はむしろ大きな売上が生まれる宴会のご依頼はありがたいのですが、「コロナキャンセル」となった時、仕入れた食財を無駄にする分が大きいだけに逆にリスキー。ですから、今後は、これまでの主力じゃなかった3部門の成長に頼ることになりそうです。どの分野も成長している分野です。(3)の慶事も、家族の嬉しいことのお祝いで、「岡崎皆家族」の我々にとっては大事な部門です。(5)の食事部門は、若い店長が現場を引っ張って、盛り上げてくれとるんです。「エビフライと定食」に特化したうおのぶ食堂は、単体だけで言えば、前年比102〜104%とプラスになってる部門。(4)仕出し部門は、テイクアウト部門でもあるし、通販部門でもあり、将来に渡って成長の柱になりそうなので、大切に育てたい部門なんで、ね、ここに、、、

ここに、なんでしょう?何か「秘密兵器」?含みがありそうですね笑。

 デニーズのようなナショナルチェーンでも、今や、ニーズに合わせて通販や「ゴーストキッチン」化する展開もあり得るといいますし、大手も工夫して攻めてきそうですね。

ええ。確かに、ゴーストキッチン化すれば、店内での接客係、配膳係などが不要となるため、採用に苦労している面が楽になりそう。そこは確かにメリットです。Uber Eatで配達している都市部の事例も学んでいます。しかし、うちは、接客係も大きな力。そもそも、うちの優位性ってどこか、というと、接客係も含めた従業員さんたち。そして、他よりもいいものを届けようと日々努力してくださっているお取引先様です。私たちの考え方は、他の会社さんとは異なり、「岡崎市民と共に」。「皆が、わが家族」「岡崎愛、岡崎地元全員家族」。ですから、当然「従業員も家族」「お取引先様も家族」。そういう考え方です。気に入らないからって、家族って削れるもんじゃない。そもそも「削る」という発想自体がうちにはありません。むしろ、これまで培ってきた接客サービス力、従業員達の「人財力」と、お取引先様が「粋の良いもの入ったよ」と提供くださる「食財」。この2つの「財」を活かして、活かして、活かし切る。美味しさ、良さを引き出して、お客様の慶びにどう広げていくか、の方が課題と思っています。

人や食材を費用・コストとみなす考え方が会計の世界では一般的です。しかし、その考え方では、いかに安く仕入れるか、いかに安く雇うか、いかにお金払わないで、奪うか、奴隷のようにこき使うか、という発想にどうしても向かってしまいます。

魚信さんが大切にしているところはそこではありません。そうではありません。53年間、家族が経営する、家族のための和食レストランです。従業員や取引先を「費用」と考えるのではなく、従業員、取引先を家族のよう考えて、人を大切にすることで、お客様にいい接客、いいサービスが提供できて、喜んでいただけるという経営をされています。

これからは、距離を保つ、接触をできるだけしないようにする。感染症を防ぐためには必要な措置でしょう。人口減少で従業員も確保しにくい、となれば、レストランに限らず、ほとんどの業種が通販やデリバリー型になるのも必然かもしれません。

 大都市とは異なる岡崎であっても、感染症対策や地球環境への配慮などトレンドを無視することはできないでしょう。うちも仕出しをはじめて、テイクアウトや通販の注文も増えてきています。Uberはまだ岡崎進出してないけれど、「出前館」などデリバリーサービスへの出店の可能性もないわけじゃない。しかし、心許せる家族や仲間との「心のつながり」まで無くしてしまっては、家族も社会もバラバラになってしまい、孤独の中で寂しい思いを抱えて暮らすことになりかねません。うちで食事してもらうことで、そうした社会からの「孤立感」「孤独感」で悩むことから、ちょっとでいいので、楽になってもらえたら嬉しいな、と思ってます。そのための新戦力になれば・・・

おっ、それが聞きたかった!何か、新しいアイディアがあるんですね!

(続く)

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