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【第二期森保JAPAN初陣】vsウルグアイ備忘録(23/03/24)

しがないイチサッカーファンなので、試合を観ていて思ったことをごく簡潔に(ほんとうに箇条書き程度で)述べておく。
サッカーガチ勢の方からしたら、ようわからんこと言うとるな、コイツwと嘲笑モノかもしれん。ポジショナルプレーとかそういうことをちゃんと知りたい人はもっとちゃんとした人が書いた記事とかfootballistaみたいな専門誌を読もう!いちおう思ったことを書いてみる。

──試合内容について

両チームスタメンが以下のとおり。画像はゲキサカより拝借。

引用元:ゲキサカhttps://www.google.com/amp/s/web.gekisaka.jp/news/japan/amp/%3f380806-380806-fl

フォーメーションは両者4231のいわゆるミラーマッチだ。対面するマーカーはハッキリしているので、1vs1の質的優位さえ保てれば抑え込むのはそれほど難しくはない、私もそうだし、観戦していた多くのファン、日本代表コーチ陣もそう考えたのではなかろうか?(第一印象)
ただ、相手には、トップ下の位置にレアル・マドリーのバルベルデがいる。彼を抑えるためにマーカーが1枚では足りず、2枚、3枚ともっていかれる可能性はある。そこをどうケアするか。この話はあとで日本のビルドアップについての試合後の守田のコメント(日刊スポーツより)でおもしろいことを言っていたので、それを参照しながら話をしようとおもう。結論からいうと抑えられていなかった笑。

原則的には、日本はボール非保持時に442の形をとり、浅野と鎌田の2枚でウルグアイの2CB(2番のブエノと19番のコアテス)にプレッシャーをかける。
このとき、日本から見て右側に誘導するか(16番のオリベラ側)/左側に誘導するか(3番のゴンサレス)を状況に応じて決める。

おそらくだが、森保監督含めコーチ陣としては左側(つまり、3番のゴンサレス側)にボールを誘導したかったのではないか、と推測している。
なぜならば、日本の左サイドには三笘薫という世界で屈指の強力なアタッカーがいるからだ。3番のゴンサレスのところでボールを取りきれれば、圧倒的1on1の優位性をもつ三笘の突破からゴールに直結させられる。ファーサイド(右サイド)には、フィニッシュワークに長けた堂安律もいる。

しかし、前半の試合展開を観ているとどうもそうはなっていなかった。三笘による単騎の突破は2回くらいみられたが、それ以外の攻撃パターンが足の速い浅野や三笘の裏抜け(相手DFラインの背後を狙う動き)だけだったようにおもう。

これ、たしかに攻撃がうまくいっていないのだけれども、それ以前に1st DFがまるで機能していない……。この試合では1st DFは浅野と鎌田であるから、この2人のプレッシャーがまったく機能していないという話である。その結果、DFラインが下げに下げられ、空いたバイタルエリアをウルグアイ攻撃陣(特にバルベルデは前半の速い段階からバイタルに位置取ってるのを見た)に侵食された結果が、あの失点シーンである。

コンダクタータイプの重要性

鎌田に関しては「守備のうまいMF」という私の勝手な印象がある。どこをどう切ってどちら側に誘導すべきか、そしてどのタイミングでスプリントをして相手に圧を強めるべきかまで把握して自律的に守備ができるMFであるのはおそらく間違いない。所属先のフランクフルトでも味方に守備の指示出しをしているのを観たことがある。

で、対する浅野なんだが、彼に関しては失礼ながら「守備のうまいFW」という印象がまるでない。スプリント力はもちろんずば抜けているのだが、鎌田のようなどこをどう切ってどちら側に誘導すべきか、得意のスプリントをどの場面で使うか等がそれほど上手ではない。少なくとも自律的な判断で守備ができない。したがって、彼には守備をする際に指示出し役(ここでは「コンダクター」と呼ぶことにする)が必要になる。コンダクターと組み合わせてはじめて、浅野は1st DFとして力を発揮できる。

ここで意外だなと思ったのが、「え、鎌田ってコンダクターじゃないの…?」ってところ。フランクフルトの試合をちょくちょく観る限りではチームメートに対してあーしろこーしろといろいろ指図しているように見えたから、彼もコンダクタータイプなのだな、と思っていたので。これは、選手としての技量とはまた別の話で、コミュニケーションの取り方のクセのようなモノで、浅野と鎌田のコミュニケーションがそれほど密でないことを暗に示しているのかな…?ということを勘ぐってしまった。
また、鎌田もわりとズケズケと自己主張をするタイプかと思いきや、そうでもなく、あまり関わりのない選手や会って日が浅い選手に対してはその限りではない(ということが推測できた笑)。

※ちなみにこの日試合に出てなかった久保はこの「コンダクター」の資質がかなりある選手だと私はみている。お喋りで物怖じしないタイプというのは、彼のさまざまなビデオを観て私は知っている笑。なぜなら彼のファンだから笑。同様の資質は、アンダーカテゴリーの松木玖生にも強く感じるので、彼にも期待している。サッカー選手は技術は当然のこと、状況が時々刻々と変化していくというゲームの性質からいってコミュニケーションを的確にとる能力というのも見過ごせない資質である。あとは今日の浅野と鎌田みたいに相性もあるかもしれない。
こういうところまで考えて、選手起用しなければならないのだから監督はほんとうに大変である。

──日本の問題点いろいろ

で、試合内容に戻ると、この1st DFによるプレッシャーが効かないことにより、ウルグアイのボールホルダーは容易に縦パスを入れたりときには日本のDFラインの裏を狙うようなボールを蹴ることが可能になった。

このため、日本の2CB(板倉と瀬古)は裏をケアする必要が生じ、DFラインが下がった状態に。
この状態をできるだけ早く解消したかったが、

✔️ 1st DFが機能しないままであること
✔️ 非保持442で守っていたが、ポジショニングが開きすぎで中間ポジションを取られ容易に縦パスを通される(何回も)こと
✔️ 4バックそもそもの弱点である「2人で中央を守らなければならないこと」

等の問題点を抱えたまま、ゲームは進行。浅野に替えて上田、鎌田に替えて西村により、徐々に1st DFが機能。そして、堂安に替えて伊東の投入により右サイドからの質的優位性も取れるようになった。試合後の西村へのインタビューで、伊東からペナルティーエリア内のスペースを狙うように言われていたとのことで、ベンチで試合を観ていた伊東からは修正点がハッキリと見えていたのだろう。

3つめの✔️は、「2CBに同系統の選手を揃えるのではなく、2人で互いの弱点を補完できるような組み合わせをすべき」だが、ウルグアイ戦では板倉と瀬古という、足はそれほど速くはないがパス精度が高い、という似た者同士を並べてしまった、ということを述べている。

これにより、板倉と瀬古の立場になって考えると「1st DFが機能してない&中間ポジションに縦パス通されまくってるから、裏蹴られたら俺らでどうやってケアしよ…?→ライン下げて真ん中のいちばん危ない部分締めるしかない!」って思考になりそう…笑
→中を締める(というか2CBの距離感が近すぎになる)
→遠藤が落ちてこれない
(これに関しては前から遠藤の悪癖?として、2CBの間に落ちてくるときに、①DFラインまで完全に落ちるか、②完全にボランチの位置を取るかのどちらかハッキリすべきなのだが、①と②の中間あたりの場所まで落ちてくるというパターンが多々みられた。その結果、相手の1st DFが遠藤→2CBへのプレスに移行しやすくなり、2CBにプレスがかかりやすくなる。みたいな状況があった。理由はわからない。遠藤の頭のなかでは違う形でビルドするイメージがあったのか?)
→ダウンスリーがチグハグになる

そしてGKの話、全然してなかったですけど、GKも地味に関係してるんすよね。この日スタメンだったシュミット選手、セービング力は悪くないんですが。守備範囲がそんなに広くないです。ハッキリ言って世界水準には届いてない。守備範囲が広いと板倉と瀬古が安心して後ろを任せられるのでラインも上げやすいのですが、彼はまだそこまでの信頼は得ていないでしょう。

もうひとつ、ビルドに参加できるくらいの足元はほしいっすね。今日は後ろ3枚でビルドするつもりだったらしいですが、相手が3枚でプレッシャーに来たときなど、4枚で回す必要性が出てくるときがあるんですね。そういうときにGK・2CB・ボランチの4人でダイヤモンド型の構造を作ってビルドアップするパターンがプレミアなんかではみられます。これも、常にやれというわけじゃなくて、状況に応じて、引き出しのひとつとして持っとくと使えていいよねって話です。

──試合後の守田のインタビューから考えられること<ビルドアップのやり方etc.>

あとで述べるつもりだったのですが、試合後の守田のインタビュー。(以下、日本スポーツより)

この中で「新しいビルドアップの形(ダウンスリー)を試していたが、そのためかポジション取りがいつもよりハッキリしにくく動きづらかった」という趣旨のことを述べています。また、「両SBの菅原と伊藤にボランチ脇にポジションを取るように指示を出していた」そうです。

ここに敗因のいくつかが含まれているのじゃないかなと思いました。(今回のビルドアップを主導した)名波コーチはマンチェスターシティやアーセナルがやっているようなダウンスリーと偽サイドバックを組合わせた戦術を駆使して、強力なウインガーである三笘や伊東に一本でボールを通して速攻→1on1で勝利、あるいは勝利しなくとも内部にカオスを生み出し中で仕留める、というゲームプランだったと思うのです。そのために、CBに展開力のある板倉と瀬古を起用した。

まあ、三笘や伊東といった世界トップクラスのウインガーを活かそう!という発想じたいは何も間違ってないと思います。しかし、あのマンチェスターシティだって、1st DFどころか1st で潰しきれなかったときの圧縮のかけ方とか、要はSBに高い位置を取らせることによるリスク(サイド裏に広大なスペースができる等)を極限まで減らせるようにゲームを設計しています。

今回の森保ジャパンの試合は、プレミアリーグトップクラスのチームの戦術(しかも別に最新ではない…)を表層だけ取り入れて、リスクマネジメントや個々の選手の特徴(先述した浅野と鎌田の関係や板倉と瀬古の思考)などを考慮に入れていると思えず、どうもよろしくねえなあ…と思う次第であります。

試合後に守田が「ダウンスリーでのビルドアップのときのポジショニングに迷いが生じた」と話していたのは、ダウンスリー時に遠藤と守田のどちらがCBの間に落ちていくのか?というところで迷いが生じたのか、それともダウンスリーのあと両脇にSBの2人が来て3枚になったため動けるスペースが狭い&動き方が変わってくるという意味でなのか、あるいは両方なのか?わかりませんが、選手に細かいところまで落とし込めていないのはたしかなようです。

で、名波コーチが一押しのダウンスリー→偽SBのビルドですが、これほんまに日本がやるべきなんかな?とは思いませんかね?
たしかにウイング強いし活かしたいのだけど。
CBのカバー範囲の広さ(キック精度は勿論)必須でしょ?今日みたいに1st DFが機能してない試合ならなおさらですよね。ライン下げさせられるわ、中間ポジションに縦パス通されまくるわ、の状況でいちばんフィルター能力の高い遠藤がCBの位置まで落ちていってってなると、じゃあゴール前までで誰がボール盗るん?ってなりませんかね?ってなると遠藤もそう簡単には下がれませんよね。そうなるとチグハグになる。

あと、ボランチの両脇を固める2人。この2人にはOMFのようなテクニックに加え、それなりのフィルター能力も求められます。

今日の試合だけでは判断しかねますが、たとえばアーセナルで偽SBをやっているジンチェンコのように元MFの選手を敢えてSBに起用するという手もあります。

冨安は役割はこなせそうですが、現状CBの駒数が足りないので、CB起用が優先かなと思います。私が(偽サイドバックとして)わりとアリだと思ってるのは、セルティックの旗手、川崎フロンターレの橘田(彼をボランチにして両脇に守田等をもってくるという手もある)、シュツットガルトの原口などなど。

そもそも論としてダウンスリーからの偽サイドバックを使ったビルドってやる必要あんのかな?(さっきも言いましたね?笑)

工数考えると、①2CBが開く→②遠藤が真ん中に落ちてくる→③守田の脇に両SBが位置取る
というように3つの工程から構成されています。これでできる形って、今日の試合のメンバーでいうと、後ろ左から瀬古・遠藤・板倉、伊藤・守田・菅原で後ろ3-3の形を作ってワイドレーンに展開したい。やりたいことこれですよね。こっから先は間違ってるかもしれないのでド素人の戯れ言やと思って聴いてほしいんですけれども、

「SB片方上げるだけでおんなじことできるくない?」

巷で言われてる可変型の3バックとか4バックいうやつですね。工数"1"です笑。むしろ、これの方が森保さんに3バックの知見・ノウハウが少なからず(笑)蓄積されているため、よいのでは?と思いました。

基本4バックにしといてそのうち片方のSB(もしくは両方)を中盤化できる選手にする。カタールW杯でハンジ・フリックのドイツがそうでしたね。前からぼく、原口か旗手を4バックのSBに持ってきたらええんちゃうか?って言ってるんですけど、なかなか実現しませんねえ…

たぶん、343とかにして両WBを上下させるだけって形にした方がタスクがシンプルですし、マークのズレとかも起こりにくい。単純に上下動を繰り返せる優秀な選手が日本にはいた。短期間で仕込める。このあたりが理由でしょうね。

あるいは、基本3バックにして3バックのうち誰か1人をMF的性質の強い選手にする。その選手をボランチ脇でプレーさせて代わりの選手(展開力のある選手)が落ちてくるとかでも全然ありやと思いますけどね。コンテとかガスペリーニあたりがやっているのを観たことがあります(まあでも、さっき言ったみたいに海外の名将がやっているからという理由だけでそれをやるのもどうですかね?というのは常々感じるところ)

──妄想(後日追加するかも…)

その1
素朴な疑問なんやけどさ、日本代表って外切りのサッカーやらんの?中にボール運ばれると原則としてゴールに近いところでのプレーになるから失点のリスク増でだめってのはわかるけど、逆に奪えたら自分たちは相手ゴールにより近い位置でプレーできるから、ゴールまで速く到達できる。

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その2
バイエルンとかリヴァプールとかやってなかったっけ?あんま知らんねんけど。真ん中に人密集させてそっちに追い込んで囲い込んで回収からの一気呵成のカウンター。それと現行の三笘・伊東を混ぜ込んだサッカーできひんのかね?
外切りストーミングサッカー+中央/ワイドの選択肢を相手に迫るみたいな

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その3
それやるときにフィルターかつ扇の要みたいに中央・左右に振り分ける役割を鎌田あたりが担えそう。フィルター役はフロンターレの橘田とか国内でも良い選手いるじゃん。

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その4
でさ、どーしても3-3の形つくってビルドしたいんやったら、可変4バックの方が工数少なくてよくね?ってのが私の意見です。中盤的性質の強いSBをもってくればよくて、原口とか旗手とかいるやんな?(今回よばれてないけど…)

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その5
可変式4バック、3-3ビルド、ワンチャン1本でWGへ、中は絞って外は捨てる、外切りで中に追い込んで奪いきる(フィルター2+1(鎌田))、両ウイング三笘&伊東、ワントップ足速くて得点パターン多い古橋とか、相手からしたら地獄でしょ笑。
鎌田のとこはしょーじき久保でもOK

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想定:可変4バックの4231ないしは433
外切り→中に誘導→中に作った密集地帯でボール奪取→素早いポジティブトランジション→パスの出し手(扇の要)の配置により両WGもしくは中央突破の3択を相手に迫る→パニック、カオス状態が生じる→フリーになった選手を使って仕留めるという三段
完全に妄想。攻撃のことしか考えてない。プレス(特に1st DFをどうはめるのかは、もっと詰めないといけない。)

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Denchu│electrope
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