健康にこだわっている理由 その１
なぜ自分が"健康"というのにこだわっているか、今までお伝えしたかどうかわからないのでお話しします。
僕は以前スポーツクラブでフリーのトレーナーとして活動していました。
トレーナーになって初めてのお客様は今でも忘れません。
元々乳癌だったバイオリニストです。
指導を受ける時は癌の影響など特になく普通にトレーニングができてました。
指導を受けてくださった理由に、僕のトレーニング指導がかなり良かったとのことです。
お客様が背中のトレーニングをしている時に離れて見ていたら、少しフォームが間違っていたので正しいやり方を教えたら「こんなちょっとした事でこんなに効き方が違うんだ！ありがとうございます！」と驚かれていましたし感謝されました。
その後パーソナルトレーニングをお申し込みくださって指導させていただく事になりました。
バイオリンをやっているのは最初の時にお聞きしていたのですが、なんと"さだまさし"さんのコンサートで後ろで弾いていると聞き驚きましたね。
個人でバイオリンをやっているのではなく、団体に所属していました。
それから数ヶ月が経過した時、深妙な面持ちで
「佐藤さん……あの……癌が肺に転移しまして…」
と仰っていましたがご本人は至って冷静でした。
焦っていたのは僕の方で、見た目は落ち着いてましたが脈拍が早かったのは今でも覚えています。
癌が肺に転移する前はトレーニングはいつも「キツめでお願いします！」と言われていたのでキツめにしてましたが、流石に少しずつ負荷は軽くしていきました。
そして、その年の11下旬か12月上旬頃でしたがお客様が来店されていました。
当時そのスポーツクラブはワンフロアでジムエリアから受付が見えるようになっていて、お客様が来店されているのが見えたわけです。
僕は何か手続きしてるなぁ、と思っていてその手続きが終えてお客様は僕の方に来られました。
お客様が、
「ちょっと癌の影響で体が苦しくて退会する事に決めました。トレーニングは続けたいんですけどすみません。」
お客様の顔は顔面蒼白で、覇気がないというか弱々しい感じでした。
顔を見たら一瞬で"もうヤバいんだな"と感じるくらいです。
あの時の苦しそうな表情は今でも鮮明に覚えています。
その数週間後、お客様は亡くなられました。
お客様が亡くなられた事は、よく演奏などを見に行っていた他の方からお聞きしました。
「そうでしたか。……教えていただきありがとうございます。」
何か言葉を発したのは覚えていますが、何を言ったか覚えていないくらい放心状態でした。
そしてもう1人別なお客様の事です。
確か当時60代だったと思いますが、両方の股関節が人工股関節で運動に少し制限がありなおかつ高血圧のお客様です。
深くしゃがんだりすると人工股関節が外れてしまうのと、高血圧なので高負荷のトレーニングは危険性があるという事で細心の注意をはらいながら指導しなければなりません。
トレーニングの目的は、人工股関節になってから足が弱くなったのでお尻や太ももを鍛えることです。
いつも元気ハツラツでトレーニング以外にも、プールのレッスン(エアロビみたいな運動)にも積極的に参加されてました。
ある時、プールのレッスンを終えて自宅に帰られた後に倒れてそのまま亡くなられました。
おそらく血圧が上がったのではないかと思われます。
少し省略して書きましたが、バイオリニストの方が亡くなられてから1年も満たない時にまたお客様が亡くなられました。
僕は精神的にかなりキツかったですね。
正直、トレーナーを辞めようとも考えました。
自分が関わると、また誰かが亡くなるんじゃないかと自分を追い詰めてましたね。
かなり長くなるので、続きはまた次回に。
ではまた。
すべての出来事には理由がある
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