ぼくのみえるせかい
この記事は色弱の見え方に関する内容になっています。
※記事で表現されている色覚シュミレーションには、色弱者の感じ方を説明するもので、実際に見えている世界を再現したものではありません。
本作ではP型・D型の見え方を再現しています。色の見え方には個人差があります。
"ぼくはみんなと見える色がちがうんだ。"
ぼくのみえるせかいの色は、みんなとは違う。
色弱のこと、知っていますか?
「ぼくは赤と緑がくすんで見えるんだ」
実際のぼくの見え方の体験
赤と緑の野菜などは同じ色に見えることがあるんだよ。
「ママがパプリカを取ってだって。」
「う〜ん、どれかわからないよ。」
お肉は焼けているのかわからないときがあるよ。
「お肉は焼けているの?」
「これは焼けているよ」
イラストや風景画を描くと色が独特な色使いになることもあります。
「似顔絵を描いたよ。」
「私の顔はそんな色に見えるんだね。」
ぼくと同じように見えるひとは、男の子は20人にひとり、女の子は500人にひとりだよ。
たくさんいるんだね。特に男性の割合が多いんだね。
デザインを工夫すると僕にも見えることができるんた。
「いってきま〜す」信号機は色じゃなくて光っている形のデザインで見分けるよ。
トイレは色じゃなくて書いてある文字や男女のマークの形で見分けるよ。
カレンダーの祝日をもっと見えやすくするにはにはどうしたらいいのかな?
日曜日や祝日を「朱色」にすると見分けやすくなるんだ。
地図や教科書にある図で色分けされているものを、見分けやすくするにはどうしたらいいのかな?
柄をつけたり、明るさを変えたり、表の中に文字を入れるとわかりやすくなるよ。
色はどこで感じているでしょうか。
太陽などの光が印刷物などにあったて反射したり浸透した光は眼に入ります。眼に入った光は、網膜、視神経を経て脳に送られます。このような仕組みで私たちは色を見ることができます。
色覚の仕組みと呼び方
人間の3つの錐体の分光特性
L錐体(赤錐体)のオプシン黄色〜赤の光を主に感じる
M錐体(緑錐体)のオプシン緑〜黄緑の光を主に感じる
S錐体(赤錐体)のオプシン紫〜青の光を主に感じる
見え方の違いと説明
C型
C型3種類の錐体がすべて揃っている人がC型(一般型)の色覚で、日本人男性の約95%、女性の99%以上を占めます。
T型
青い光を主に感じるS錐体が無い人はT型(Tritanope)です。
A型
3種の錐体のうち1種類しか持たない人や、錐体が全く無く杆体しか持たない人はA型で、色を明暗でしか感じることができません。これはどちらも十万人に1人以下の割合です。P型とD型は遺伝子がX染色体にあるので、男性では率が高く女性では数百人に1人ですが、T型とA型には男女の差はありません。
P型
P型色覚(Protanope)には、3種の錐体のうち赤い光を主に感じるL錐体が無い人(P型強度)と、L錐体の分光感度がずれてM錐体と似通ってしまっている人(P型弱度)がいます。P型強度の人は右図のようにC型との見え方の差が大きく、P型弱度の人はC型との中間になります。
D型
同様にD型色覚(Deuteranope)には、緑の光を主に感じるM錐体が無い人(D型強度)と、M錐体の分光感度がずれてL錐体と似通ってしまった人(D型弱度)がいます。色弱者のほとんどはこの4タイプ(P型強度・P型弱度・D型強度・D型弱度)で、合計で男性のほぼ5%を占めます。(欧米では男性 の8~10 %、アフリカでは2~4%です。)
最後に
色の見え方は人それぞれです。デザイナーの優しい工夫でみんなが見やすい世界が広がります!この記事を読んでいただいたデザイナーの皆さんデザインをするときにぜひ色覚の心遣いをお願いします!時に男性がメインユーザーの場合は色弱者の割合が多いためカラーユニバーサルデザインを意識してみてください。
"もっと、ぼくたちが見やすいせかいが広がるといいな。"
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この記事はフルリモートデザインチームGoodpatch Anywhere Advent Calender 2023 15日目の記事です。
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