接遇に満たされる

マクドナルドのスマイル0円は正しい。

そして、100円ショップの無人レジも正しい。

いろんな人が言っているだろうけれど、
いろんなことが自動化されて、無人化される中、
ダントツでその価値が変わらないのは、
接遇だろうと思う。

しかも、無料でその価値は高めることができて、
減らない。

その価値は目に見えない分、おろそかにされることもあるけれど、
「あの店で買いたい」「あの人から買いたい」につながって、
長期的にみたら、ものすごいことなのだ。

慰謝料自己回収システムの実施中で、夫の家族カード会員になって、
好き勝手している。魔法のカードとして、ありがたきお札を行使すると、店員さんが優しい。わかりやすいよね、人って。

ある程度のお金を払っていると、嫌なことはされない。されないはずだけれど、されるときもある。額に見合ったサービスが受けられないときがある。「へぇ」って思う。

最近では、約束の日に行けなくて時間をずらしてもらおうと電話をかけたら、「うちは特に予約制の店ではありませんので、どうぞご自由に」みたいに言われた。そこで、盛大にかちーんと来たのだけれど、その根底に「これだけ払うのに、なんじゃい」っていうのと、「約束をしていたから、日時の変更と担当者の在不在を聞いてんのに、くそが」というのがあった。

なんだか、自分もいやらしいなぁって思った。どんだけお金を払ったら、好き勝手してもいいのか。そんなのあるわけない。金額に見合ったサービスが受けられないと判断したなら、やめればいい。

先述の店に、変更した時間に行った時に、もし、電話したことを担当が知らなかったら、担当者が接遇してくれなかったら、そこで商品を買うのはやめようと思った。ゲンが悪すぎる。ところが、素晴らしい出迎えをしてくださって、スムーズに話が進んだ。流石プロだなぁと感心させられた。

それで、逸脱したお買い物が完了した。

お誕生日頃、届いたらいいな。ジャン・コクトーとおそろいの。おそろい以上の。彼が亡くなった時、私は生まれていなかった。完全にすれ違った。でも、たくさん言葉を貰って支えてもらったし、一緒に遊んだ気持ち。パリに会いに行って、お墓も壁画も見た。

地球上の水分が循環していることを知ったら、嬉しくなった。コクトーの中の水分が、私を巡っているかもしれない。さびしくない。

肉体を持ちながら、魂単位で遊べばいい。どこにだって、行ける。伝えられる、伝わる。肉体を持っていたって。超えられる。時間も、距離も。伸び縮みする。

会いたい人に会おう。会いたい人に時間を使おう。