【映画感想】幸せになれなかったジョーカー
「ジョーカー・フォリ・ア・ドゥ」を観てきました。
観る前に想像していたのは、ジョーカーに狂信する女性との出会いを機に閉塞した社会にジョーカー旋風をさらに巻き起こす展開。ジョーカーチルドレンが増殖する世界を思い描いていました。
実際は、恋する❤ジョーカーの物語。人並みの幸せを夢見る普通の男だったアーサー・フレック。意外な展開でした。
自分自身と世間が作り出した偶像が独り歩きする世界。ジョーカーに感化され寄り添うリー(レディ・ガガ)をはじめ、彼に熱狂する人々はアーサーが一人の男として生きることを許さなかった。。世間に祭り上げられることで自分の居場所を失う悲しい男の物語は、現実社会でパブリックイメージとのギャップに苦しむ著名人とも重なるところがあるのかもしれません。
アーサーは誰かに愛され愛したかった。運命的な出会いを感じたリーとは互いの心のすき間を埋め合う「共依存」の関係性。NHKのドラマ「Shrink」で中村倫也さん演じる主人公のヨワイ先生(精神科医)が、
と言うシーンがあります。アーサーとリーの関係性もまさにこれ。ただ、見ている方向が違っていた。アーサーにとっては本来の自分を取り戻すチャンスだったんですけどねー。他人に対する人間らしい感情が表れたのは良い兆候だったような気が。。
精神病棟の刑務所で看守たちに囲まれてアーサーが面会に向かうシーン。実際はグレーの傘を差しているのですが、雨降る中、天を仰ぐ彼の心理を表すためか4色のカラフルな傘で演出していました。このシーン、とても美しかったです。
ホアキン・フェニックスは、前回主演作「ボーはおそれている」での臆病な狂人の演技も素晴らしかったです。あの時のぽっちゃり体型から激痩せしていて前のジョーカーの時よりも骨ばっていたのには驚きました。
トップ画像・出典:https://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/
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