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ほぼ日刊イトイ新聞「横尾忠則回 ~アホになる修行の極意~」よりVol.2

前回同様丸パクリ記事なのである。

絵描くことは、今そうしていることがすでに目的で、絵だけでなく、ほかのことも全部そうだという横尾氏。

では、続きをお送りします。
続きものになってしまったので、前回を見てない人は最後のほうチョロっとだけでも見てきてちょー。


糸井
では、目的を持たないようにするには、どうしたらいいでしょう。

横尾
子ども返りすればいいですよ。子どもは、やってる行為自体に大義名分はありませんから。

糸井
つまり、なんでも遊びとしてやればいいんですね。

横尾
そう。子どもは遊びをやってるんだから、快楽があるし、自由があります。
でも、遊びといってもあれだよ、メディアがいう遊びとはちがうよ。

糸井
「遊ぶために遊ぶ」のではダメだ、と。

横尾
それだと目的になっちゃうんですよ。ゴルフにしても、麻雀にしても、魚釣りにしても、それはみんな、遊びじゃなくて目的でしょ。

糸井
理由づけや獲得目標がある感じがしますね。そういう意味じゃ、いつも夏にごいっしょさせていただく横尾さんの合宿はすごいですね。あそこには何もないです。

横尾
なんにもしないことをするんですよ。それがいちばんいい。

糸井
ごはんの時間になるとごはんのことを考える、あとは卓球したり歌ったり、それだけですね。

横尾
ああいうとこでも考えごとして、アイデアに行き詰まってウロウロしたりする人がいるでしょ。気分転換で遊んでいるように見えるけど、それはもうすでに、目的にとらわれてるわけですよ。

糸井
たしかに。

横尾
そういう人は、トイレ行ったりごはんを食べたりするときも「アイデアが浮かぶかもわからない」って期待してるわけ。ぼくはそんなもん考えません。お風呂に入るときはお風呂のことしか考えないし、めし食うときは一所懸命めし食ってる。トイレに行ったらウンチが出るのに一所懸命。余計なことは考えない。

糸井
よく考えたら、いまこのときを含めて、横尾さんとはいつも、目的があるような話をしたことがありませんね。

横尾
ないね。

糸井
これはまさに『アホになる修行』ですね。

横尾
そうともいえる。

糸井
このごろになってやっと気がついたんですが、ぼくの知っている人のなかでいちばん、「途中だよ」と言うのは、横尾さんです。

横尾
すべてが未完成だと、しょっちゅう言ってますね。

糸井
どこの誰より、未完成ということについて、すごく強く言ってますよ。

横尾
それはね、考え方じゃないんです。性格ですよ。

糸井
そうなんですか。

横尾
生まれながらに、ひとつのことをやりとげる信念がぼくにはないんです。

糸井
ないんですか。

横尾
ない。それがぼくの「持ち味」なんです。なんでもすぐにやめてしまったり、どこかよそへ行ったりします。でもそれって怠け心のことでしょう。だからたぶん多少なりともみなさんにそういう性質はあると思う。
ぼくの作品ができあがるのはすべて、ぼくの性格によるものです。努力なんかしてないですよ。むしろ、努力するとだめです。そんなことしたら、アカデミック(学問の分野で正統的で堅実なさま。学究的)なほうへ行っちゃうと思う。

糸井
手ごたえのあることに頼りたくなると、手ごたえがある分、何かが失われていきます。だいたい、なにもかも完成させて死ぬ人なんていないですし。

横尾
そう。そんな人はいないし、1日1日だってそうですよ。「よし、今日は完成したから寝るぞ」なんてことは、あり得ないわけだからさ。だからこそ、あくる日目が覚めて、「よし、今日またやろう」と言えるわけです。
そのくり返しだから、完成なんてないんです。

糸井
はい。

横尾
人間は生まれてくること自体で、すでに未完成性を持っているわけでしょ?
もし完成した魂だったら、生まれずに、涅槃かどこかに行っちゃえばいいわけだから、生まれる必要はないと思う。
ぼくたちがここに生まれているのは、それなりに未解決のテーマをいっぱい持っているからです。どんな偉い先生でも学者でも、生きてる以上は、我々とそんなに変わらないです。みんなちょぼちょぼです。そこに差があるように見えるのは、社会的なヒエラルキーのせいです。あとは何もないですよ。


最後、よ~~~言うてくれはりました。これはホントに前々からそう思ってた。
みんな権威の言うこと聞くの、やめない? って。あんなもん絶対たいしたこと言ってねーよって。
絶対世の中の設定とか自分で見つけたほうが楽しいよって。いや、楽しいっていうかそういうもんだろって。

いつだったか、どっかの科学者がクイズ番組に出てて、理科系のクイズをハズしてたことがあって、まぁ、それは別にいいんだけど(全然よくないけどね)、「あれぇ、おかしいですねぇ」とか言って首ヒネってんの見て、「なんだコイツなんも分かってねーじゃねーか」とかすぐ思っちゃうから「科学者っつってもこんなもんか」ってレッテル貼っちゃうわ。

もちろん、科学者全員がそうじゃないっていう大前提は分かってて、だ。

つまりは、普通の人がにその分野に興味持って、その世界に入って、そこの知識を仕入れてるだけなんだよね。(とんがってきたぞなんか)

何年も前に千葉の小4の男の子が「アリジゴクはウンコしない」っていう通説を覆したんだけど、写真撮ろうとして紙の上に置いといたら、なんか黄色いモノが出てるのを普通に見たっていうんだよね。

ってことは世界中のその道の権威が、自分で見もしないで「アリジゴク、ウンコ、シナイ」って決めつけてたわけじゃないですかこれ。
なんなんそれ? って思ったわ。ただの知識の横流しかよって。

他には宗教にしてもね~、いや、まぁ、この話はええか。



横尾氏のいい話がオレの毒で汚れてしまうんで、ほなさいなら。




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仲大輔
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