【古代中国の好きな話】管仲と鮑叔の最強のパートナーシップ
中国の歴史を調べていると、とても魅力的な人物に巡り合うことがある。
古代中国にいた、管仲(かんちゅう)と鮑叔(ほうしゅく)という2人も、とても魅力に溢れた人物だ。
1. 2人が生きた時代は紀元前600年
管仲と鮑叔の2人が生きた時代は、紀元前600年ごろの中国とされる。
(漫画キングダムの時代より400年ほど昔)
当時の中国は、周王朝の衰退と共に、各国の主導権争いが激化し始めた時代だった。
そんな時代の中で、現在の山東省に位置する「斉(せい)」という国に、桓公(かんこう)という王が登場する。
この桓公は、今回の主人公である管仲と鮑叔を登用し、「斉」を周王朝に代わるの最初のリーダーに押し上げた人物だ。
桓公のもとで、管仲と鮑叔、特に管仲が伝説的な活躍をみせている。
2. 強い絆で結ばれた管仲と鮑叔
この管仲と鮑叔の2人は、若い頃から、親友としてお互いの才能を認め合う仲だった。
その信頼の強さは、後世に、次のような言葉が残されるほどだったという。
この強い信頼関係は、管仲と鮑叔にとってかけがえないものであり、「斉」の国が躍進する原動力にもなった。
3. 管仲が活躍するきっかけを作った鮑叔
2人の信頼関係が歴史を動かす原動力になった例として、
次のような話が残されている。
若い頃、仲のよかった管仲と鮑叔は、
大人になると「斉」で別々の主人に仕えた。
1人は公子糾、もう1人は公子小白だ。
(公子小白は後の桓公)
2人は「斉」の王の弟たちであり、兄の後継ぎを争うライバル同士だ。
そんな関係の中で、管仲は公子糾に、鮑叔は公子小白に仕えていた。
公子糾と公子小白の緊張関係は「斉」の王である兄が暗殺されたことで、戦争にまで発展する。
戦争の結果、鮑叔の仕えた公子小白が勝利をおさめ、公子糾を殺害、公子糾に仕えていた管仲も死刑寸前の状況となった。
そんな折、鮑叔は主君の公子小白に向かって、次のように提案する。
「自分は国家を治める器ではない、国家を治める器があるのは管仲だ。」と語る鮑叔。
鮑叔の言葉を聞いた公子小白は、管仲の罪を許し、管仲を中心として「斉」の国家運営を決断する。
管仲は、公子小白改め桓公の期待に大きく応え、鮑叔と共に「斉」を大きく躍進させる原動力となった。管仲の伝説は、現在も多数残されており、桓公が周王朝に代わるリーダーになるために、欠かせない人物となる。
この話は、管仲と鮑叔、お互いの信頼関係と人物評価の確かさが垣間見える、非常に興味深い話だ。
信頼できる人を、最適なポストで活躍させることの重要性を強く感じるエピソードでもある。
<参考文献>
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