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ブラック企業と真冬の決死行【絶望日記17】

こんばんは、とばりです。
先日、一社目のブラック企業について記事を書きました。その続きのようなものです。

お金が無さすぎて、私が死を覚悟した日がありました。その時の心境や行動を綴っております。
あれは10年ほど前の、ちょうど今くらいの時期だったなぁ…。

【全2,097文字】



【当時の状況】

・当時手取り13万円(交通費込み)。
・毎日4時間以上の残業。
・通勤は地下鉄と徒歩。片道1時間。
・距離としては福岡市地下鉄の西の終点(姪浜)から東の果て(箱崎)を往復。ほぼ端から端。
・奨学金の支払いが毎月2.3万円。
・親の借金の支払いが毎月1万円。
・妹の施設に毎月2万円振込。
・家賃4万円のボロいコーポ。セキュリティなんてものはない。
・1日1食。昼にやってくる弁当屋さんのお弁当が食べられれば御の字。
・しかしこの時は1日に食パン2枚しか食べれなかった。
・電気とかが4ヶ月に1回くらいのペースで止まっていた。


好きなことはできなかった。毎日お腹が空いていた。オタクでいることがとにかく辛かった。欲しいものはたくさんあるのに、どれも買うわけにはいかないのです。だからオタク系の情報を視界に入れないようにしていました。
その一方で重複障害者の妹は毎日三食食べて、お小遣いももらっていました。妹は家庭崩壊の一番の被害者だ。何も悪くない。仕方のないこと。だけど、それでも恨まずにはいられなかった。
毎日、駅に着いて思うのです。明日、来週、同じ時間にここに立っているだろうか、と。家の近くのホームレスを見て思うのです。明日は我が身だと。
屋根と壁があるだけありがたいと思いました。

ある時、本当にお金がなくて帰りの電車代が足りませんでした。
給料日まであと3日あります。元々夜型で、残業時間も長いことから、朝だけは電車じゃないと無理だなと判断した私は、歩いて帰ることにしました。簡単に言いましたが、とんでもない話です。先に述べた通り、会社と家は福岡市の地下鉄ベースで言えばほぼ端から端です。
しかもその日は猛吹雪。残しておいた食パンのラス1を齧りながら、これは途中で行き倒れるかもしれないと覚悟しました。でも、他に手がありませんでした。
死んだらそれまで。やれることはやった。警察の人、発見する人、迷惑をかけてごめんなさい。
心の中でそう謝って、激烈的方向音痴にも関わらず、私は夜の吹雪の中に飛び込みました。

家出の経験がある方はきっと共感してくださると思うのですが、人間は心細いと自然と明かりを求めて彷徨うんですよね。私も明るい道を歩きました。
大きな道を通ると自ずと地下鉄の駅を通過するので、それを目印に歩き続けました。おかげさまで福岡市の地下鉄を大体覚えました。

マキシマムザホルモンの曲をベースで弾いてみたを爆音で聴きながら歩きました。すると、意外と歩けるものでして。代謝もいいので、寒くもないのです。
しかもなぜかアイデアがたくさん湧いてくる。次の企画はこうしよう、とか、いつかこれに挑戦しよう、とか。とにかくポジティブになれたんです。すごい!天才!!私の未来は明るいぞぉ〜!!!


……今思えば、ただの「躁」でした。


4.5時間ほどかけ、深夜の2時過ぎに帰宅。即寝てすぐ起きてまた出社。次の日も同じような感じで、食パン片手に雪の中を歩いて帰りました。

3日目。お世話になっている先輩にご飯に誘われました。
すごく迷いましたが、頼らないのも失礼では?と思い、お言葉に甘えることに。お金が本当に100円もなかったので、大変申し訳ないけれど定食を奢ってもらいました(相手はかなり歳上の、個人に2億の案件が来るほどの天才エンジニア)(なんでこんなすごい人と定食食ってるんだ?と思った)。

美味しかったです。久しぶりにお腹いっぱい好きなものを食べられました。
さて帰ろう、と思った矢先です。



「とばりさん!駅まで送りますよ!」



な、なにぃ〜!?私は今から歩いて帰るつもりなのに…!!
内心滝汗をかく私。なんとか煙に巻こうとするものの、何故かこういう時に限って食い下がってくる先輩。いや、多分なんか勘付いていたのでしょう。
色々誤魔化してみたのですが、誤魔化せば誤魔化すほど怪しくなり、ついに歩いて帰ろうとしていることを白状。おったまげる先輩。
なんとか見逃してもらうために「いやでも意外といけますし、歩いてるとなんか色々アイデアも浮かんで結構いいんですよ!!」と説得を試みましたが……。


「とばりさん!流石にそれは馬鹿っすよ!!」


一撃で論破されるワイwww草生やすしかないwww むしろここまで言わせてしまって申し訳ないwww
呆れつつも先輩が帰りの電車代を出してくれました…申し訳ないの極みである。

こうして私の暴走は止められたのでした。




人間、意外と死にませんね。いいのか悪いのか、わかりません。
あの時私は確かに死を覚悟していた。生を完全に諦められていました。そのまま死ねた方が幸せだったのではないかと、今でも思うのです。


今日も「絶望日記」を読んでくださり、ありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。では。

※もし誤字脱字などがありましたら、教えていただけますと幸いです。

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夜乃とばり
まさか…チップを送ろうとされている…? いいんですか?本当に?