第十四夜 清少納言の秘密 前編

「枕草紙」で知られる清少納言は、優れた教養人として、中宮定子に仕えた女官であったが、同時に、ライフスタイルにうるさい、恋多き女でもあった。ちょうど、「セックス・アンド・ザ・シティ」に出てくるヒロインたちのような、女性だったのであろう。一昔前の、イケイケである。
 また、「結婚して専業主婦になり、子供を産む」ことが、女性の人生の「あがり」という価値観が、定着し始めた頃に、
「女性も社会進出すべきである!」
 と唱えた、フェミニズムの魁のような女性でもあった。
 もちろん、本編における、清少納言の描写は、全てフィクションである。


 私は、どう対応していいかわからず、硬直していた。
 不安げに拾が寄り添ってきて、私は、はっとした。
(拾だけは、守らねばならぬ)
 私は、拾を抱き寄せ、清少納言さまたちから、かばうようにした。
 その様子を見ていた、清少納言さまは、独り合点したようだった。
「あ……ああ、アンタたちって、そうだったの。いや、これは悪いコトしちゃったねえ。『オトコがダメ』なら、最初からそう言ってくれればいいのに」
 清少納言さまは、三人の公達の方に歩いていきながら、するすると単(ひとえ)を脱いでいく。公達たちの視線が、清少納言さまに、釘付けになった。
「よければそこで見ていきな。お代はいらないよ」
 清少納言さまは、三人の公達を、いっぺんに抱き締めると、順番にそれぞれの口を吸った。
 よく見ると、左右の公達の股間に両手が伸び、腰は真ん中の公達の股間に押しつけられている。
「たまには、いっぺんに三人の公達に、ご奉仕してもらうってのもいいかもね」
 私は、どうしていいのかわからずに、拾を抱いたまま、その様子を見ていた。
 手早く、公達たちの服を脱がせた清少納言さまは、口と両手で、三本の陽根を弄ぶ。それだけでは満足できないのか、真ん中の男の顔に騎乗し、巴取りの形になった。
 やがて、三人の公達が、ほぼ同時に達する。
「さあ、ここからがご奉仕の本番だよ」
 清少納言さまが、妖しい笑みを浮かべた。と、
「何をしているのですか、清少納言」
 厳しい声が聞こえた。

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