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本の事など

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本棚の中身、読んだ本、本にまつわるエトセトラ
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記事一覧

本棚のまわり

本だけに占領された書棚が好きじゃない。なんだかとても窮屈だ。あくまで個人的な話で、他人の…

シズ
8日前
19

橋本治というレトリック。

「革命的半ズボン主義宣言」(河出書房新社)を読む。80年代の「名著、復刊。」と帯にある。40…

シズ
2週間前
15

今年の1冊目。

義父の葬儀は滞りなく終わった。身内のごく親しい人だけで94歳の大往生を見送った。慎ましく静…

シズ
1か月前
14

2024年、65歳のこんな本。

65歳になった。なんといってもこれが今年の極私的トップニュースだ。とりたてて感慨はないのだ…

シズ
1か月前
27

本棚の中身・「老い本」とかいう世界

酒井順子著「老いを読む 老いを書く」(講談社現代新書)。近頃本屋で幅を利かせている老人狙…

シズ
2か月前
18

森見登美彦は突然襲う。

また森見登美彦の襲撃を受けた。あれほど気をつけていたのに、月日が経つとつい油断してしまう…

シズ
2か月前
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職業詩人・谷川俊太郎という人。

谷川俊太郎がこの世を去った(あえて敬称をつけずに、だって普段「さん」付けでなんか呼んでいない)。いつのまにか92歳になっていた。大往生なのだ。哲学者のひとり息子は「どうやって生活していこうか?」と考え、詩人という職業を選んだ。そして数々の「仕事」を世に出し、生涯現役で「生きていること」を打ち止めにした。酒浸りの日々の、あるいは血を吐くような苦しみの中から生み出された言葉ではない。だから、どこか明るい。そして少し嘘つきだ。ただ、どこが嘘かを見つけるのはたやすくない。 谷川俊太

バージ二ア・リー・バートン「ちいさいおうち」

昨年、黒姫山童話館で衝動買いした「ちいさいおうち」をブックスタンドの端に立てかけた。子ど…

シズ
3か月前
17

「午後の最後の芝生」

「午後の最後の芝生」を初めて読んだのは、おそらく1986年だ。どうしてそんな断言ができるかと…

シズ
3か月前
16

金井真紀「テヘランのすてきな女」

きっかけは著者の「イランに女子相撲があってね、いつか見に行きたいと思ってて」だった。それ…

シズ
5か月前
15

本棚の中身・大宅壮一ノンフィクション賞

「値上げ、困りますね」「ウチにも同じくらいの子どもがいるので怖いですね」「今年は近場です…

シズ
5か月前
14

本棚の中身・芥川賞とか直木賞

第一次書棚整理が終わる(第二次がいつあるかは誰にもわからない)。200~300冊位は減らせたん…

シズ
5か月前
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本棚の中身「戦争ってなんだ」

招待するだのしないだの、参列するだのしないだの、一体誰の祈念式典なのか。さぞ安らかに眠る…

シズ
6か月前
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タイトル買いなのだ。

「待望の文庫化!」から一ヶ月余り、ベストセラーの話題を席巻している「百年の孤独」なのだが、まさかこんなに売れちゃうなんて。多くの国で翻訳されたノーベル賞作家の名作がなぜか文庫化されないまま数十年、満を持しての登場ではあるにせよ。タイパもコスパもきっと悪いぞ、そんな事を気にするお方は決して手に取ることはないのだろうけれど。 作品のもつビートというか、そこにしかない言葉の抑揚がダイレクトに感じられない翻訳文学というのはどうも苦手だ。だから本棚にはレイモンド・チャンドラーやフィッ