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母に代わって試着する

服を買う前に、必ず試着する派と必ずしも試着しない派がいると思う。

私は横着者なので、フリーサイズの服やサイズ感がわかっているお店のものは試着をスルーしてしまう。
服の着脱と、店員さんとのやりとり(試着室へ案内される、試着してみた感想を述べるなど)がめんどくさいのだ。


✳︎
大学生の頃は、私が大学に行っている間、母が私の好きそうな服を代わりに試着して買ってくれることがよくあった。
私はベーシックなものを着ることが多く、あまり年齢を選ばない服装をしていると思う。
ただ当然ながら一部は、フリルがついていたりシースルーだったりして、母にとっては若めのデザインだったりする。
そうすると恥ずかしいらしく、
「いや、娘用にね。サイズが一緒だから…..」
というセリフとともに、試着をお願いしていたらしい。
聞かれてもいないのに…。
母よ、ありがとう。


私と母は身長も体重も同じくらい。
体型が似ているので、私の代わりに試着してくれればサイズ感で失敗!ということはまずない。
気に入った服はシェアしたり、お下がりでもらったりすることもある。


✳︎
もうすぐ母の誕生日がやってくる。
いつもは雑貨やアクセサリーを贈るのだけれど、この前ウィンドウショッピングをしていて、
「あ!母に似合いそう!」と思う服を見つけた。

前より若干後ろの丈が長くなっている、綿素材の白いカットソーだ。
両肩の部分に3箇所結ぶ紐がついていて、そこで肩口をきゅっと絞れる、珍しいデザインをしている。
ノースリーブで腕から脇にかけて、がばっと開いているので、風が通って涼しいのもポイントだ。(←今年の暑さには、これが重要)


服をプレゼントするのは、これが初めてだ。
母の好みは長年一緒に出かけているから把握している。
デザインはたぶん気に入る。
色は白だし、大丈夫だろう。

問題はサイズ感…タグにはフリーサイズとある。
フリーサイズって1番難しくて。
だって表記としては、一般的な体型なら誰が着てもOK!ってことでしょ?
うーん。


服を見る、自分の体を見る、服を見る…….わからぬ。

やむを得ない!と腹を括り、店員さんに声をかけた。
いざ試着室へ。
母の代わりに試着するのも人生初である。


履き物を脱いでフェイスカバーをつけて、ごそごそと袖を通す。

実際着てみて、肝心のサイズ感はキツすぎずゆるすぎず、ちょうどいい感じ。
本人に黙ってこっそり買うシチュエーションだと、体型がそっくりなのは便利だなと気づく。

まだまだ猛暑は続くことだし...これは合格!と即決し服を片手に、いそいそとレジへ向かった。


✳︎
誕生日まであともう少しだ。
初めての洋服のプレゼント。
喜んでくれるといいな、と思いつつ今は自宅のクローゼットに寝かせてある。
今度実家に帰って渡すのが楽しみだ。
だが同時に不安もあり、今までの誕生日以上にそわそわしている。


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追記
買ってから、肩紐を結んだり首の後ろのボタンを留めたりと、脱ぎ着するときの難易度が高いのでは?という危惧がむくむくと生まれてきた。
母は体が硬いのだ。
そのときは私が責任を持って大事に着ようと思う。
洋服選びって難しいね。

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