見出し画像

2-1.心得~自然体~

特にアウトバウンド領域の電話営業で陥りがちな思考があります。

『○○と言われたらどう返せばいいですか?』『○○を言えばよかったんだ』

というような、切り返しと呼ばれる要素に対して巡らせる思考です。

大抵のケースでは、『北斗の拳』で例える所の『おまえはすでにしんでいる』の状態です。

もう負けが決まっている中でもがくように言葉を浴びせてしまっている状況。すでに負けているので、どんなに正しい理屈を放っても聞いて頂けません。話し手が、そんな状況に理不尽や苛立ちを感じてしまうという現象がよく見られます。

アウトバウンドにおいては特に相手の方からネガティブな意見を頂く事が多々ありますから、
オブジェクションハンドリングの準備は当然必須ですが。

その前に気付いておかねばならないことがあります。

『電話先の相手は、まだこちらを向いていない』
ということです。

どのように切り返せば突破できたかというより、相手の方が『耳を傾ける姿勢になっているのか』に意識を注ぐことが重要です。

この電話に出てくださっているということは他の電話も受けている可能性が高い中、新規の営業と判った瞬間に『ああ、また売り込みか』と背中を向けてしまうことが考えられます。

そんな中、もし仮に、ありがちな機械的で事務的で無機質なアナウンスのような電話営業を受けたとしたら、もしベネフィットを感じる商品やサービスだったとしても、耳を傾けたくはなりません。

ガチャ切りや罵声などの手荒い仕打ちまでいかずとも、内容を聞くつもりもないでしょうから適当に返事をしたり『何かあったらこちらから』などの丁重な断りをするでしょう。

相互に声のやり取りがあるので、『会話』と錯覚しますが、これは『会話』ではありません。

2名の声帯が振動する音が鳴っているだけです。

想いを伝え、こちらが『人間』である事を感じてもらい、向き合っていただく事に集中すること、この第一歩は『自然体』であることです。

画策・意図のない親しみを感じる雰囲気が電話線を伝って相手の方の鼓膜に響くことをイメージしていきましょう。

ポイントは、自然な地声で話し、心が固まるのではなく解れる場を創ることです。

毎日受けているであろう営業(売ってやろうという姿勢の)とは異なり、自然体でon笑顔、そして、断られることを恐れないどっしりとした構えです。

それが、相手の方の素直な気持ちや人柄を引き出すのです。

相手の態度が硬くなり、壁を作り拒絶や意地悪をしたくなる逆をイメージすると近道です。

◎心が固まる
無機質
機械的
一方的
よそよそしい
目を見ていない
行儀だけ良い
相づちがズレている
弱気・焦っている(自信がない)

これらの逆はどうでしょう。

◎心がほぐれる

有機質
人間味がある
反応を気にしながら話している
親しみがある
真意に寄り添っている
礼節が伝わる(親しみの奥に感じる)
相づちが合っている(呼吸が心地良い)
堂々としている(余裕がある)

相手の方の鼓膜に、心地良い風を吹き込み、気持ちの良い時間だと感性を響かせることが出来た時、はじめて『会話』が成立し、はじめて理屈の部分を理解して頂ける体勢が整うのです。

いいなと思ったら応援しよう!