グラレコ読書のススメ: 読む+描く+書く
2019年、何に関心があったか自分のnoteの記事を振り返ってみると、おおきく5つに分類できました。いくつかはtwitterなどで取り上げていただき多くの人に見てもらった記事もあり、ありがたいことです。
前半では今年の振り返りをして、後半ではグラレコ読書の効能と実践のためのポイントをご紹介します。
関心1. デザイン思考への批判(否定ではなく)
・デザイン思考を反対側から見て気づいたこと:突破するデザイン
・デザイナーと社会学者では異なる探索のアプローチ :How to design the purposeful business with humanity?
関心2.デザインリサーチやUXの考察
・『風が吹けば桶屋が儲かる』リサーチスキルのこと:情報の強者
・結局、ペルソナは役に立つのか?:いくつかの本と最近の事例から考察
・B.I.G、知ってる?(都市設計や建築とデザインリサーチ全3回)
・ユーザーインタビュー10の心得:やさしくできる傾聴 と 「聞く」技術 を参考に
関心3.内→外の視点(個人から組織文化まで)
・ 内→外ブランディング戦略のPURPOSE: Harvard Business Review 2019.03
・あこがれの存在から身内の関係に変わったブランディング戦略:ファンベース
・まわり道しないと自分ごと化できない:直感と理論をつなぐ思考法
関心4.デザインの文脈でビジネスを(無理やり)理解
・僕でもわかる決算書・実践編(後半):決算書が読めない社員はいらない
・デザイナーがマーケティングを勉強した方がいい理由(ペルソナを題材に):実践顧客起点マーケティング
関心5.色んな業界からUXやストラテジーを学ぶ
・インドのビジネスモデル図解まとめ6個(ビジネス図解研究所での執筆)
・アジアのUX(リテールテイメント・モビリティと情報・人があつまる空間・共感とビジネスの間・旅のライフハック)
・プロレスはUXの最高の教科書だ(経営編・選手編・分析編)
・任天堂のUX研究(人物編・ゲーム機編・ゲームソフト編)
見事にバラバラだけど、1年でこれだけ幅広く興味を持てたのは、いい学びができたことだと思ってます。
【読む+描く+書く】 の効能
僕がこの読書+メモ(グラレコ)のスタイルを思いついたのは3年くらい前ですが、これを始めて記事にまとめるようになってから、読書の理解度は大きく変わりました。
なぜ読むだけでなくメモに描いて記事に書くのか、自分はこう考えます。
・読む(読書):新しい視点や知識を得る = INPUT
・描く(メモ):自分の記憶や理解を定着させる = PROCESSING
・書く(文書):自分なりの考察を人に伝える = OUTPUT
INPUT→PROCESSING→OUTPUT、とは情報処理システムの考えで、例えば第二言語を学ぶときもそうだし、コンピューターの動きもこれにあてはめられることができます。
読むだけではINPUTの「知ってる」の範囲にとどまってしまいます。でも勉強でも仕事でも大事なことは、それを人にわかりやすく伝えたり、実践して使えることで、読書の目的も同じだと思っています。
僕もINPUTだけのときは、読んで何となくわかったような気になっていたけど、その知識を何かに活かせた実感はあまりありませんでした。
描いて書くことで、知識を自分の外に出せるようになります。その本のポイントを要約して人にわかりやすく伝えられるようになったり、仕事をしているうえで「あの本の考えを応用することができる」といったつながりができるようになります。
例えば、振り返りの記事にある『ドラクエから決算書を読み解く』とか『プロレスからUXを学ぶ』とかは、読んだだけでは得られることは少ないけど、描いたり書いて整理することで、自分のテーマであるデザインストラテジーにつなげて学べました。
行ったり来たりで 【読む+描く+書く】
読む+描く+書く を実践するうえでポイントがいくつかあるので、僕が意識していることをまとめます。
本は、短く何回も『読む』ことをオススメします。僕は一冊を30~60分で読み切ります。厚い難しめな本でも同じです。始めからちゃんと読もうとすると途中で集中力が切れるので、途中や後半は頭に入りません。それよりも1回目で全体を捉えて、2回3回と重ねていくことでだんだんと解像度を上げていく方が理解が深まります。(小説は対象外です)
そして、僕は1回読んだ後にとりあえず『描く』をします。1枚のキャンバスに全体像をまとめてみます。描いてみると自分が理解できていないことに気付くので、そこでもう一度、本を読み返します。読むだけを何回も繰り返すより『描く』をはさんだ方が理解が格段に深まります。ちなみに上手く描くより、自分の理解が整理できることのほうが大事です。
でも描いてもまとまらないこともあります。そんなときは『書く』で要点を絞り込むことを意識してみます。「この本を人に1分で伝えるとしたら、自分なりの主題は何で、学んだことは何か?」ということが整理できると、描けるようになるし、読むための観点も見えてきます。
多くの場合は、読む→描く→書く ですが、順番は気にせずに3つを行き来することが理想だと思います。このぐちゃぐちゃした過程を経ると本の理解や考察も深まるはずです。
興味ありましたら、ぜひ一度チャレンジしてみてください。案ずるより産むが易しで、目と同じくらい手と頭を動かすことがコツです。