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千葉公園の大賀ハス

妻の通院につきあってちょくちょく千葉駅前に足を運ぶ。小一時間のアキができるので近くのそごうや駅ビルを探索したり、本屋などで目の保養をして時間をつぶすことが多い。この日は大賀ハスが開花したということで、これも歩いてほど近い千葉公園へ。1952年、大賀一雄という植物学者が千葉市で発掘された古代のハスの実から発芽に成功し、大輪の花を咲かせたことからこの名がついた。その後全国に移植され、いにしえ(少なくとも2000年以上前、弥生時代以前)の花の姿を今では各地で鑑賞できる。

千葉公園では見頃には700輪の花がハス池に咲き誇るらしいが、花は早朝から午前中には花びらを閉じてしまい、4日間で開花期間を終える。この日公園に行ったのは午後3時、ほとんどの花はすでに花びらを閉じていたが、数輪がところどころで人間の相手をしている。700輪が一斉に咲き乱れたらそれは壮観だろうと思う。

午後にはほとんどの花が閉じてしまう。

ハス池には木道が作られているので、間近で花の姿を鑑賞できる。この日は3年ぶりに開催の「大賀ハスまつり」(6月18日~26日)の初日、午後でも多くの人が訪れていた。期間中はささやかながら歌舞音曲(!)の催しもある。清らかさや聖なるものの象徴で祝祭にも欠かせないはずのハスが「葬式仏教」という日本の特殊事情の前に仏事の花の印象が強いのは残念。

公園の池は貸しボートもあって、そこそこ繁盛している様子。昔も今もカップルはボートに乗る。井之頭公園のような都市伝説があるのかどうかは知らない。ところで最後に乗ったのはどこで、いつだった?
現在は市の公園として人々の憩いの場になっている千葉公園は、多くの跡地利用の例に漏れず、戦前は帝国陸軍の鉄道連隊の演習場だった。ひっそりと遺構が一部だけ保存されているが、知らない人も多そうだ。今は、公園の脇を時折楽しいペイントを見せているモノレールが走っている。





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