碩学の研究 ~序章~
パニック障害や強迫神経症もあるかもしれない。ただこうやって病名を増やして飲むクスリも増やしていくと更に精神病が悪化して引き返せなくなる、負のスパイラルに落ち込む。実際わたしはそういう患者を何人も知っている。徒にクスリを増やさない為には時には痩せ我慢も必要である。
精神医療自体、医学の進歩により単なる薬物療法、長期入院しかなかったのが変わりつつある。日本では東大病院が先行していた電気治療などが一般の大病院にも広まりつつあるという。
ここからは「碩学」の力なのですが、伊東亁はこの電気治療を情報学、テレパシーといった分野まで横断して電話線から電気を流す「遠隔電気治療」を発明した。わたしは実際に体験したが一般に普及すれば戦場の最前線だろうがあらゆる遠隔地で遠隔治療が可能となる。本当にノーベル賞級の発明なのだ。
伊東亁はここまでの人生でノーベル賞を3、4回受賞してもおかしくない。多数の偉大な研究を抱えている。彼が東大ですら疎まれる理由でもある。だが結局はすべての研究の集大成は「碩学の研究」に行き着く。これは弟子のわたしも同様である。人生の究極の目的は「碩学」なのだ。
ひとつのクリエイティブな発明発見があるとそれを幾つもの分野に横断応用することにより、乗数倍の効力結果を得られるのが「碩学」の大きな特長でもある。こういった碩学的傾向というのは左巻健男、茂木健一郎らにも見られるが彼らがどの程度意識しているかはわたしには分からない。
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