私鉄支線の落穂拾い
関西エリアのだいたいの私鉄路線は「完乗」しているが、盲腸線的な支線となると結構「取りこぼし」ているのに気づいたので・・・
川西能勢口~石橋阪大前~箕面
川西能勢口から
急行|梅田
8104
「メモリアル8000」編成に乗車。Hエンブレムが僕の中での「阪急電車」の原風景であることを再認識。
宝塚からやってきた割には空いている。普通に座れる日曜日は好きだ。
石橋阪大前から
普通|箕面
5135
箕面線に乗るのも久しぶり。宝塚線専用として送り出された5100系を使ってるあたり、箕面線が宝塚線の一員であることを意識させられる。
僕自身が古い人間なためか、5000系シリーズは「まだ中堅」と思ってるフシがあるけれど、内装をよくよく見るとマホガニーが色褪せたりしているので、今じゃもうロートルの部類なんだな…としみじみ。
桜井。
奈良に来たような錯覚に陥る駅名だが、西国街道の「駅」として、古くより名を馳せているところだ。
次の牧落でふと外を見ると、すぐそこまで山が迫ってきている。
石橋阪大前から6分で、終点の箕面着。
阪急電鉄の前身にあたる「箕面有馬電気鉄道」の、社名のルーツとなった駅である。
阪急箕面駅からは、箕面市コミュニティバスの「オレンジゆずるバス」で箕面萱野駅へ。
箕面萱野~梅田
箕面萱野から
普通|なかもず
9106
箕面萱野駅初訪問。
千里中央より延伸された線の、新たに終点となったこの駅は「みのおキューズモール」という複合商業施設に「突っ込んだ」感じで駅が設けられている。構内は1面2線でコンパクト。改札を出たら真横どちらかに移動すれば商業スペースへ移動できる。新駅だから色々考えられているのだろうけど、なかなか有り難い設計だ。
阪急電鉄の箕面駅が箕面市全体から見れば西に偏った位置にあった事を考えると、北大阪急行電鉄(北急)のこの駅の設置で街の「重心」が是正された格好か。
既にホームに入っていた列車(大阪メトロ車)には乗らず、少し間をおいて隣にやってきた列車へ。その列車が運良くというか北急編成だった。
9時46分、発車。国道171号を跨ぐ風景が新鮮だ。
箕面船場阪大前から
普通|なかもず
31418
箕面萱野延伸時に出来た新駅。
阪大前なら阪急宝塚線に既にあるが、北急に何故…?って思ったが、ここで言う阪大とは箕面キャンパスの事。
駅改札から地上までかなり長いエスカレーターがあって、地上に出るとそこは商業地のど真ん中で、新御堂筋を見下ろすペデストリアンデッキが設けられている。付近は繊維問屋が立ち並んでいるが、この商業施設が新しいランドマークになりそうだ。
駅の内装はグレーで統一していて、なかなか上品な雰囲気だ。
やってきたのは大阪メトロ車。変な話だが、個人的には乗り慣れているこちらの方が、乗ってて落ち着く。
ほどなく千里中央着。これにて箕面萱野延伸区間を踏破。
再び地上に出て、「地獄への道は〜」(下記参照)のネットスラングでお馴染みの、新御堂筋の分離帯を進む。
10時16分、江坂着。ここからは大阪メトロ御堂筋線となる。
車内は大阪の地下鉄らしい混み方になってきて、箕面萱野付近の郊外感はどこへやら。
新大阪からはスシ詰め状態になり、そのまま淀川を渡って地下区間へ…
梅田で降りたが、まさに「電車から吐き出される」といった表現がしっくりくる。
大阪駅前界隈で用事を済ませるために「うめぐるバス」で移動。
そののち阪神百貨店の地下街で昼食を済ませる。ここは年を追うごとに趣向が変わってて把握しきれない。昔はもっと庶民的だったんだがなぁ…としみじみ。
大阪梅田~武庫川~武庫川団地前
大阪梅田から
急行|西宮
9501
「甲子園球場へは、直通特急をご利用下さーい」
駅員の連呼する声で、今日は甲子園で野球がある事を認識する。
僕はと言うと、その隣にやってきた急行列車に乗る。阪神タイガースを抱える鉄道会社なのに、車両のカラーリングは何となく巨人軍を彷彿とさせる。
12時23分、発車。
野田手前で地上に出て、26分に野田着。
直通特急が出た後に走る優等列車で甲子園に停車することから、甲子園球場へ向かう野球ファンが結構乗っている。
今日二回目の淀川渡河。大阪で郊外に向かう電車に乗っている限り、淀川とは縁を断ち切れない。
尼崎で結構降りたが、それでも立ち客は解消されず…
武庫川で下車。この駅の存在は昔から知ってるが、降りたのは久しぶり。
武庫川から
普通|武庫川団地前
5514
武庫川駅の西側の土手下に武庫川線のホームがある。小さい頃に乗ったことがあるようだが、ほとんど記憶がないので今回が「初乗車」に等しい。
ホームに出て、ふと反対側を見ると武庫川線専用の電車が留置されていた。この先は確か本線につながる連絡線のはずだが、昼間は留置線として扱っているのだろう。
12時50分、列車が到着。
緑色の2両編成で、おそらく本線の普通列車で使われていた編成をこの線向けに改造したものだろう。
そして何とワンマン運行・・・阪神にワンマン列車があったとは意外だった。
車内は普通のロングシートがあるだけだが、壁面は甲子園球場のレンガ壁を模したものや、床面はホームベースが描かれている。甲子園球場が近い事を電車を使ってアピールしているのだろう。
55分、発車。
東鳴尾、洲先と続くがすべて単線。東鳴尾だけが交換可能な駅だ。ひたすら武庫川の土手下を進み、
59分、終点の武庫川団地前に到着。
当然ながら無人駅だった。
武庫川団地前~東鳴尾~武庫川
武庫川団地前から
普通|武庫川
5514
そのまま折り返し。席はサラリと埋まった。
13時5分、発車。1分ほどで、次駅の洲先に着く。
開業当初から昭和末期に延伸されるまでは、ここが終点だったがその頃の面影はもはや見当たらず、土手下の小駅然としている。
東鳴尾から
普通|武庫川
5514
電車を降りて、グーグルマップを弄っていると近くにバス停を見つけたので、ここ洲先から数分ほど歩いた・・・が、たどり着いたバス停には「休止中」の無情な表示…ちょっと小走りで次駅の東鳴尾まで行き、息を整えていたら丁度列車が到着。
武庫川から乗ったのと同じ電車だったので、この編成が武庫川線を行ったり来たりしているのだろう。
終点の武庫川では「東鳴尾」「洲先」と書かれた下に券売機があって、この2駅から乗った現金客はここで切符を買う、というスタイルのようだ。
そして関所のような改札機の列を通り抜け、乗り換えまたは出口へ…なるほど、これなら不正はしづらくよく考えられている。支線の維持費削減に腐心した結果、絞り出されたアイデア、といったところか。
武庫川~尼崎~鶴橋
武庫川から
普通|梅田
5708
最新の「青胴車」に乗車。先々代のクリーム地に濃紺というデザインは普通車のアイディンティティだったようで、最新型でも随所にインスパイアされている。
尼崎センタープール前で特急待避。ほどなく尼崎だが、武庫川とこんなに近かったっけ?と一瞬焦る
尼崎から
区間準急|大和西大寺
5303
阪神と近鉄が、なんば線を介して直通運転を始めて15年だが、未だに阪神線内に近鉄車がいることに違和感がある。
やってきた近鉄車に乗り、パッと見た車内はいわゆるL/Cカーというロングにもクロスにもなるというバリアブルなシートが並んでいて、これまた違和感の塊しか感じない。
14時1分、発車。福と伝法の間で再び淀川を渡る。
13分、西九条着。
かつて阪神なんば線が「西大阪線」と呼ばれていた頃はここが終点だったが、JR(大阪環状線)との接続駅というよりも阪神線の「どんづまり感」が異様に強かったように覚えている。
九条を出てトンネルへ突入。
桜川で近鉄の運転士に交替。線路としては隣の難波までが阪神線だが、運行体系的にはここから実質、近鉄線ということか。
大阪難波、日本橋、上本町と進んで鶴橋着。ここで乗り換え。
鶴橋~河内山本~信貴山口~河内山本
鶴橋から
急行|五十鈴川
5811
奈良線の列車から、大阪線の列車に乗り換え。先の列車と同じくL/Cカーだった。
発車後、車内放送での停車駅を聞いていてドキッとした。いかん、目的地にはこの列車は停まらない。次の布施でまた乗り換えだ…
布施から
普通|高安
2712
滑り込んできた列車が、今度こそ間違いなく目的地へ行く列車であることを確認。いやはや、鉄道マニアを自負していて乗り間違えるなんて、お恥ずかしい限りだ。
そして、この乗り継ぎ旅始まって以来の立ちっぱだ(長瀬で解消)
俊徳道、長瀬、弥刀と進むも、長瀬で少しまとまった乗降があった以外は、車内の動きは鈍い。日曜の昼下がりという事も関係しているのか・・・
動きがあったのが八尾で、ごっそり降車があった。そういえば普通列車の折り返し駅が数駅先の高安なのも、ここに大阪線の輸送断面の「壁」があると言っているようなものだ。
河内山本で下車。小雨がやや鬱陶しい。
河内山本から
普通|信貴山口
1431
高安行きを降りたら、真横に停まっていた。車体にド派手なラッピングが施されているので、先ほど乗った阪神武庫川線同様に「専用車」的なものなのだろう。
動き出した大阪線の列車と、ほとんど間を置かず発車。並走しながら本線から離れ、単線区間へ。
単線だが高架区間があったり、盛土の勾配区間があったりでなかなか楽しい。唯一の中間駅、服部川で結構降りて車内は閑散と…
15時01分、終点の信貴山口着。高い屋根のあるホームが印象的だった。
信貴山口から
普通|河内山本
1431
信貴山口駅の滞在は、わずか1分。改札機にICタッチして即座に折り返し(笑)
途中の服部川から乗った客は、行きにホームで見た顔ばかりだった。
河内山本~俊徳道・JR俊徳道~放出~京橋
河内山本から
普通|大阪上本町
1545
ここからは帰宅モード。
駅前のたこ焼き居酒屋で、サワーとたこ焼きでおやつ(笑)
やってきた列車の車内はガラガラ。多分高安始発だろう。
八尾でやはりというか、まとまった乗車があった。行き同様に大阪線の大阪口の需要の要は八尾、という事か。
俊徳道で下車。
JR俊徳道から
普通|大阪
クハ221-62
おおさか東線のJR俊徳道駅は近鉄の俊徳道駅から徒歩30秒という、乗換至便なロケーションで、妙に離れた大阪中心部の乗換移動に比べると、その近さにただただ感激するばかりだ。
ホームに上がってベンチで休んでいると通過列車の案内があってしばらくすると貨物列車が通過…そうだった。この路線にはおおさか東線なんて名前が付いているけど、本来この線は「城東貨物線」というれっきとした貨物線だったんだと思い出した。
やってきたのは221系6連。こないだ乗った草津線といい、113系ポジションに収まっているのだなと実感。
放出から
快速|塚口
クモハ207-2018
放出到着前からこの列車と並走していたが、何とか無事乗り継ぎ成功。
乗り換える列車が、ホーム向かい同士というのも「成功の要因」だった。
それにしてもガラガラだ。片町線も昨今は住宅地が立ち並ぶ、大阪のベッドタウン路線であるはずなのだが、日曜夕方でそんなに乗ってないものなのか、とちょっと心配になる。
次駅の京橋で、またまた下車。
京橋~川西池田
京橋から
快速|宝塚
クハ206-1059
これに乗れば、あとは川西池田まで一直線というスグレモノ。
片町線内の客は京橋であらかた降りて、出発時には空席もチラホラ…
トンネルに入ってすぐの大阪城北詰は、そのロケーションから実質的に片町線の起点だった片町駅の代替、といったところか。
沿線随一の繁華街のある北新地も乗降はほとんどなく、今乗ってるハコ(車両)だけ見たら経営が不安になるが、先ほどの塚口行き快速といい日曜日の夕方なんてこんなものなんだろう。
海老江〜御幣島で淀川を渡る(トンネルで)今日は何回渡ったかなぁ…
その御幣島で、快速の同志社前行きとすれ違い。他線乗り入れが少ない関西のJRだが、この東西線だけは福知山線と東海道線、片町線の列車が入り乱れて乗り入れてくるため、どことなく首都圏のJR線的なものを感じる。
加島を出て再び地上区間へ出ると尼崎。
地下線対応だったダブルパンタグラフをシングルに戻したり、東海道線からやってきた快速列車と接続待ち…
尼崎を出たところでウツラウツラし、気がついたら川西池田だった…直通はラクだけど寝過ごしのリスクもあるから気をつけないと…
【完乗】北大阪急行電鉄 南北線
阪神電鉄 武庫川線
阪神電鉄 阪神なんば線
近畿日本鉄道 難波線
近畿日本鉄道 信貴線
JR西日本 東西線
阪急電鉄 川西能勢口~箕面 9.3km
北大阪急行電鉄 箕面萱野~江坂 8.4km
大阪メトロ 御堂筋線 江坂~梅田 6.4km
阪神電鉄 阪神本線 梅田~武庫川 12.0km
武庫川線 武庫川~武庫川団地前 1.7km
阪神なんば線 尼崎~大阪難波 10.1km
近畿日本鉄道 大阪線 大阪難波~河内山本 13.1km
信貴線 河内山本~信貴山口 2.8km
JR西日本 おおさか東線 JR俊徳道~放出 3.9km
片町線 放出~京橋 3.2km
JR東西線 京橋~尼崎 12.5km
福知山線 尼崎~川西池田 11.0km
小計 94.4km