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超私的グルメ(26) かしわ餅

今日は、『こどもの日』にちなんでタイムリーな話題です。

古来から、葉っぱに巻いた食べ物は、手軽に食べられ身近なファストフードだったようです。日本では、笹(ちまき、おにぎり)、桜の葉(桜餅)、柏の葉(柏餅)などがあります。また、奄美大島や徳之島などの南の島々では、バナナの葉に包んだ料理があります。葉っぱではありませんが、少し前に流行ったラップにつつんだ『おにぎらず』もこれらのお仲間です。

記憶が定かではありませんが、私が小学生だった頃ですから、半世紀以上前です。たぶん、”こどもの日”の前の休日だったと思います。突然母から、「今日は柏餅を作るよ」と宣言されました。この時には既にゴールデンウィークという言葉はあったかもしれませんが、まだ定着していませんでした。

柏餅は知っていますし、子供の頃から甘いものは大好きでしたから、嬉しかったことは覚えています。しかし、柏餅は店で買って来るものとばかり思っていましたから、自宅で作れるとは思いませんでした。母は続けて、「○○さん(両親の友人)で作るから」と言って、出かける準備を始めました。

詳しい経緯は忘れましたが、○○さんが”柏の葉っぱ/米粉を親戚からもらった”と言っていたような気がします。餡子あんこも自家製です。まずは小豆あずきを煮て、アンコ作りから始めました。小豆は前日から水に浸していたようで、うちの家族が到着してから大鍋に火が入りました。

アンコができると、次はいよいよ外側の生地作りです。こちらは単純で、米粉に水を加えて”耳たぶ”くらいの柔らかさにします。その生地に、出来上がったアンコをきれいに包み、柏の葉を巻き付ければ準備完了です。アンコ包みの作業は、私たち子供も手伝いました。子供のすることですから、できたお餅の大きさは大小まちまちでした。

これを、蒸し器で蒸せば完了です。火の通り具合を確認しながら蒸していきますが、真っ白な米粉が半透明になったら出来上がりです。確かこの時は、30-40個くらいは柏餅が出来ました。蒸しあがった後は、実食です。この時初めて、”熱々の柏餅”を食べました。

「ウメー!」。子供の頃の、特別な思い出です。

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