松坂大輔の引退試合を見て。
自分で「もういいや」と思って引退する選手。最後までボロボロになるまでプレーする選手。2つのパターンがあると思う。あの松坂大輔が本当にボロボロになるまでプレーを続けてくれた。速球は118キロ。デビュー戦での片岡篤史への直球は155キロ。当時高2の自分は絶叫したのを覚えている。フランクリンへの内角攻めで相手が向かってきても睨み返す姿。しびれる以外の言葉が見つからなかった。
日本に戻ってきてからの7年間、プライドもズタズタにされたと思う。ネットで給料泥棒とか、ボロカス書かれている姿を見ていて心が苦しくなった。頑張ってる人に対して、文字だけで書かれたものを見てなんでそこまで文句を言えるんや?!実際に苦労してリハビリした映像を特集で見ていたので、何度そう思ったことか。しかも7年間。精神的にやられた時期もあったと本人が言っていた。
松坂が甲子園を沸かした98年の夏。当時は高1。2つ上の高3の松坂のすごさに目を奪われた。今となっては松坂世代に近いと言ってもいいと思う。ただ、当時の2つ上はかなりの先輩。スターすぎて、本当に輝いていて、後にも先にもこんな選手は現れないとあの時思った。そして、今も思っている。
松坂の下髭には白髪が混じっている。苦労を重ねた証拠。今うつ病を患っている自分はたくさんの勇気を今日もらえた。会見で「情けない姿を見せたくない」って言っていたけど、今日投げた5球は本当にあの高3の夏に見せた姿ぐらい輝いていた。
松坂世代。ここから◯◯世代という言葉が生まれたと思う。この松坂世代の言葉を超える世代は現れない気がする。23年間、本当にお疲れ様でした。うつ病患者の僕も、たくさんの勇気をいただけました。