「効果的な研修」ってなんだろう?組織課題から設計してみよう![イベント開催レポート]
こんにちは。DONGURIにてデザインシンキング・コンサルをやっています、矢口泰介(@yatomiccafe)です。
去る8月28日に、「人事ごった煮会」のアンバサダー企画枠にて、「本当に効果的な研修ってなんだろう?」をテーマとして、イベントを開催しました。
人事ごった煮会とは?アンバサダー企画とは?についてはこちらのnoteをご覧ください
今回も、開催した私たちにとっても非常に学びの多い場となりましたので、レポートしたいと思います。
今回のテーマの開催の動機
今回の企画は、「20代からのリーダーシップ開発」を掲げて、各社の課題に応じた研修を設計し行っている、株式会社シェイクさんと共同で開催しました。
DONGURIでは、企業ブランディング、事業開発、マーケティング企画など、様々なお引き合いをいただいていますが、話を伺い、リサーチを進めていくと、採用課題、マネジメント層の不足、意思決定プロセスの不在などの「組織課題」に行き着く、というケースがあります。
もちろん、各社さまとも、「組織課題」を放置しているわけではなく、様々なアプローチを試みてはいるものの、なかなか解決に向かわない、という閉塞感を抱いている場合が多いです。
そのなかで「研修」は組織課題に対する有効な打ち手の一つであるはずですが、単に惰性で行っているものになってしまっているケースが多いのでは?と問題意識を持ったことが、今回の企画を立てた大きな理由です。
そこで、あらためて「組織課題から研修を設計する」という基本を考えてみたいと思いました。
シェイクさまLT:「効果的な研修設計のポイント」
まず、シェイク社の新居さんから「効果的な研修設計のポイント」をテーマに、ライトニングトークをしていただきました。
新居さんからは、「あなたの会社にとって、研修を行う目的とはなんですか?」「個人や組織が変わった先に、何が実現されますか?」など、本質的な問いかけを含めながら、
1.「研修を行う目的」を問い、目的から逆算して考える
2.組織のあるべき姿と現状のギャップ(=課題)を洗い出す
3.組織課題に対し、本質的な打ち手は何か?を考える
4.なぜやるか?誰に対して行うか?など必要な計画を立てる
5.研修成果も含めてPDCAを回す
など、研修を構造的に設計していくポイントをお話しいただきました。
DONGURIワークショップ:「組織課題から研修を設計してみよう」
つづいて、DONGURIにバトンタッチし、「実際に研修を企画してみる」ワークショップを行いました。
今回のワークショップの目的は、大きく2つありました。
1. 組織課題の本質的な原因を考える
2. 「打ち手」としての研修を設計する
というものです。
組織課題を洗い出してみる
今回のイベントテーマである「効果的な研修」を考えるにあたり、その第一歩として「組織課題の洗い出し」を行いました。
ひとことで「組織課題」といっても、どの視点で考えるかで、切り取り方が違ってきます。そこで、組織課題を洗い出すための2つのワークを行いました。
1. 「課題想起カード」で、様々な立場で課題を考えてみる
2. 「ウルリッチの4象限」を使って組織課題を書き出してみる
1.のワークでは、視点を変えて「課題想起カード」の質問に答えていくことで、組織課題を立体的に考える土壌を作り、課題の洗い出しのための準備を行います。
(本ワークは、自社内で組織課題を洗い出す際にも使えると思いますので、次のエントリーで細かい内容を紹介したいと思います)
2.「課題の洗い出し」にあたっては、シェイクの新居さんのLTでも紹介されていた「ウルリッチの4象限」を使用しました。
この4象限は、人事部がどのように組織に関わっていくかを表した図ですが、組織の進むべき方向に対して、現状つまずいているポイントを洗い出すのにも使えると考えました。
この4象限をとっかかりに組織課題を書き出し、書き出した組織課題を、グループで共有しながら分類していきます。
参加者の属する組織の規模や、フェーズ等で課題感に違いはありましたが、共通しているところもあったり、他社の課題を聞いて、自社にも当てはまるかも?と連想していただいたり、ワークを通じて、様々に気づきを得ていただけたようです。
課題の本質を考え、研修企画に落とし込む
課題の洗い出し後に、「研修企画」を行っていただきます。今回は簡易体験ということで、こんな企画シートを用意しました。
新居さんのLTでもお話いただいたとおり、研修企画においては、目的やゴール、対象者などをしっかりと設計することが重要です。
例えば「若手層に対するキャリアプランが提示できていない」という課題があったとしても、そのまま若手層に対して研修を行うのが本質的か、というと、そういうわけではありません。
・そもそも管理職のマネジメントが適切なのかどうか
・キャリアプランは適切に提示されているのか
・実は若手の閉塞感には別の理由があるのでは?
など、課題への打ち手として研修を企画する際には「その課題の本質はなにか?」を追求する必要が生じます。
今回は極めて短時間ではありましたが、出てきた課題に対して、深い議論が行なわれたのではないかと思います。
最後に、企画した研修を各グループに発表していただき、さらにシェイクの新居さんによる企画講評で、さらに深堀りを行う問いかけをもらうなど、議論が深められました。
終わりに
人事の皆様におかれては、限られたリソースのなかで、多くの課題に向き合っておられると思います。
今回は「組織課題」に対するアプローチとしての「研修」を取り上げてみましたが、多忙な毎日を過ごしていると、なかなか深い議論をする時間が取れなかったり、あるいは、自社課題であるために、逆に見えづらかったり、ということもあると思います。
そういう意味で、今回、様々な会社さんが集まり、課題を洗い出したことで、自社課題を客観的に考える機会にもなったのでは、と感じました。
あらためて、共同開催に協力いただいたシェイクさん、運営として協力いただいた人事ごった煮会主催の三浦さん、会場を提供いただいた株式会社タンバリンさん、そして、平日の夜にも関わらず、お集まりいただいた皆様、ありがとうございました!
次回のエントリーでは、今回行った「組織課題洗い出しワーク」の紹介をしてみたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
DONGURIでは、今回のワークを自社でもやってみたい、「組織課題のリサーチ」をしてほしい、などの相談にも応えております★