読書で叶える『我が生涯に一片の悔い無し』な生き方
基本的に私は自分に甘く、小さな嘘をついては自分が嫌になったり、後悔ばかりしながら生きている人間です。一片どころか毎日十片くらいの後悔を撒き散らしながら生きている感じなのですが、「死ぬほど読書」の著者 丹波宇一郎さんの生き様を著書で拝読すると、この方は「一片の悔いもなさそうだ!」と生き方に感銘を受けました。この記事で「なんかもっと正直に生きたい!」というモヤっとした感情をいただいている人のモヤがちょっとでも晴れると幸いです。
おすすめしたい人
なんとなく生き方に納得できていない人
なんとなくモヤモヤ生きている人
読書の大切さがよくわかっていない人
丹羽宇一郎さんの生き方
丹羽宇一郎さんは1998年に伊藤忠商事(株)の社長に就任すると、翌年4000億円の不良債権を一括処理し、さらに翌年の決算で史上最高益を計上し世間を瞠目させました。この文章だけをみると「雲の上の人か...」となるのですが、実際はもっと生々しい、人間の話でした。丹羽氏は隠蔽体質のある社員にこう言いました。「君たちは隠すな。世間に対しても隠してはいけない。そんなにあるの?と言われても出し切らないといけない。」すると、不良債権は予想の2倍に膨れたそう。さらに「本当にもう隠してないか?社長である私が最後の責任は取るから、出しなさい。」と。この念押しでさらに予想の3倍にまで不良債権は大きくなったそうです。丹羽氏は仕事でちょっとした嘘をついたことが原因で精神的に追い詰められたり、トラブルに発展することはいくらでもあると身をもって知っていました。隠蔽していた社員たちもどこかスッキリしない毎日を送りながら仕事をしていたことでしょう。このV字回復劇はモヤの晴れた社員たちが一片の悔いなしに仕事に打ち込めたからこそだと思います。
ここで三国時代、劉備が息子に語った言葉の和訳が紹介されています。
どんな小さな悪でも、それはしてはいけないし、どんな小さな善でも、それを実行する勇気を持ちなさい。こういう"些細なこと"はその人の"人となり"に滲み出るものです。リーダーであればそういうことで人の信頼を得られ、人を動かす力にもなります。
些細なことの積み重ねがその人を形作る。些細な行動は、些細な思考から。些細な思考を矯正していく治療薬の一つが読書です。
『死ぬほど読書』3つのポイント
教養を磨くもの
教養とは、「相手の立場で物事を考えられること」=共感力 と「自分が知らないということを知っている」=謙虚さ であり、これを磨くのが仕事・人・読書です。人の心を一本の刀とするなら、仕事を通して人の荒波に鍛錬された刀身を、読書で研磨し、ぶち当たる問題を捌けるようにするイメージでしょうか。読書は大海の広さを知り、多様な人間の思考回路をインストールするのに最適です。
(日本の官僚制度はどうも勉強ができる人だけが上に行って、肝心の教養・人間力に欠ける人が多い印象ですね。丹波さんに首相になってほしい。)
心のシワは読書で増える
読書と経験は心にシワを増やします。心にシワが多いほど、相手の心のシワを感じ取ることができます。一つでも二つでも、言葉が心に刻まれたら儲けもので、長い年月をかけて作ったシワは、より深い人生に導いてくれます。
KAY(空気をあえて読まない)
自分の考え・信念を確立し、育てていく。大切なのはその場の空気に迎合することではなく、自らの良心に従い勇気を持って行動すること。「妬み、憎しみ、怒り、利己心、自暴自棄、暴力的衝動」といった動物の血を抑えるのは人間の理性であり、コントロールには読書で心に栄養を与えることが必要です。
余談
「一次情報の大切さ」についても丹羽氏は話しています。大豆の不作を有名紙で報じていて信じたら大損を食らい、その後は懸念があれば必ず現地に行き確認したとういうことです。別記事「年収1億円の思考回路とは」で書かせていただいた内容にも正確な情報の大切さが書かれていて、知識人の共通項だと感じました。
今日からできるアクション
自分の心に正直に!
「些細な嘘」ついてませんか?...私は図星です。「今家出ました!急ぎます!」と言って実はまだ家でワタワタしてたり。笑 「この仕事もうできてる?」「もう8割方できてます!」と言って実はまだ手をつけたばかりだったり。本当些細だしそれで到着時間や完了時間が早くなるわけでもないのに。心は少しだけ、もやもや。「ちょっと見せて?」と言われたらどうしよう?なんて。
自分の心に正直に、というと「当たり前だ」となるのですが、実はできてない人も多いのではないでしょうか。些細な言動ややり取りに心のワダカマリを残さないこと。積もり積もる後悔が0なら、人生の最後に積もった後悔も0ですから!