【未来に残したい愛知の祭り】 足助祭
豊田市足助地区
足助の町は塩の道として信州に塩を運んだ三州街道の物流の拠点として栄えた歴史を持つ町です。足助祭は足助八幡宮の例祭で、かつては五日間かけて行われておりました。現在は十月の第二土・日曜日の二日間で祭りが行われ、一日目が試楽、二日目を本楽としています。本楽の夕方、「警固総渡し」から足助八幡宮での山車の曳き廻し、神前の梵天投げは、足助祭最大の見せ場となっております。とくに梵天投げでは「年行事」と呼ばれる若衆の代表が山車から伸びた梵天を投げ、それをお守りとして取り合う様子が見られます。
足助の山車が他と比べて最も違う特長は、山車の前棚に舞台が設けられていることです。滋賀県の長浜や岐阜県の大垣、垂井などにも歌舞伎舞台のある山車、曳山はありますが、それらとは明らかに違うものです。
足助祭りのもう一つの特長は、山車祭りと警固祭りの2つの要素を持っていることです。警固祭りは愛知県内でも名古屋東部から豊田にかけて盛んに行われていますが、山車祭りを合せて行うのは足助だけです。
足助祭が最も盛り上がるのは2日目本祭の夜、警固総渡しから梵天投げに至るまでの祭の締めくくりです。鉄砲隊の男たちが、「オッサ オッサ」の掛け声とともに、蛇行しながら進んでいきます。足助まつりのクライマックスです。そして、いよいよ祭りのクライマックスとなる梵天投げでは境内に曳き入れられた山車の最上部から梵天を両手に持った若衆が身を乗り出して「千秋楽!」と叫んで両手の梵天を投げます。こうして足助祭は幕を下ろします。
現在、制作中の愛知の祭り写真集は2023年5月の出版を予定しています。そして10月下旬から、この写真集を全小中学校に寄付するクラウドファンディングを企画しております。こちらのFBページで進捗を随時発信します。
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