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岡崎市の飲食店「魚信」さんをマーケティングで盛り上げる!経営奮闘物語〜その1。

 これはコロナで3月4月そして5月と売上減少に悩む愛知県岡崎市の和食屋「魚信」さんのリアルな奮闘物語です。西田社長と毎週zoomで会議して挽回までの道のりを描きます。

描く、といっても、実際のところ、この3月4月と凹んだ売上は本日5月19日現在、残念ながらまだ苦戦中です。長年の友人である西田社長に何ができるのかを考えた結果、「マーケティングでV字回復できるよ!」「いや、新しい地平線を目指そう」と言って2人して盛り上がったものの、日々の現実に打ちのめされ、試行錯誤しながら、リアルタイムで歩んでいるところです。

 今回、西田さんに了解をもらい、毎週zoom会議しながら決めたことや実践、企画などをそのまま公開してみよう、ということになりました。そして、それぞれおかれている状況は違うものの、同じくコロナでお困りなっておられる全国の飲食店や経営者の皆様方のお役に立てれば嬉しいです。

とはいえ、全てこれからです。挽回への道すじも目処も立っておりません。まずはそこ決めないとね(笑)、まあ、ストロングスタイルでやってくんだけどね。さあ、元気出していきましょう。

岡崎市の魚信さんって何よ?

 上記HPにあるように、魚信さんは創業53年、岡崎市にある法事、お祝い膳、宴会を主にした魚料理が自慢の和食レストラン。昨年エビフライ屋さん「うおのぶ食堂」を立ち上げた息子さんも市民の皆様に愛され、順調に本店の方も進んでおりました。「これは過去最高の2月になるんじゃないの?」と、西田さんは期待と手応えを感じていました。この調子でいくと、130%超えるんじゃない?

そんなワクワク感が、わずか数日で暗転。

 愛知県で新型コロナ感染者が20名くらいまで進んだ2月23日くらいからぽつぽつ増えてきた宴会予約のキャンセルが、2月29日、安倍首相の休校要請記者会見の後から一気にどどドドドおおおおっと。企業の宴会、卒業式関係の食事会、年度末のご苦労さん会、法事など、3月後半に実施予定のご予約はキャンセル電話が続きます。電話を取ればキャンセルキャンセルで電話が怖くなるほどでした。

 すっかり予約がなくなった3月中旬、4月も5月も予約は消えました。予約あってのお店が、予約がない。こんなことは長年やってきた西田さんにとっても初めての出来事です。一体どうしたらいいか、と混乱の中、西田さんが最初に決めたことは、従業員のことでした。

【社員を守り、顧客を守り、会社を守る】

 西田さんが最初に行なったことは「従業員の雇用と生活を守る」ということでした。西田さんは過去の経験から、会社にとって、お店にとって1番大切なのは従業員だ、と気づいていました。店のガワがぶっ壊れても、従業員さえ残っていてくれたら、また始められる、と思ったそうです。

 そこで、社員さん、パートさん、アルバイトさん全員に宣言しました。会社の預金通帳を出して、「この金額と雇用助成金は手つけない。生活は守るからこれからも安心して働いてください。しばらくは営業時間も要請によって変動しそうですから、フルで勤務とかは難しくなるかもしれないけど、協力お願いします」と発表しました。これで「これから私たちどうなっちゃうの?」と、何かふわふわしてた従業員たちの足が地につくと言うか、締まった、というか。

 会社の雰囲気が「これからどうなっちゃうの?」から「よし、みんなで乗り越えよう」に変わりました。

 続いて取り組んだのは資金繰り。顧問の税理士さんに相談して、国金、地銀、信金へセーフティーネット融資はじめ雇用維持など必要な追加融資を申し込み、資金の確保に走りました。商工会議所からも助言を受けて、支払猶予措置で出金を遅らせられるところは協力してもらえるようにして、仕入代金や諸経費支払い確保。もちろん雇用維持の補償金関係についても申し込みだけは済ませました。

【一丸となって乗り越えよう】

 社長によれば、2月まで比較的好調で来ていたから、3月からの雪崩を打ったようなキャンセルが精神的にきつかったそうです。目に見えない、未知のウィルスで不安が広がると、誰もが疑心暗鬼となり、イライラします。商売がうまくいっていれば安心できますが、キャンセルによって生まれた空き時間が、また疑心暗鬼を生みます。日頃ならなんともない些細なことが気になります。ついつい乱暴な言葉遣いになってしまったり、不安定な精神状態でトラブルが生じます。

 全体売上の3分の1を占めていた夜の宴会がすっかり無くなりましたので、売上急落です。コストは変わらないから、当然赤字に。夜の営業も8時までには閉店しなくてはならないため、営業時間を延ばして少し遅めの夕食客を取り込む施策は打てません。夕食ダメなら朝食では?確かにそれもありかも。などなどアイディアが次から次へと湧いてきますが、収集つきません。一足先にロックダウンになった米国のレストラン情報などを調べると、テーブルで食事が禁止され、テイクアウト、デリバリー(出前)、ドライブスルーにシフトしていることがわかりました。また、地元でもマックやKFCは混んでる、人気らしい、という噂。わかっていることは試算表作らなくても昼間のランチ営業ではもたないことがわかり、危機感を持ちました。

 こうなると小手先の販促は効きません。「まずはできる事を」と手近でできる事をリストアップして即実行。「採算を考える前に、お客さんが喜ぶ事を、で動く」。それが「魚信イズム」です。

 実践してきたことは目立ったところをピックアップしてみただけで、なんと3月・4月・GW・母の日と40日間に10件以上も実行していました。毎週1つは何かしら立ち上げているという怒濤の実践力です。以下実践の一部をご紹介しましょう。

1、ボーナス付食事券をメール登録者の方々に配信して販売。

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2、2月26日から仕出、ランチ弁当のテイクアウト、デリバリーを開始。

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3、base で、食事券やデザートプリンのオンライン通販も始めました。

4、急遽決まった臨時休校の生徒さんたちを応援しようと「臨時休校支援弁当」で支援。3月3日から3月末まで実施しなんと1000食達成。

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5、3月23日、地元のお団子屋さん、お花屋さん、お酒屋さんと「自宅で花見セット」を企画し、地元紙にてPR。

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6、4月5日から「デザートプリン」をオンライン通販スタート

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7、4月19日の日曜日から毎週末に「おさかな広場」として店頭で、取引先の漁師さん卸さんの新鮮魚介類や農家さんのトマト、グレープフルーツなどの販売協力。伊勢海老二千円など破格のサービス。

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8、4月24日夜8時半から女将さんによるFacebookライブがスタート。母の日までほぼ毎日、1日の動向をお客様や友人たちに報告配信スタート。

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9、いろんなご縁で繋がって、GWの5月3日〜6日まで岡崎市中央総合公園で「岡崎ドライブテイクアウト」に参加。連日持ち込んだ特製弁当は完売し、イベントも大成功。市民の方々とのご縁が深まりました。

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10、巣篭もりのGWを楽しく!と「GWおせち」「母の日おせち重」販売。こちらも好調に注文が入りました。

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11、3月のお花見オードブルの成功から、第二弾として、5月の節句オードブル。菖蒲と桜餅をセットした予約セットを商工会議所さんの協力で実施。

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12、アルコール除菌、オゾン除菌など従業員とお客様の安全を守るガイドライン重視のオペレーションに変更

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など、細かい改善入れたら数限りないそうです。他がマゴマゴしているうちに、実践あるのみとばかりに馬力でやり切っちゃうのが魚信さん流。ブログ記事書いてるくらいのスピードでどんどんやり進めていきます。なぜそんなにエネルギッシュにやれるのか。

「店は短縮営業で、夜はできないけど、自分もうちの従業員スタッフにも幸いなことに誰もコロナに罹患していない。ありがたいこと。キャンセルがツラいのは僕らだけじゃない。お客さんだって楽しみにして待っていた。みんなつらい、苦しいこういう時だからこそ一緒に助け合おう」と、取引先の肉や魚を紹介したり、お弁当もいつもよりも価格帯を下げ感謝の値下げを敢行して、普段よりもお値打ちに仕出し弁当や休校でなどを提供しました。

 予約がすっかりなくなった3月4月でしたが、このように様々な取り組みの結果、3月は前年比50%減、4月は他社が7割〜9割減と大きくダウンしていたところ65%減で留まったそうです。今月も例年なら、大いにかき入れ時だったGWも母の日が終了。この厳しいところで、5月14日緊急事態宣言解除、というのがここまでの現状です。

ということで、緊急事態のコロナが終わって、さあ、これから魚信の和食道を、未来をどう創るか?がテーマでございます。

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短期的な改善より長期的な成長へ。「100年に1度の不況」に慌てることはない。どっしり構えて、次の100年をこの2020年から作るんや、と言う気概で、

過去の歴史を検証し、今の「なんで今こうなってんやろ」を知る。

逆風の「コロナショック」をきっかけに、プラスにしてる会社さんもあるのです。「お客さんにとって、社員さんにとって、地域の皆さんにとって、どうしていったら良いのかな」、そんな議論をオーナーさんとしながら進めていきます。良かったら、この先が見えない旅をご一緒にどうぞ。「いいね」やフォローお願いします。

旅の続きは下になっとります。

#岡崎市 #和食店 #魚信 #飲食店経営



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